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さしもしらじな

あとがき
 こんにちは!再録本のご購入ありがとうございます。
 この二冊を初めてサークルで参加した時に出したんですが、部数の相場が分からず少なめに刷ったので通販分を確保できず……一年経ったので再録しようと思った次第です。
 あとがきを書いている今はふたつの原稿をまとめただけでこれから「かつての自分が書いた本を誤字脱字含め表に出せるものに修正しないといけない」という地獄の作業が待っています。正直羞恥で死にそうです。書けば書くほど、昔の自分の作品を読み返すのが怖くなります。気分としては鑑定をつくろう!とか個人サイトとかを見返している感じです。一生懸命書いたものでも、自分の成長のたびに拙く見えてしまうのは嬉しい半分悲しい半分です。

 当時はあとがきを書く余裕がなかったので、ここでタイトルの小ネタを。
 二作目の「さしもしらじな」、元ネタは小倉百人一首の和歌、『かくとだに えやは伊吹の さしも草さしも知らじな 燃ゆる思ひを』から引用しました。五十一番、藤原実方の和歌です。超簡単に現代語訳すると『伊吹のさしも草(お灸に使うヨモギの異称)のように燃えている私の思いを貴方はしらないでしょうね』という意味です。
 訳によって解釈が違いますが、私が最初に見たのはこんな感じでした。この句を知っていれば、フランのベルに対する気持ちを詠んだ歌に見えます。が、タイトルは「さしも知らじな」、現代語訳では「そのように燃えている恋心を知らないでしょうね」の部分です。なので実は、このタイトルは自分の恋心に気づかないフランを表しています。……というのをもっと早くに言いたかったんですが、言う機会がありませんでした。言えてよかったー!和歌は先人のエモくて教養あるツイートまとめだと思ってよく眺めています。自分の趣味に活用できるから勉強って楽しいですね。もっと教養が欲しいところです。
 今回、イラストはいつもTwitterで仲良くさせていただいでいる、べがさん(@vega_reborn)に描いてもらいました。カワイイベルフラですね。めっちゃいいですね……。新刊に一区切りついてもくりで雑談してた時に「かーいーてー」ってお願いしたら「いっすよー」と答えてくれました。さんきゅーべがさん。いつも可愛くていちゃいちゃしてるベルフラを描いてくれてありがとうございます。私もいちゃいちゃハッピーを書きたいんですがね、何故がシリアスとかバトルに走っちゃうんです。わざとじゃないんです。いつかいちゃいちゃベルフラ本が書けたら褒めてください……。
 今は某感染症の影響があり、同人誌を手にする機会が格段に減っていると思います。その中で会場に足を運んでくださった方、わざわざ通販で買ってくださる方がいることは、本当に嬉しい限りです。日々大好きな小説やゲームをしながら、どうしてこんなにすごい物語が書けるんだろう、どうして私には面白い物語を書くスキルがないんだろうと落ち込んでいますが、それでも私の書いたベルフラが好きだといってくださる方が何人もいて、感想もくださって、そういうものに支えられて創作活動ができています。もらった感想は、プリントアウトして筆が乗らない時に読み返しています。本当にありがとうございます。
 いつかマスクなしで即売会に参加して、買ってくださる方に大声でありがとうございますとお礼の言葉を言えるのを夢見ています。

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