現在編
「お先に上がります」
「はいはいー。お疲れ様。また今日もよろしくね」
日付は既に変わっているので帰りの挨拶はいつもこうだ。
ヒラヒラと手を振るロイに頭を下げてアッシュは自宅へと向かった。
途中のコンビニで何か買おうかと思いつつ、眠気の方が勝ったので真っ直ぐ家路を急ぐ。
アパートの鍵を開けると廊下に部屋の明かりが漏れている。
中からは賑やかな声が聞こえる。
足元を見れば見慣れた靴が2つ並んでいるのに気がついた。
「だぁー!くっそまた負けたぁー!」
「ふん、タイガの癖に勝てると思ってるわけ?」
「何ぃー!もう一回勝負だ!」
「……何してるの2人とも」
リビングに行くとユキオとタイガがテレビの前を陣取っていた。
自宅から持ち込んだらしいテレビゲームを繋げてゲームをしていたようだ。
ユキオとタイガがこうして家に上がり込んでゲームをしたり漫画を読んでいるのは良くあることだ。
もっと2人が小さい頃には家庭教師もしていたので何だかんだ懐いてくれているのだろう。
一度仕事が終わる真夜中まで2人で待っていたことがあったので合鍵もそれぞれ渡している。
なので勝手に上がり込んでいるのはまあいい。
ちらりと時計を見れば既に深夜2時を回っている。
店の閉店時間が1時なのだからそれはそうだろう。
2人共賑やかなのは良いことだが時間を考えてほしい。
流石に苦情が来て追い出されたくはない。
「もう2時過ぎてるよ。2人とも学校は?」
「休み。日曜だよ」
「あぁ、そうだった…」
ユキオの言葉で曜日を思い出す。普段仕事があるかないかで判断しているので曜日感覚がズレていくのだ。
「アッシュー!飯買っといたから冷蔵庫入ってるぜー!」
「ありがとうタイガ」
多分、こんな生活をしているので多少心配されている部分もあるんだろうとは思う。
特にタイガなどは面倒見が良いし、ユキオもユキオで普段はクールだが身内には甘い。
しょっちゅう食事時に来るのもそのせいかなと思うのだ。
まぁ、8割方は食欲が優っているだろうが。現役高校生男子はよく食べる。
「俺も腹減ったー」
「もう食べたんだろう?」
冷蔵庫を開けようと台所に移動すると、後ろからタイガが返事を返す。
「そんなのとっくに消化した!アッシュー。俺の分も冷蔵庫入ってるから出してくれー!」
居間の方を見ればタイガは胡座をかいたまま後ろ手に手をついてこちらを向いている。
逆さまの顔はやや眠たげだ。
冷蔵庫の中に視線を戻すとちゃっかり3人分の夜食が入っていた。
「はいはい…ユキオのも出しとくよ」
「ん」
温めてからテーブルへと出すと2人ともいつもの定位置へと座る。
左隣にユキオ、右隣にタイガが座るのがここでの定位置だ。
「ユキオ今度はあれ使うなよ!まじ反則」
「最初に言わないからだろ」
2人は食事を食べるだけなのに賑やかだ。
やはり誰かと食べる食事は違うなとしみじみ思う。
そのうちユキオがタイガの唐揚げをひょいと摘んだことで肉の取り合いが始まった。
食べきれなかった唐揚げをタイガに渡しつつ、アッシュは苦笑する。
「食べたらちゃんと寝ろよ」
「えー。今日はオールでゲームしようかと思ってんだけど」
タイガの言葉にユキオも頷く。
眠そうなくせに寝る気は無いらしい。
「頼むから寝てくれ」
食べながらも眠くて仕方ないアッシュはがくりと肩を落とした。
「はいはいー。お疲れ様。また今日もよろしくね」
日付は既に変わっているので帰りの挨拶はいつもこうだ。
ヒラヒラと手を振るロイに頭を下げてアッシュは自宅へと向かった。
途中のコンビニで何か買おうかと思いつつ、眠気の方が勝ったので真っ直ぐ家路を急ぐ。
アパートの鍵を開けると廊下に部屋の明かりが漏れている。
中からは賑やかな声が聞こえる。
足元を見れば見慣れた靴が2つ並んでいるのに気がついた。
「だぁー!くっそまた負けたぁー!」
「ふん、タイガの癖に勝てると思ってるわけ?」
「何ぃー!もう一回勝負だ!」
「……何してるの2人とも」
リビングに行くとユキオとタイガがテレビの前を陣取っていた。
自宅から持ち込んだらしいテレビゲームを繋げてゲームをしていたようだ。
ユキオとタイガがこうして家に上がり込んでゲームをしたり漫画を読んでいるのは良くあることだ。
もっと2人が小さい頃には家庭教師もしていたので何だかんだ懐いてくれているのだろう。
一度仕事が終わる真夜中まで2人で待っていたことがあったので合鍵もそれぞれ渡している。
なので勝手に上がり込んでいるのはまあいい。
ちらりと時計を見れば既に深夜2時を回っている。
店の閉店時間が1時なのだからそれはそうだろう。
2人共賑やかなのは良いことだが時間を考えてほしい。
流石に苦情が来て追い出されたくはない。
「もう2時過ぎてるよ。2人とも学校は?」
「休み。日曜だよ」
「あぁ、そうだった…」
ユキオの言葉で曜日を思い出す。普段仕事があるかないかで判断しているので曜日感覚がズレていくのだ。
「アッシュー!飯買っといたから冷蔵庫入ってるぜー!」
「ありがとうタイガ」
多分、こんな生活をしているので多少心配されている部分もあるんだろうとは思う。
特にタイガなどは面倒見が良いし、ユキオもユキオで普段はクールだが身内には甘い。
しょっちゅう食事時に来るのもそのせいかなと思うのだ。
まぁ、8割方は食欲が優っているだろうが。現役高校生男子はよく食べる。
「俺も腹減ったー」
「もう食べたんだろう?」
冷蔵庫を開けようと台所に移動すると、後ろからタイガが返事を返す。
「そんなのとっくに消化した!アッシュー。俺の分も冷蔵庫入ってるから出してくれー!」
居間の方を見ればタイガは胡座をかいたまま後ろ手に手をついてこちらを向いている。
逆さまの顔はやや眠たげだ。
冷蔵庫の中に視線を戻すとちゃっかり3人分の夜食が入っていた。
「はいはい…ユキオのも出しとくよ」
「ん」
温めてからテーブルへと出すと2人ともいつもの定位置へと座る。
左隣にユキオ、右隣にタイガが座るのがここでの定位置だ。
「ユキオ今度はあれ使うなよ!まじ反則」
「最初に言わないからだろ」
2人は食事を食べるだけなのに賑やかだ。
やはり誰かと食べる食事は違うなとしみじみ思う。
そのうちユキオがタイガの唐揚げをひょいと摘んだことで肉の取り合いが始まった。
食べきれなかった唐揚げをタイガに渡しつつ、アッシュは苦笑する。
「食べたらちゃんと寝ろよ」
「えー。今日はオールでゲームしようかと思ってんだけど」
タイガの言葉にユキオも頷く。
眠そうなくせに寝る気は無いらしい。
「頼むから寝てくれ」
食べながらも眠くて仕方ないアッシュはがくりと肩を落とした。