雑多記事
映画『国宝』観に行ってきた〜
2025/07/06 13:59その他
評判が良いのは知ってたんだけど、実家に帰った時に母が絶賛してて、のかなは伝統芸能とか好きだしこれも好きだと思うって言ってて、いや私が好きなのは狂言だし萬斎さんのしか見ないし歌舞伎はそんなに興味ないな〜と思いつつせっかくだから映画館で見れるうちに見るかと思って先週観に行ってきた。朝一のスクリーンなのにほぼ満員で凄……。
約3時間って長い映画なのに全然ダレるシーンなくて必要なシーン、必要な設定ばかり。おそらく原作小説からカットされてる場面はいくつもあると思うけど映画しか観てない自分にはそれを感じさせないくらい演技や演出で匂わせるのがうますぎるし、多分原作からして話の軸がしっかりしてるから多少省いてもおかしくならないんじゃないかと思う。
事前情報はあんまり入れてなかったんだけどその中でもちょくちょく俳優陣の演技が良いみたいなのは聞こえてきてて、実際本当にそれは良かった。しかも誰か1人が突出してるとかじゃなくて全体的にクオリティ高くて違和感あるところがないのは大前提って感じ。その上で喜久雄の女形の才能という重要な設定にちゃんと説得力のある演技が伴ってて、あれは吉沢亮の努力なのか画面構成とか音響とかの演出面の効果なのか……もちろんそれらの相乗効果なのはあるだろうけどとても圧倒的で最高。
横浜流星の演じる俊介の女形は、目尻の感じとか表情ですごく女っぽさを感じる部分が多かったんだけど、それが逆に男が女を演じてるんだってのを強調してる感じがあって、吉沢亮の喜久雄は女形の演技をしているってより女性として見えるんだよね。だから何か特定の仕草や技術に女性らしさを感じるんじゃなくて女形であることを意識させないところが天才の女形という才能に説得力を与えてて…。女性を見てこの人凄い女の人みたいって思わないのと同じように自然体。その違いが2人の才能の差でもあるし、でも俊介が決して下手なわけじゃないことの現れでそれを自然に納得させる演技が凄い。
万菊の国宝としての威厳とカリスマ性も凄くて、本人の意図に関係なく周りが一挙手一投足に意味を見出そうとしてしまうような繊細な空気感が演技を越えたところにあるようで本当に凄い。この人もピンポイントで女性らしさみたいなものは無いのにめちゃくちゃ女性なんだよね…。言葉遣いもあれで違和感もなく滑稽さもなくただただ自然体。
とにかく見てる側が演出の意図に合わせる必要性があんまりなくてフラットに見ていれば話の流れに沿った感想を得られるのが本当にストレスフリーだった。
ストーリーの構成というか、伏線の張り方も凄い計算され尽くしてる感じがあって、特に俊介が血統のおかげで7~8年家から離れててもすぐに復帰できたけど遺伝のせいで糖尿病になるところとかめちゃ皮肉だし、喜久雄は周囲の人を犠牲にしまくっても芸能の技術で周りに助けられるの、色んなもの巡りまくってて凄い。
あとは曽根崎心中。前半では俊介の挫折ポイントでもあり喜久雄の才能の象徴でもある恐ろしさすらある印象だったけど、後半で俊介がお初を演じる曽根崎心中では徳兵衛がお初の足に首を当てるシーンで糖尿病の進行度合いを見せるっていう虚しく哀しい印象に変わるの余りにも天才的過ぎる演出。
死ぬ覚悟を問うお初のセリフが、このまま最期まで舞台の上に立ちたい、立たせてくれって徳兵衛である喜久雄に懇願しているようにも聞こえて、この演目である意味っていうのが最大に生かされてて最高だった。
あとは単純に理不尽に嫌な奴があんまりいない。ストレスフリーに話に集中するのにこんなに大事な要素ない。もちろん嫌なこと言ったりしたりする人はいるにはいるんだけど、幸子さんとかは、そりゃあなたの立場ならそう思うよねって感じだし、竹野とかなんだかんだ喜久雄がどん底の時も三代目って呼んで気にかけてくれたし、春江も喜久雄じゃなくて俊介を選ぶのは納得感のある流れがあったし、ほんと周囲の人に恵まれすぎている。俊介とか最初バチバチのライバル関係でいびってきたりするんだろうなとか思ったらめちゃくちゃ友情築いて青春してるしいい奴すぎて怖いくらいだった。
なんとなく、俊介が凄くいい奴だったから喜久雄も悪魔に魂を売っても一定の人間性を保てたんじゃないかなと思う。俊介がやな奴だったら喜久雄ももっと加減なく最低な人間になれちゃった気がする。
そんな人に恵まれて、けれど血統だけが無い故に地獄に叩き落とされるほど没落もした喜久雄が、最後人間国宝にまでなって、記者からは順風満帆な人生だったって言われるの、何十年とある役者人生の中であの余りにも苦しく辛かった時間は他者から見たら四捨五入で切り捨ててしまえる程度のものでしか無いんだなって無常感があって好き。けれど本人の中からは決して消えない忘れることなんて出来ない記憶なんだよね……。
最後エンドロール見ながら、この主題歌歌ってる人めちゃくちゃ歌上手いしめちゃくちゃ声が綺麗だ……って思いながら浸ってたら井口理って流れてきてほんま面白かった。いやお前かい!!!そりゃ上手いわ!!!でも真面目に女形をテーマに据えた映画で女性的で透き通った歌声の井口を起用するの"正解"すぎるもんな……。最後の最後までしてやられたって感じの映画だった。
約3時間って長い映画なのに全然ダレるシーンなくて必要なシーン、必要な設定ばかり。おそらく原作小説からカットされてる場面はいくつもあると思うけど映画しか観てない自分にはそれを感じさせないくらい演技や演出で匂わせるのがうますぎるし、多分原作からして話の軸がしっかりしてるから多少省いてもおかしくならないんじゃないかと思う。
事前情報はあんまり入れてなかったんだけどその中でもちょくちょく俳優陣の演技が良いみたいなのは聞こえてきてて、実際本当にそれは良かった。しかも誰か1人が突出してるとかじゃなくて全体的にクオリティ高くて違和感あるところがないのは大前提って感じ。その上で喜久雄の女形の才能という重要な設定にちゃんと説得力のある演技が伴ってて、あれは吉沢亮の努力なのか画面構成とか音響とかの演出面の効果なのか……もちろんそれらの相乗効果なのはあるだろうけどとても圧倒的で最高。
横浜流星の演じる俊介の女形は、目尻の感じとか表情ですごく女っぽさを感じる部分が多かったんだけど、それが逆に男が女を演じてるんだってのを強調してる感じがあって、吉沢亮の喜久雄は女形の演技をしているってより女性として見えるんだよね。だから何か特定の仕草や技術に女性らしさを感じるんじゃなくて女形であることを意識させないところが天才の女形という才能に説得力を与えてて…。女性を見てこの人凄い女の人みたいって思わないのと同じように自然体。その違いが2人の才能の差でもあるし、でも俊介が決して下手なわけじゃないことの現れでそれを自然に納得させる演技が凄い。
万菊の国宝としての威厳とカリスマ性も凄くて、本人の意図に関係なく周りが一挙手一投足に意味を見出そうとしてしまうような繊細な空気感が演技を越えたところにあるようで本当に凄い。この人もピンポイントで女性らしさみたいなものは無いのにめちゃくちゃ女性なんだよね…。言葉遣いもあれで違和感もなく滑稽さもなくただただ自然体。
とにかく見てる側が演出の意図に合わせる必要性があんまりなくてフラットに見ていれば話の流れに沿った感想を得られるのが本当にストレスフリーだった。
ストーリーの構成というか、伏線の張り方も凄い計算され尽くしてる感じがあって、特に俊介が血統のおかげで7~8年家から離れててもすぐに復帰できたけど遺伝のせいで糖尿病になるところとかめちゃ皮肉だし、喜久雄は周囲の人を犠牲にしまくっても芸能の技術で周りに助けられるの、色んなもの巡りまくってて凄い。
あとは曽根崎心中。前半では俊介の挫折ポイントでもあり喜久雄の才能の象徴でもある恐ろしさすらある印象だったけど、後半で俊介がお初を演じる曽根崎心中では徳兵衛がお初の足に首を当てるシーンで糖尿病の進行度合いを見せるっていう虚しく哀しい印象に変わるの余りにも天才的過ぎる演出。
死ぬ覚悟を問うお初のセリフが、このまま最期まで舞台の上に立ちたい、立たせてくれって徳兵衛である喜久雄に懇願しているようにも聞こえて、この演目である意味っていうのが最大に生かされてて最高だった。
あとは単純に理不尽に嫌な奴があんまりいない。ストレスフリーに話に集中するのにこんなに大事な要素ない。もちろん嫌なこと言ったりしたりする人はいるにはいるんだけど、幸子さんとかは、そりゃあなたの立場ならそう思うよねって感じだし、竹野とかなんだかんだ喜久雄がどん底の時も三代目って呼んで気にかけてくれたし、春江も喜久雄じゃなくて俊介を選ぶのは納得感のある流れがあったし、ほんと周囲の人に恵まれすぎている。俊介とか最初バチバチのライバル関係でいびってきたりするんだろうなとか思ったらめちゃくちゃ友情築いて青春してるしいい奴すぎて怖いくらいだった。
なんとなく、俊介が凄くいい奴だったから喜久雄も悪魔に魂を売っても一定の人間性を保てたんじゃないかなと思う。俊介がやな奴だったら喜久雄ももっと加減なく最低な人間になれちゃった気がする。
そんな人に恵まれて、けれど血統だけが無い故に地獄に叩き落とされるほど没落もした喜久雄が、最後人間国宝にまでなって、記者からは順風満帆な人生だったって言われるの、何十年とある役者人生の中であの余りにも苦しく辛かった時間は他者から見たら四捨五入で切り捨ててしまえる程度のものでしか無いんだなって無常感があって好き。けれど本人の中からは決して消えない忘れることなんて出来ない記憶なんだよね……。
最後エンドロール見ながら、この主題歌歌ってる人めちゃくちゃ歌上手いしめちゃくちゃ声が綺麗だ……って思いながら浸ってたら井口理って流れてきてほんま面白かった。いやお前かい!!!そりゃ上手いわ!!!でも真面目に女形をテーマに据えた映画で女性的で透き通った歌声の井口を起用するの"正解"すぎるもんな……。最後の最後までしてやられたって感じの映画だった。