二時間目
夢主人公名前変換
主人公設定主人公は椚ヵ丘中学3年E組所属。
入学当初は最優秀の成績だったが、不登校と素行の悪さからE組落ち。
他人に無関心、無興味。
制服の下に着た白のパーカーのフードで顔を隠そうとする。整頓な顔立ちで誰もが振り向く美形。
学力は超絶優秀。運動神経も抜群で剣道の腕前はなかなかのもの。その他合気道が得意。
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一瞬だった。
自分でもあまり意識しない内に、差し出されていた黄色の腕であろうものを、先程黒スーツ教師にもらったゴムみたいなナイフで斬ったのは。
峰打ちのように当てたつもりが、簡単に黄色の腕であろう一本を切り落とし。
さらにもう片手は、同じく先程もらったモデルガンを人間の心臓の位置に押し当てていて。
このタコのような超生物に心臓があるのかも、果たして急所がどこなのかも、知ったことではない。
とりあえず、本来自分がここに来た理由であるおばあちゃんとの楽しみを取られた腹いせはできた。
と、思うことにする。
バビューン!!
目の前でいきなり吹いた突風。
フードが飛ばないように抑え、前を見れば、立っていたはずの超生物はいなくなっていた。
床には腕、だったもの?
が、ビチビチと陸に打ち上げられた魚のように跳ねていた。
気持ち悪い…
「な、何を…」
振り返れば黒スーツの、烏間とか言っていたのが信じられないモノでも見たような顔でこちらを見ていた。
他の連中、さっきの露出女も、教室のその他大勢も同じ。
あぁ…、"また"、何か良くないことをしてしまった。
腕に入る力を抜こうと、息を吐く。
超生物とは言え教師、初対面で、自分に対して友好を示すために握手まで差し伸べた相手に。
自分の苛立ちを、ただの我儘に近い感情をぶつけた。
例えそれが地球の敵でも、超生物であっても、殺さなければならない相手だったとしても。
相手には敵意も、悪意も、殺意もなかったのに。
「お、驚きました…、君には、まるで気配がなかった。せんせー、こんなことはじめてですよ」
窓の方からした声。
いつまに外に出たのか、超生物のタコは「ヌルフフフ」となんか粘着しそうな笑い声をしていた。
それに対して教室の連中は「ホントに驚いたんだろうな」とか「マッハ20で逃げ出すくらいにね」「意外とビビりなんだよ」とか、なんとか。
今までいた教室とは違う何か。
違和感に思考が追い付かずにいる。
先程自分に向けられた視線が通常な反応だ。
なのに、今はもう何事もなかったかのように。
タコのような超生物の切り落とした腕のような部位は再生しており、表情も変わらず。
危害を加えた自分に対してまるで誉めるような、友好的な笑みや態度も変わらずで。
おかしい、おかしい…
なんだろう、このままここにいたら自分の中の何かが崩れる。
今まで感じてきた何かが壊れる。
息苦しくなった。
踵を返して教室を飛び出したのは、衝動的な行動であったと後になって振り返る。
しかし、その時はただ息苦しさを解消したくて。
その後のことなんて構いもしなかった。