小休憩
夢主人公名前変換
主人公設定主人公は椚ヵ丘中学3年E組所属。
入学当初は最優秀の成績だったが、不登校と素行の悪さからE組落ち。
他人に無関心、無興味。
制服の下に着た白のパーカーのフードで顔を隠そうとする。整頓な顔立ちで誰もが振り向く美形。
学力は超絶優秀。運動神経も抜群で剣道の腕前はなかなかのもの。その他合気道が得意。
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僕らを一瞥して去っていたのは、確かに御劔忍だった。
御劔忍。
入学時に受ける筆記試験を全教科満点合格と言う天才的結果を出したにも関わらず、入学式を欠席するという椚ヶ丘中学創設して以来の非行をした生徒。
入学式での新入生代表挨拶も断ったと噂で聞いた。
入学後にも気紛れに授業を抜け出したり、遅刻早退は日常茶飯事。
学校に来ているのか来ていないのかもわからない。
制服を着崩し、おまけに白いパーカーのフードを深く被って表情は見えない。
そんな非行を繰り返していても、学力は飛び抜けていた。
僕はそんな御劔忍に対して、興味があった。
直接話したことはない。
試験の時には自分と同じく学年トップの成績の御劔忍とはどんな人間なのか、話をしてみたいと常々思っていた。
「あれが、御劔忍なのか………」
「思っていたより、大したことなさそうに見えたが」
「今年からE組落ちしたと聞いたぞ」
「初めて見たが、まるで人形のような奴だ」
人形のような。
その例えはまさに正しい。
制服の下に着たパーカーのフードを被っていたため、表情は見えなかったが。
その表情はきっと、冷め切っていたに違いない。
まるで精巧に作られた人形のように、感情を表に出すことなく、凛として僕らのことを横目に見ていたのだろう。
僕は、一度だけ御劔忍のことを見たことがあった。
普段学校に顔を見せることなく、授業もまともに受けることのない御劔忍とはどんな人間のなのだろうかと。
僕は考えていた。
無意識に嫉妬していたのかもしれない。
授業やテストでどれだけの評価を受けても、僕が、入学時の筆記試験で御劔忍に劣った事実は変わらないからだ。
にも拘わらず、御劔忍は非行を繰り返し、僕と対等の立場で競い合おうとする機会はない。
僕は、御劔忍よりも秀でていることを証明したいと考え、心のどこかで少し焦っていたのかもしれない。
そんな時だった。
『君の好きにするといいよ。私は、君がこの学園の生徒でいてくれることを何よりも嬉しく、誇りに思っているのだからね』
『……………失礼します』
呼び出された部屋から出てきた先客。
気崩された制服姿に目を疑った。
この学園で自分の評価を下げるようなそんな真似をする生徒がいると思わなかったからだ。
すれ違う際に見えた、生徒会長であり、この学園の頂点に立つ自分の、知らない顔。
陶器のように白く、脆く、壊れてしまいそうな、儚さを連想させる。
中世的な整った顔立ちだった。
僕のことなど見抜きもせず、まるで存在しないように、そのまますれ違っていった生徒の名を、僕は尋ねずにはいられなかった。
それが御劔忍との対面だった。
今日の反応を見る限り、相手は僕のことを認識してない。
あの時、あの廊下ですれ違った時のように。
僕は、僕を知らしめなければならない。
あの人形のように微動だにしない凛として表情を崩し、御劔忍に僕を、浅野学秀と言う存在を認識させてみせる。
side.浅野:end.