現代の忍、ボンゴレ影の守護者
壱ノ段
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
side.乱太郎
きり丸のアルバイトに付き合って町に行った帰り道。
しんべヱが前から気になっていた団子屋にも立ち寄って、いつもより遅い時間になってしまった。
辺りはすっかり暗くて、忍術学園までの山道をわたしたち3人は急いでいた。
途中から変な人たちが後に着いてきていることに気付き、最近人攫いがうろついているから気を付けるように小松田さんが言っていたことを思い出す。
すぐにそれだと気付いてわたしたちは駆け出したけど、追っ手の人数が思っていたよりも多くて。
いつの間にか帰り道からも逸れてしまい、おまけに不運なわたしがお約束のように怪我をしてしまい、もう逃げられない状況に追い込まれてしまった。
このままじゃ捕まって、人買い市で売られて…
誰でもいいから、助けてください!!
「な、なんだてめえは…!?」
「妙な格好をしているな」
「…………」
そんな時。
森の中から颯爽と、不思議な女の人が現れた。
音もしなかった。
まるで風みたいにそっとそこに吹いていた。
見たこともない服を着ていて、荷物を持ちながら視線だけが動いていた。
だ、誰なんだろ…、この人………
でも悪い人には見えない。
きり丸もしんべヱもそう思っているようだった。
黒い、まるで吸い込まれてしまいそうな不思議な瞳がわたしたちを見ていた。
「よく見ればえらく別嬪な上玉じゃねえか!」
「こりゃあ今日の俺たちはついてるぜ」
だ、ダメだ。
このままじゃこの人も捕まっちゃう。
どうにかしなきゃと思ったけど、その人の瞳が、なぜか優しく笑ったように見えて。
その人は持っていた荷物を地面に置いた。
それが、まるで合図だったんだ。
「…っ!!!?」
「なっ!!」
「がぁっ!!!?」
「うっ!!」
一瞬。
瞬きする間に、目の前にいた人攫いたちは、一番偉そうにしていた男の人を残してその場に倒れてしまった。
突然現れたその人は、いつの間にか倒れてしまった人攫いたちの後ろに立っていて。
な、何が起こったんだろ…
びっくりして状況がわからないのは隣のきり丸、しんべヱも同じで。
「…て、てめえっ!!な、な何しやがったんだ!!!?」
「……………」
一人残った人攫いも同じだった。
現れたその人は倒れてしまった人攫いが持っていた刀の鞘を手に持って、そのまま。
人攫いがその場に倒れたことでその人が鞘を振り下ろしたのだとわかった。
そのくらい目にも止まらないほどの速さだった。
いきなりのことに人攫いも反応できなかったんだと思う。
相手に大きな怪我もさせずに、この人は全員を倒れてしまったんだ。
やっぱり、悪い人じゃないよ。