現代の忍、ボンゴレ影の守護者
壱ノ段
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森の木々の間を抜け、気配の感じる方へ向かえば微かに声も聞こえ始めた。
焦っている様子の子ども。
それを嘲笑い、追い回すような男たち。
自分の中の空虚を埋めるために異国の地を彷徨っていた頃と同じだ。
人攫いや人買いの連中はどこに行っても存在する。
人を人とは思わない下衆な輩共。
自分にとってはあまり関心のないことだった。
忍は人ではなく、道具であると教えられてきたから。
しかし、それは間違いであると大空たる主君が、彼等が正してくれた。
故に、そんな連中の考えややり方を今の自分は否定することができる。
子どもたちを見逃すことができず、助けたいと心が思う。
「さーて、これ以上手間取るのは御免だ。さっさと縛っちまえ」
「「「だ、誰か助けて!!」」」
視界が緑から移り変わる。
そこは舗装はされていないものの道のようで。
薄汚い男たちに囲まれているのは、先程から聞こえていた声の子ども。
思わず眉をひそめてしまったのは彼等の格好。
着物姿、とは。
「な、なんだてめえは…!?」
「妙な格好をしているな」
「…………」
制服が妙な格好とは、そちらの言い分こそ妙な話だ。
並盛中の制服を知らないと言うことは、やはりここは並盛ではない。
予想はしていたが、やはりか。
男たちの獲物は刀。
子どもたちの一人は怪我をしていたはずだ。
観察していた視線が子どもたちの視線とぶつかる。
純粋な眩しいくらい真っ直ぐな澄んだ瞳。
あぁ、この瞳には弱い。
「よく見ればえらく別嬪な上玉じゃねえか!」
「こりゃあ今日の俺たちはついてるぜ」
下品な笑い。
自分を侮っている言葉。
彼等にしてみれば鴨が葱を背負って来たような状態。
それが大間違いであると、今から身をもって思い知ることになる。
鞄は地面に置いておくことにした。
武器はいらない。
格下の相手はしないのだと主君たる御方の家庭教師は言う。
誰も傷付くことを望まない、全てを受け入れてしまう主君たる御方。
ならば自分は、それ相応のことのみを為すことと致します。