現代の忍、ボンゴレ影の守護者
陸ノ段
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絹のように透き通った白い肌だった。
傷も、少しばかりは見られるものの、そんなに目立ったものではなく小さなもので。
私とは違う。
くノ一は女であることを武器とし、自分を偽る。
暗殺者の中でもハニートラップを使う者はいる。
体は商売道具、美しくあることも武器を磨くことと同義。
自嘲してしまう。
私は自分が女であることを恥じている。
裏の世界で、男に媚び諂う女達を何人も見てきた。
そんな風になりたくなくて。
ただただ道具として生きてきた中でも、そんな抵抗と意地を胸に抱き、強くあろうとしてきた。
だからこそ、今の夜宵巫月が在る。
「あなたは、本当に忍なのね」
「………そう申し上げた」
「あなたほどの年頃の女の子なら、蝶よ花よと陽向の世界で笑っていることが普通の生き方でしょうに」
山本シナと名乗った女は真っ直ぐにこちらを見つめる。
その瞳の奥に同情のような、哀れんでいるような感情が見え隠れする。
「他の道は、なかったのかしら」
踏み込んでくる女だ。
関わりなどない、他人だと言うのに。
敵であるとの認識でも間違っていないと言うのに。
私の選んだ道、それは半ば選ばされた道。
決められた道なのかもしれない。
それでも、今の私が選び、歩み続ける道。
「他の道があっても、悔いなどない」
私は忍。
影の存在。
巫月巫月。
「誓った道を、歩み続ける」
この道は、主君たる大空と、それに連なる天候たちと共に歩む道。
私は側にある影。
その先を、後を守り続ける者。
誓った道を違えることはない。
山本シナと名乗った女は、唖然としたような、呆けた顔をした後に笑って見せた。
先程とは違う、穏やか笑みに思えた。
「あなたは不思議な人ね。あなたは、敵でない」
「………何故」
「女の勘よ。あなたのこと、もっと知りたい。何か困ったことがあったら、なんでも言ってちょうだい」
綺麗な笑みに顔を背けた。
善法寺と名乗った少年も、土井半助と名乗った男も。
あぁ、不破雷蔵と、鉢谷三郎と言ったあの二人も。
自分のことを知りたいと、関わり合おうとする。
何故。
私は、関わり合うことなんて、この世界に繋がりを残すことなんて。
避けて通りたい道だと言うのに。