現代の忍、ボンゴレ影の守護者
肆ノ段
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暗闇、静寂。
そろそろ夜も明ける頃だろうか。
自分の感覚が正しければそのくらいの時間が経った。
あれから、緑装束の少年達、黒装束の連中に取り囲まれ、潔く捕縛されてから、また忍術学園なる場所に連れ戻されていた。
関わり合うこと等、二度とないと思っていたが。
あの森に帰る手掛かりがなかった以上、致し方ない。
拘束され、地下の座敷牢に放り込まれてから、ただただ繰り返し思考する。
どうすれば、帰るのかと。
この程度の拘束を抜けることは容易い。
しかし問題は、現状の打破ではなく、帰るべき方法の模索なのだ。
私は、一体どうすればいいのでしょう。
教えてください………
大空たる我が主君。
綱吉様。
─────大丈夫…?」
「っ…」
牢の柵を挟んで目の前に立つのは、緑装束の、あの忍を志すには不向きであろうと思った少年であった。
不覚。
声を掛けられるまで気配を察せられなかった。
いや、無意識に自分の心内に目を向け過ぎてしまっていた。
それほどまでに想い、募らせているのだ。
御側を離れた時間は関係ない。
ただ、この異常である現状に不安の暗雲ばかりが立ち込め、隔てる壁の大きさに挫けそうになっている。
目の前の少年に主君たる御方の面影を重ねずにはいられない。
それがどれほどおこがましいことかを理解していながらも。
あの御方と似た、陽だまりのようなあたたかな優しさに、甘えてしまいそうになる。
「…ぁ、あの!俺は善法寺伊作。昨日は助けてくれてありがとう!!」
「……………」
「それから、三郎と雷蔵のことも。俺は保健委員だから、二人を助けてくれたことも、本当に嬉しくて。だから、心から感謝するよ」
繰り返し「ありがとう」と言い、頭を下げる善法寺伊作と名乗った少年。
やはり、似ている。
それでも、目の前にいるのは私が尽くしたいと願う御方ではない。
此処は、私の在りたい場所ではないのだ。
胸の内が熱い。
締め付けられる。
そんな胸元にあるのは、唯一の支えである銀色の絆。
繋がっていたい。
繋がっていなければもう、私は私で在ることもできない。
どうか、私を見守っていてください。
私を、導いてください。