現代の忍、ボンゴレ影の守護者
参ノ段
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
side.三郎
任務課題の帰りだった。
忍術学園と敵対する城の忍連中に追い回され、傷を負わされた。
雷蔵に支えられながら、なんとか学園近くの山の中まで逃げ戻ってきたが、もう限界だった。
必死に俺を守ろうとする雷蔵も傷だらけになり、立っていることもやっとだった。
自分に向けられた苦無に、死を覚悟した。
なのに。
見たこともない着物姿の、歳も変わらないような女が、自分たちを守るように忍連中との間に割って入ったのだ。
気配が、しない。
こいつも忍び、くノ一か。
しかし、少なくとも敵ではないようだ。
一体何者だ…
忍連中を相手に力を振るう女。
その小柄な、か細い体のどこにそんな力があるのかと思わずにはいられなかった。
戦っているその姿は、まるで蝶か花びらが舞っているような。
その力は圧倒的だと言うのに。
「お、お…まえ………」
「ば…、化け物…っ!!」
忍連中は恐怖に戦力を奪われていく。
俺たちを追い回していた忍連中は、目の前の女によって全て打ち倒されていた。
女は傷ひとつなく、また、よく見ると忍連中たちにも致命的な傷はどこにもなかった。
一息ついた女はこちらに視線を向けた。
瞳は黒真珠のように澄み切り、吸い込まれてしまいそうな。
その瞳の奥には確かな覚悟が秘められていた。
「……………傷だらけだな」
「ぁ、あの!た、助けてくれてありがとうございました…」
「雷蔵…!」
易々と頭を下げる相方に制止の声を掛ける。
助けられたことは事実だが、この女を信用するかどうかはまた別問題である。
自分たちの信用を誘い、何か企んでいるかもしれない。
疑いの視線を向けると、雷蔵の礼も、自分の疑いも気に止めず、女は着物の袖の中を探していた。
こいつ…、本当に何者だ………
探し物を見つけたのか、女は自分たちに向き直る。
その手には黄色に輝く指輪が。
「少し、動くな」
「な、何を…っ!?」
俺の脇腹の傷口近くに指輪を近付けると、女は瞳を閉じた。
その指輪から炎が…!
何をするんだと声を荒らげようとしたが、その炎は、心地よくて。
いつの間に、傷口が塞がっていた。
側にいた雷蔵も目を見開き、驚きに声を出せずにいた。
この女、本当に何者なんだ…