現代の忍、ボンゴレ影の守護者
参ノ段
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忍術学園なるあの場所を後にして数刻。
おそらく一番最初に異変を感じたであろう森まで戻ってきた。
しかし、あの時は宛もなくさ迷い続け、目印になるようなものも何もない獣道を駆けた。
自分がどこに立っていたのか、定かではない。
わからない。
私は、帰らなければならないのに。
このままでは、帰れない…
諦めるな。
思考を止めてはならない。
帰らなければならないと、帰りたいと熱望しているのだから…
ただただあの時と同じようにさ迷い、山の中を把握しきるまでに駆け回った。
時間はわからない。
暗闇の中を、挫け、折れ、沈んでしまいそうになりながらも、永遠に続くような絶望をがむしゃらに足掻き続けた。
ふと、感じた気配。
追手か…、いや違う。
忍術学園なるあの場所で感じたものと同じような、少し幼い、そんな気配が2つ。
どうやら手負いのようだ。
それを追う殺気。こちらも忍のようだが、気配が粗い。
“あの人”ならば即座に鉄拳制裁を加えたであろう忍としては致命的な未熟。
先程の、忍術学園なるあの場所の生徒であろう手負いの二人。
忍術学園なるあの場所の生徒ならば、あの子ども達の先輩なのだろうか。
………あぁ、自分はなんて甘くなったのか。
あの御方達に感化され、忍としては冷酷に生きられないほどに心を持ってしまった。
それが、こんなにも誇らしく思えるのは。
胸元の銀色が星明かりに輝いた。
「死ねぇ!」
「っ!!三郎!!」
キィーン!!
「なっ!?っ!!ごふっ!!!?」
間に合った、か。
子どもたちと出逢った場所とは違う、開けた場所に出た。
木の幹に体を預けるようにしている藍色装束の少年。
それを守るように、立っているのもやっとの状態で同じく藍色装束の少年がいた。
顔が、同じ…
頬の傷から血が流れていないところを見ると、何か特殊な化粧でも施しているのだろう。
幻術とは違う。
「何者だ!?」
「……………通りすがった影」
私は影。
闇の中で生きるもの。
どんなに絶望の闇に埋もれ、希望を砕かれようとも。
私には光がある。
この胸に宿る小さな輝き。
光あるところに影ができる。
私の側には、光が在る。
そう信じ続ける。
だから、挫けない、折れない、沈まない。
諦めたりしない。