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「……ここ、ジェイド先輩の部屋じゃないですよね? 寮長室の隣の、空き部屋……?」
ななしは、機材の返却に指定された場所に足を踏み入れ、不審そうに首を傾げた。普段ジェイドがフロイドと使っている部屋ではなく、重厚な家具が揃った生活感の薄い応接室のような場所。
背後でドアが閉まり、カチリと軽い金属音が響く。
「ええ。フロイドに邪魔をされるのは、今日の目的には不向きですから。あらかじめアズールに許可を得て、この部屋を借りておきました」
ジェイドはいつもの穏やかな微笑みを崩さず、しかし迷いのない動作でななしの背後のドアに鍵をかける。
「目的って……そんな、わざわざ鍵までかけなくても」
「いいえ。これはななしさんのためにも必要な工程です」
ジェイドはななしの肩を優しく押し、ふかふかのソファへと座らせた。対面するのではなく、彼はななしの隣に滑り込むように座り、じわじわと距離を詰めていく。
「ジェイド先輩、近くないですか」
「そうですね。近くなければ、あなたの体の細部までは見えませんから。……おや、手が震えていますよ? 大丈夫ですか?」
ジェイドはななしの小さな手を両手で包み込む。ひんやりとした彼の指先が、ななしの手首にある脈所に触れた。
「……すごく速い。陸の生き物は、これほどまでに心臓の音が外まで響くのですね。まるで、捕まったばかりの小魚のようだ」
「それは、急にこんなところに連れてこられたら、誰だって……っ」
「ふふ、そうですね。ですが、この鼓動は恐怖だけではないはずです。……ななしさん。人間の女性の体は、男性と比べて驚くほど柔らかいと聞きます。確かめても?」
ジェイドはななしの返事を待たず、空いた方の手で彼女の腰を抱き寄せた。密着した太腿から、ジェイドの硬く引き締まった体格が伝わってくる。
「あ……、あの、ジェイド先輩」
「おや、ボタンが一つ外れていますよ。直して差し上げましょう」
彼の手はボタンを直すどころか、指先を滑らせて、ななしの襟元を大きく広げた。白い肌が露わになり、冷たい空気に晒される。ジェイドの視線が獲物を検分するようにじっくりとその肌をなぞった。
「や、めて……、恥ずかしいです」
「恥ずかしがる必要はありません。僕はただ、知りたいだけなのです。この薄く柔らかい皮膜の下で、どんな風に熱が巡っているのか。……少しだけ失礼しますね」
ジェイドはななしの首筋に顔を寄せ、その柔らかな曲線に鼻先を埋めた。深く、肺の奥まで吸い込むような呼吸。
「っ、ひゃ……!」
「いい香りです。……石鹸の香りに混じって、あなた自身の甘く昂った匂いがする。……ああ、ここを噛んだらどんな声を出すんでしょうね」
ジェイドの唇が、ななしの鎖骨のラインをゆっくりと這う。
時折舌先が熱を帯びた肌を湿らせるたび、ななしの体は跳ねるように震えた。
「ジェイド先輩……っ、もう、やだ、離して……」
「離しませんよ。……あなたがこんなに、熱い吐息を漏らしている間は。……ななしさん、もっとこちらを見て。僕が今、どんな目であなたを見ているか、正確に理解していただきたい」
ジェイドはななしの顎をくいと持ち上げ、無理やり視線を合わせる。そこにあるのは、知的な仮面を剥ぎ取った食欲に近い熱を孕んだ捕食者の瞳だった。
「……ん、……っ!」
塞がれた唇から、熱い感覚が脳を痺れさせていく。
ジェイドの手が、ななしの制服の下、薄いシャツの境界線を越えて忍び込んだ。脇腹から背中へ、そして吸い付くように柔らかな胸の膨らみへと。
「……ぁ、ふ……、ジェイド、せんぱ……っ」
「……ああ、やはり。想像以上に柔らかい。……そして、僕の指先ひとつで、こんなに簡単に形を変えてしまう。……愛おしいですね、ななしさん」
ジェイドの低い愉悦に満ちた笑い声が、密室の静寂に溶けていく。
外の喧騒が届かないこの部屋で、ななしはただジェイドの冷たくも熱い執着に沈められていった。
ななしは、機材の返却に指定された場所に足を踏み入れ、不審そうに首を傾げた。普段ジェイドがフロイドと使っている部屋ではなく、重厚な家具が揃った生活感の薄い応接室のような場所。
背後でドアが閉まり、カチリと軽い金属音が響く。
「ええ。フロイドに邪魔をされるのは、今日の目的には不向きですから。あらかじめアズールに許可を得て、この部屋を借りておきました」
ジェイドはいつもの穏やかな微笑みを崩さず、しかし迷いのない動作でななしの背後のドアに鍵をかける。
「目的って……そんな、わざわざ鍵までかけなくても」
「いいえ。これはななしさんのためにも必要な工程です」
ジェイドはななしの肩を優しく押し、ふかふかのソファへと座らせた。対面するのではなく、彼はななしの隣に滑り込むように座り、じわじわと距離を詰めていく。
「ジェイド先輩、近くないですか」
「そうですね。近くなければ、あなたの体の細部までは見えませんから。……おや、手が震えていますよ? 大丈夫ですか?」
ジェイドはななしの小さな手を両手で包み込む。ひんやりとした彼の指先が、ななしの手首にある脈所に触れた。
「……すごく速い。陸の生き物は、これほどまでに心臓の音が外まで響くのですね。まるで、捕まったばかりの小魚のようだ」
「それは、急にこんなところに連れてこられたら、誰だって……っ」
「ふふ、そうですね。ですが、この鼓動は恐怖だけではないはずです。……ななしさん。人間の女性の体は、男性と比べて驚くほど柔らかいと聞きます。確かめても?」
ジェイドはななしの返事を待たず、空いた方の手で彼女の腰を抱き寄せた。密着した太腿から、ジェイドの硬く引き締まった体格が伝わってくる。
「あ……、あの、ジェイド先輩」
「おや、ボタンが一つ外れていますよ。直して差し上げましょう」
彼の手はボタンを直すどころか、指先を滑らせて、ななしの襟元を大きく広げた。白い肌が露わになり、冷たい空気に晒される。ジェイドの視線が獲物を検分するようにじっくりとその肌をなぞった。
「や、めて……、恥ずかしいです」
「恥ずかしがる必要はありません。僕はただ、知りたいだけなのです。この薄く柔らかい皮膜の下で、どんな風に熱が巡っているのか。……少しだけ失礼しますね」
ジェイドはななしの首筋に顔を寄せ、その柔らかな曲線に鼻先を埋めた。深く、肺の奥まで吸い込むような呼吸。
「っ、ひゃ……!」
「いい香りです。……石鹸の香りに混じって、あなた自身の甘く昂った匂いがする。……ああ、ここを噛んだらどんな声を出すんでしょうね」
ジェイドの唇が、ななしの鎖骨のラインをゆっくりと這う。
時折舌先が熱を帯びた肌を湿らせるたび、ななしの体は跳ねるように震えた。
「ジェイド先輩……っ、もう、やだ、離して……」
「離しませんよ。……あなたがこんなに、熱い吐息を漏らしている間は。……ななしさん、もっとこちらを見て。僕が今、どんな目であなたを見ているか、正確に理解していただきたい」
ジェイドはななしの顎をくいと持ち上げ、無理やり視線を合わせる。そこにあるのは、知的な仮面を剥ぎ取った食欲に近い熱を孕んだ捕食者の瞳だった。
「……ん、……っ!」
塞がれた唇から、熱い感覚が脳を痺れさせていく。
ジェイドの手が、ななしの制服の下、薄いシャツの境界線を越えて忍び込んだ。脇腹から背中へ、そして吸い付くように柔らかな胸の膨らみへと。
「……ぁ、ふ……、ジェイド、せんぱ……っ」
「……ああ、やはり。想像以上に柔らかい。……そして、僕の指先ひとつで、こんなに簡単に形を変えてしまう。……愛おしいですね、ななしさん」
ジェイドの低い愉悦に満ちた笑い声が、密室の静寂に溶けていく。
外の喧騒が届かないこの部屋で、ななしはただジェイドの冷たくも熱い執着に沈められていった。
