ハーツラビュル
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「見て、ななしちゃん! この期間限定のやつマジで可愛くない? 完全に勝ち確でしょ、これ!」
パステルカラーの装飾とアンティーク調の家具が並ぶ話題のコンセプトカフェ。
ケイトは手慣れた手つきでスマホを構え、テーブルに並んだ色鮮やかなスイーツをベストな角度で次々に画面に収めていく。その手際の良さと迷いのないアングル選びはさすがの一言に尽きる。
「あ、今のななしちゃんもめちゃくちゃ可愛かったから、ついでにパシャリ! 後でチャットに送るね」
軽快なシャッター音と一緒に向けられるいつもの笑顔。
お目当ての撮影が一通り終わってスマホの画面を下にして置いた瞬間、彼はふうっと小さく息をつき、少しだけ肩の力を抜いた。
それと同時にさっきまで纏っていた、きらめくオーラがすっと穏やかなものへと形を変えた。
「……んー、やっぱりここに来て正解。ななしちゃんと一緒だと、なんて言うか……無理にテンション上げなくても自然に楽しめる、っていうかさ」
ケイトはストローで注文したグラデーションカラーのドリンクをゆっくりとかき混ぜながら、悪戯っぽくどこか切なげに目を細めて、正面からこちらを覗き込んでいる。
「ねぇ、今のオレ、マジカメ用の顔じゃなかったでしょ? ……これ、他の人には内緒だよ? けーくんの秘密、共有しちゃったね」
「……ケイト先輩、たまにそういうこと言いますよね。ずるいです」
「えー、そう? 無意識かな。……でも、ななしちゃんと一緒にいると映えよりも今この瞬間を優先したくなっちゃうんだよね。……これって、俺にしては結構すごいことだと思わない?」
普段はスマホの画面越しに世界を見ている彼が、今はスマホに目もくれずにこちらだけを見ている。
彼はそう言って、自分のプレートにある淡いピンクのマカロンをひとつ摘むと「はい、あーん」と冗談めかして目の前に差し出した。
「あはは、顔真っ赤! ななしちゃんってば、意外とピュアなんだから。からかいがいがありすぎ」
照れて俯こうとするななしを見て楽しそうに笑うと、ケイトは今度は自分からそっと手を伸ばした。そしてななしの頬に小さくついていたホイップクリームを、自身の親指の腹で優しく拭った。
そのまま親指を自分の唇へと運び、ちょんと舐めとる仕草はひどく自然で艶っぽかった。
「甘いね……さて、次はどこ行こっか。マジカメのトレンドとか今は全部どうでもいいや。君が行きたい場所なら、オレどこまでも付き合うよ?」
マジカメの液晶画面越しではない、フィルターを通さない真っ直ぐな視線。
夕暮れ時のカフェに流れるBGMと甘い空気のの中、机を挟んだ二人の距離はいつの間にか息遣いが届くほど近くなっていた。
パステルカラーの装飾とアンティーク調の家具が並ぶ話題のコンセプトカフェ。
ケイトは手慣れた手つきでスマホを構え、テーブルに並んだ色鮮やかなスイーツをベストな角度で次々に画面に収めていく。その手際の良さと迷いのないアングル選びはさすがの一言に尽きる。
「あ、今のななしちゃんもめちゃくちゃ可愛かったから、ついでにパシャリ! 後でチャットに送るね」
軽快なシャッター音と一緒に向けられるいつもの笑顔。
お目当ての撮影が一通り終わってスマホの画面を下にして置いた瞬間、彼はふうっと小さく息をつき、少しだけ肩の力を抜いた。
それと同時にさっきまで纏っていた、きらめくオーラがすっと穏やかなものへと形を変えた。
「……んー、やっぱりここに来て正解。ななしちゃんと一緒だと、なんて言うか……無理にテンション上げなくても自然に楽しめる、っていうかさ」
ケイトはストローで注文したグラデーションカラーのドリンクをゆっくりとかき混ぜながら、悪戯っぽくどこか切なげに目を細めて、正面からこちらを覗き込んでいる。
「ねぇ、今のオレ、マジカメ用の顔じゃなかったでしょ? ……これ、他の人には内緒だよ? けーくんの秘密、共有しちゃったね」
「……ケイト先輩、たまにそういうこと言いますよね。ずるいです」
「えー、そう? 無意識かな。……でも、ななしちゃんと一緒にいると映えよりも今この瞬間を優先したくなっちゃうんだよね。……これって、俺にしては結構すごいことだと思わない?」
普段はスマホの画面越しに世界を見ている彼が、今はスマホに目もくれずにこちらだけを見ている。
彼はそう言って、自分のプレートにある淡いピンクのマカロンをひとつ摘むと「はい、あーん」と冗談めかして目の前に差し出した。
「あはは、顔真っ赤! ななしちゃんってば、意外とピュアなんだから。からかいがいがありすぎ」
照れて俯こうとするななしを見て楽しそうに笑うと、ケイトは今度は自分からそっと手を伸ばした。そしてななしの頬に小さくついていたホイップクリームを、自身の親指の腹で優しく拭った。
そのまま親指を自分の唇へと運び、ちょんと舐めとる仕草はひどく自然で艶っぽかった。
「甘いね……さて、次はどこ行こっか。マジカメのトレンドとか今は全部どうでもいいや。君が行きたい場所なら、オレどこまでも付き合うよ?」
マジカメの液晶画面越しではない、フィルターを通さない真っ直ぐな視線。
夕暮れ時のカフェに流れるBGMと甘い空気のの中、机を挟んだ二人の距離はいつの間にか息遣いが届くほど近くなっていた。
