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辺りには、ただ柔らかな光の粒子が舞っているような穏やかな静寂が広がっている。場所がどこであるかは、もはや重要ではない。
視界にあるのは、端正な顔立ちを崩して微笑むジェイドの顔と彼がまとう海の香りだけ。
「……おや、ななしさん。そんなにぼんやりとして、何を考えているのですか?」
ジェイドの声が、心地よい低音で鼓膜を震わせる。
彼はわたしの隣に、触れるか触れないかの距離で腰を下ろすと、長い指先でわたしの髪を一房、愛おしそうに指に巻きつけた。
「いえ……なんだか、あまりに静かなので。ジェイド先輩と二人きりなんだなって改めて思ったら……」
「ふふ、今更ですか? 僕は最初から、貴方のことしか見ていませんよ」
彼は巻きつけた髪の先に、恭しく、けれど執拗に唇を落とした。その丁寧な仕草に心臓が跳ねる。彼はその反応を逃さぬよう瞳を愉しげに細めた。
わたしの手をそっと取ると、その掌に自分の大きな手を重ねる。指の間を滑り込むようにして、指先が絡め取られた。
「ななしさん。貴方の指は触れるたびに温かくなっていくのですね。僕の体温が貴方に移っていくようで、とても気分がいい」
「……ジェイド先輩、あの、ちょっとだけ少し恥ずかしいです」
「恥ずかしがることはありませんよ。ここには僕と貴方しかいないのですから。貴方の声も、吐息も、赤くなった頬もすべて僕が独り占めできる」
彼は絡めた指に力を込めると、わたしの身体を自らの胸板にそっと引き寄せる。背中に回された腕が逃げ場を塞ぐように、けれど優しく抱きしめる。耳元で囁かれる言葉が熱を帯びて脳に直接響く。
「ななしさん。もっと僕に甘えてください。僕が貴方を、この世で一番幸せにして差し上げますから」
わたしの顎を優しく上向かせ、慈しむような眼差しを向ける。その瞳の奥には、濁りのない、けれど重すぎるほどの愛情が渦巻いていた。
「……ななしさん。少しだけ、意地悪をしてもいいですか?」
「え?」
問いかけに応じる暇もなく降ってきたのは、とろけるような甘い口づけだった。最初は、砂糖菓子が溶けるような柔らかな触れ合い。
けれど、小さく吐息を漏らすと、彼は待っていましたと言わんばかりに、深い、深い、海の底へと誘うような口付けへと変えていく。
「ん……む、んん……ふあ……」
舌が触れ合うたびに、火花が散るような熱が全身を駆け巡る。
彼の指先がわたしの首筋を愛おしそうになぞり、そのまま深い場所へと導いていく。酸素を奪われ、意識が真っ白に染まっていく中で、彼という存在だけがわたしの世界の中心になっていくようだった。
「……あ……は……、ジェイド、先輩……っ」
「愛していますよ、ななしさん。貴方のその甘い吐息を、一生僕の隣で、僕のためだけに溢し続けてください」
再び重なった唇は、先ほどよりもずっと独占欲に満ちているようだった。二人の鼓動だけが重なり合い、夜も朝も忘れた甘い陶酔の中へと、どこまでも深く沈んでいくのだった。
視界にあるのは、端正な顔立ちを崩して微笑むジェイドの顔と彼がまとう海の香りだけ。
「……おや、ななしさん。そんなにぼんやりとして、何を考えているのですか?」
ジェイドの声が、心地よい低音で鼓膜を震わせる。
彼はわたしの隣に、触れるか触れないかの距離で腰を下ろすと、長い指先でわたしの髪を一房、愛おしそうに指に巻きつけた。
「いえ……なんだか、あまりに静かなので。ジェイド先輩と二人きりなんだなって改めて思ったら……」
「ふふ、今更ですか? 僕は最初から、貴方のことしか見ていませんよ」
彼は巻きつけた髪の先に、恭しく、けれど執拗に唇を落とした。その丁寧な仕草に心臓が跳ねる。彼はその反応を逃さぬよう瞳を愉しげに細めた。
わたしの手をそっと取ると、その掌に自分の大きな手を重ねる。指の間を滑り込むようにして、指先が絡め取られた。
「ななしさん。貴方の指は触れるたびに温かくなっていくのですね。僕の体温が貴方に移っていくようで、とても気分がいい」
「……ジェイド先輩、あの、ちょっとだけ少し恥ずかしいです」
「恥ずかしがることはありませんよ。ここには僕と貴方しかいないのですから。貴方の声も、吐息も、赤くなった頬もすべて僕が独り占めできる」
彼は絡めた指に力を込めると、わたしの身体を自らの胸板にそっと引き寄せる。背中に回された腕が逃げ場を塞ぐように、けれど優しく抱きしめる。耳元で囁かれる言葉が熱を帯びて脳に直接響く。
「ななしさん。もっと僕に甘えてください。僕が貴方を、この世で一番幸せにして差し上げますから」
わたしの顎を優しく上向かせ、慈しむような眼差しを向ける。その瞳の奥には、濁りのない、けれど重すぎるほどの愛情が渦巻いていた。
「……ななしさん。少しだけ、意地悪をしてもいいですか?」
「え?」
問いかけに応じる暇もなく降ってきたのは、とろけるような甘い口づけだった。最初は、砂糖菓子が溶けるような柔らかな触れ合い。
けれど、小さく吐息を漏らすと、彼は待っていましたと言わんばかりに、深い、深い、海の底へと誘うような口付けへと変えていく。
「ん……む、んん……ふあ……」
舌が触れ合うたびに、火花が散るような熱が全身を駆け巡る。
彼の指先がわたしの首筋を愛おしそうになぞり、そのまま深い場所へと導いていく。酸素を奪われ、意識が真っ白に染まっていく中で、彼という存在だけがわたしの世界の中心になっていくようだった。
「……あ……は……、ジェイド、先輩……っ」
「愛していますよ、ななしさん。貴方のその甘い吐息を、一生僕の隣で、僕のためだけに溢し続けてください」
再び重なった唇は、先ほどよりもずっと独占欲に満ちているようだった。二人の鼓動だけが重なり合い、夜も朝も忘れた甘い陶酔の中へと、どこまでも深く沈んでいくのだった。
