ハーツラビュル
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「ねえ、ちょっと離れて」
「やだ。せっかくこうしてんのに、なんで離れなきゃいけないわけ?」
背後から覆いかぶさるようにして、エースが腕を回す。首筋のあたりにその熱い呼吸が吹き付けられるが、エースは全く退く気配を見せない。回された腕は容赦なく腰のラインを締め上げている。
「動きにくいから、離れて」
「オレはちょうどいいけど。ほら、ななしも力抜きなよ」
そう言いながら、エースの手のひらが下がっていく。腰のラインを通り過ぎ、明確な目的地へ到達する前に、その手が上からピシャリと叩かれた。
「あ、また触ろうとしたでしょ」
「えー、なんのこと? 言いがかりもいいとこなんだけど」
エースは悪びれもせず、むしろ楽しそうに口元を歪める。叩かれた手を引っ込めるどころか、指先をわずかに動かして、わざとらしくお尻の曲線に手のひらを這わせた。
「ほら、いま触ってる」
「触ってると落ち着くの」
「わたしの体なんだけど」
「オレの彼女の体でしょ。じゃあオレにも触る権利あるじゃん」
屁理屈を並べるエースの顔は、すぐ耳の横にある。会話のテンポに合わせて、ふたりの体が細かく揺れる。そのたびに衣服の生地が擦れ合う音が静かな室内に響く。
「そういう問題じゃないの。とにかく、外では絶対にやめてね」
「ってことは、ふたりきりならいいんだ」
「よくない。拡大解釈しないで」
深くため息をつく様子を見て、エースは嬉しそうに声を立てて笑った。腕の力を緩めるつもりは毛頭ないらしく、さらに強く引き寄せる。
「ななしってさ、こういうとき分かりやすく固まるよね」
「緊張してるだけ」
「なんでオレ相手に緊張すんの。もっとリラックスしてよ、ほら」
ぎゅう、とさらに密着する。
エースの胸元からは、衣服越しでも分かるほど規則正しい心臓の音が刻まれている。その鼓動は平然とした口ぶりに反して少し早い。
「……エース、やっぱり一回離れて」
「やだ。オレが満足するまでこのまま」
動くたびにエースの柔らかい髪が頬や首筋に擦れる。それを避けるように身を縒り合わせても、余計に距離が縮まるだけだった。
「満足って、いつになるの」
「さあね。明日かもしれないし、明後日かもしれない」
「からかわないで」
「からかってないって。大真面目」
エースの低い声が鼓膜を直接揺らす。
その響きに含まれる熱が少しずつ部屋の空気を変えていく。
「ほら、また手」
「動いてないじゃん。置いてるだけ」
確かに動きは止まっている。けれど、お尻に添えられた手のひらは、じっとそこにとどまり衣服の生地を通じて確実にその存在を主張している。
「……ちょっと、変な感じがする」
「変って、どういう風に?」
エースの声から、からかうような軽薄さが少しだけ消える。代わりに、どこか値踏みするような深い響きが混ざり始める。
「なんか、落ち着かない」
「ふーん。じゃあ、もっと落ち着かなくしてあげよっか」
エースが顔を寄せ、耳たぶを軽く歯で挟む。
それと同時に、ぴったりと添えられていた手のひらが、ゆっくりと丸みをなぞるように動き始めた。
「ちょっと、……エース」
「名前呼べば止まると思ってんの? 逆効果なんだけど」
ふたりの間で吐き出される息がわずかに荒くなる。
「……ねえ、ななし」
エースの囁きが室内に溶ける。
手のひらの動きは徐々にその熱を増していった。
「……まって、エース」
「もー、さっきからそればっか」
重なる肌の熱が、さらに一段と高くなる。
エースは囁きながらも、お尻を包み込む手のひらの力を緩めない。むしろ衣服の布地を小さく引き絞るようにして、肉の柔らかさを確かめるように指先を沈み込ませていく。
「だって、これ以上は……」
「これ以上って、どこまで? まだ何もしてないじゃん。ただ触ってるだけ」
「その触り方が、変」
「どこが変なのか、ちゃんと言ってくんないと分かんない」
エースの声音には明らかに愉悦の色が混ざっている。相手が言葉に詰まるのを見透かしたように、手のひらがゆっくりと円を描くように動く。お尻の膨らみを下から持ち上げるような露骨な質量を感じさせる動き。
「ん……っ」
「声、漏れてる。ねえ、オレの手、あったかいでしょ」
「……、……」
「黙り込まないでよ。ここ、さっきより熱くなってる気がすんだけど」
エースの指先が今度は境界線をなぞるように、太ももの付け根へと這っていく。その肉厚な手のひらが動くたびに、密着したふたりの体の間で、摩擦の熱がじわじわと蓄積されていく。
「あ……動かないでってば」
「動いてないよ。ほら、いま止まってる」
言葉の通りエースは動きを止める。
しかし、お尻の真ん中に手のひらをべったりと押し当てたまま、体重を預けてくる。そのせいで、エースの下半身の硬い骨格がダイレクトに背後から押し付けられる形になる。
「エース、当たってる……」
「何が?」
「何が、じゃなくて……」
「しょうがないよね。オレだって男だし、こんな近くに好きな子がいれば、こうなるに決まってんじゃん」
エースの息遣いが明確に荒さを帯び始める。耳元に吹き付けられる呼吸は、先ほどよりも密度が高く湿り気を帯びている。
「……ねえ、ななし」
「なに……?」
「オレのこと、ちゃんと見て」
エースは回していた腕にぐっと力を込め、その体を強引に反転させる。正面から向き合う形になり、ふたりの視線が至近距離で交錯した。
「嫌そうな顔すんなって。オレのこと、嫌いじゃないでしょ」
「それは、そうだけど……」
「じゃあ、いいじゃん。もっと触らせて」
エースの片手が再び背後に回る。
今度は正面から抱きしめられた状態で、お尻のいちばん柔らかい部分を指先を食い込ませるようにして強く掴み上げた。
「ん……っ!」
「いい声。もっとオレを困らせてよ」
エースの唇が今度は首筋へと落とされる。
お尻を掴む手の熱と、首筋に触れる唇の熱が、ふたりの境界線を曖昧にするように混ざり合っていった。
「……ねえ、エース……もう、だめ……」
「何がだめなの。まだ、触ってるだけなのに」
室内の空気は完全に熱に支配されている。
正面から抱きしめられた体は、エースの強固な腕のなかで完全に自由を奪われている。背後に回されたエースの両手は、お尻の肉を交互に深く形を歪ませるほどの強さで揉みしだいている。
「ん、っ、ねえ……つよ、い……っ」
「強くしないと、ななしがどっか行っちゃいそうだから。……ほら、ここ、すごく熱い」
エースの指先が布地越しに割れ目の輪郭をなぞるように深く沈み込む。その執拗な刺激が与えられるたびに、ふたりの体が小さく跳ねる。衣服の擦れ合う音と湿った呼吸の音だけが、静寂のなかで異様なほど大きく響き渡る。
「やなの……?」
「……いやじゃ、ない、けど……」
「じゃあ、もっと奥まで触らせてよ。これ、邪魔」
エースは片手を背後から引き抜くと、焦れったそうに衣服の裾へと手をかけた。そのまま迷うことなく、熱い手のひらを肌のうえに直接滑り込ませる。
「あ……っ!」
「あは、やっぱり直接触るほうが、すげー柔らかい。……あったかいし、最高」
生肌に触れたエースの手のひらは容赦なくその質量を掴み上げる。指先が皮膚を押し込むたびに、お互いの体温が境界を失って完全に混ざり合っていく。エースの呼吸は一段と荒くなり胸板が激しく上下している。
「エース、まって、本当に、変な気分になっちゃう……」
「なればいいじゃん。オレもとっくにおかしくなってんだから」
エースはそう吐き捨てると、お尻を掴む手にさらに力を込め、ふたりの下半身をぴったりと密着させた。逃げ場のない熱が、下腹部から全身へと一気に駆け上がっていく。
「……ねえ、ななし。オレのなまえ、呼んで」
「えー、す……っ、エース……」
「ん、よくできました。……ねえ、もっとオレに触ってよ」
エースの唇が今度は容赦なく唇へと重ねられる。
お尻を執拗に愛撫する手の熱と、口内を蹂躙する舌の熱。すべてが渾然一体となり、ふたりはただ互いの存在を深く濃密に貪り合っていた。
「やだ。せっかくこうしてんのに、なんで離れなきゃいけないわけ?」
背後から覆いかぶさるようにして、エースが腕を回す。首筋のあたりにその熱い呼吸が吹き付けられるが、エースは全く退く気配を見せない。回された腕は容赦なく腰のラインを締め上げている。
「動きにくいから、離れて」
「オレはちょうどいいけど。ほら、ななしも力抜きなよ」
そう言いながら、エースの手のひらが下がっていく。腰のラインを通り過ぎ、明確な目的地へ到達する前に、その手が上からピシャリと叩かれた。
「あ、また触ろうとしたでしょ」
「えー、なんのこと? 言いがかりもいいとこなんだけど」
エースは悪びれもせず、むしろ楽しそうに口元を歪める。叩かれた手を引っ込めるどころか、指先をわずかに動かして、わざとらしくお尻の曲線に手のひらを這わせた。
「ほら、いま触ってる」
「触ってると落ち着くの」
「わたしの体なんだけど」
「オレの彼女の体でしょ。じゃあオレにも触る権利あるじゃん」
屁理屈を並べるエースの顔は、すぐ耳の横にある。会話のテンポに合わせて、ふたりの体が細かく揺れる。そのたびに衣服の生地が擦れ合う音が静かな室内に響く。
「そういう問題じゃないの。とにかく、外では絶対にやめてね」
「ってことは、ふたりきりならいいんだ」
「よくない。拡大解釈しないで」
深くため息をつく様子を見て、エースは嬉しそうに声を立てて笑った。腕の力を緩めるつもりは毛頭ないらしく、さらに強く引き寄せる。
「ななしってさ、こういうとき分かりやすく固まるよね」
「緊張してるだけ」
「なんでオレ相手に緊張すんの。もっとリラックスしてよ、ほら」
ぎゅう、とさらに密着する。
エースの胸元からは、衣服越しでも分かるほど規則正しい心臓の音が刻まれている。その鼓動は平然とした口ぶりに反して少し早い。
「……エース、やっぱり一回離れて」
「やだ。オレが満足するまでこのまま」
動くたびにエースの柔らかい髪が頬や首筋に擦れる。それを避けるように身を縒り合わせても、余計に距離が縮まるだけだった。
「満足って、いつになるの」
「さあね。明日かもしれないし、明後日かもしれない」
「からかわないで」
「からかってないって。大真面目」
エースの低い声が鼓膜を直接揺らす。
その響きに含まれる熱が少しずつ部屋の空気を変えていく。
「ほら、また手」
「動いてないじゃん。置いてるだけ」
確かに動きは止まっている。けれど、お尻に添えられた手のひらは、じっとそこにとどまり衣服の生地を通じて確実にその存在を主張している。
「……ちょっと、変な感じがする」
「変って、どういう風に?」
エースの声から、からかうような軽薄さが少しだけ消える。代わりに、どこか値踏みするような深い響きが混ざり始める。
「なんか、落ち着かない」
「ふーん。じゃあ、もっと落ち着かなくしてあげよっか」
エースが顔を寄せ、耳たぶを軽く歯で挟む。
それと同時に、ぴったりと添えられていた手のひらが、ゆっくりと丸みをなぞるように動き始めた。
「ちょっと、……エース」
「名前呼べば止まると思ってんの? 逆効果なんだけど」
ふたりの間で吐き出される息がわずかに荒くなる。
「……ねえ、ななし」
エースの囁きが室内に溶ける。
手のひらの動きは徐々にその熱を増していった。
「……まって、エース」
「もー、さっきからそればっか」
重なる肌の熱が、さらに一段と高くなる。
エースは囁きながらも、お尻を包み込む手のひらの力を緩めない。むしろ衣服の布地を小さく引き絞るようにして、肉の柔らかさを確かめるように指先を沈み込ませていく。
「だって、これ以上は……」
「これ以上って、どこまで? まだ何もしてないじゃん。ただ触ってるだけ」
「その触り方が、変」
「どこが変なのか、ちゃんと言ってくんないと分かんない」
エースの声音には明らかに愉悦の色が混ざっている。相手が言葉に詰まるのを見透かしたように、手のひらがゆっくりと円を描くように動く。お尻の膨らみを下から持ち上げるような露骨な質量を感じさせる動き。
「ん……っ」
「声、漏れてる。ねえ、オレの手、あったかいでしょ」
「……、……」
「黙り込まないでよ。ここ、さっきより熱くなってる気がすんだけど」
エースの指先が今度は境界線をなぞるように、太ももの付け根へと這っていく。その肉厚な手のひらが動くたびに、密着したふたりの体の間で、摩擦の熱がじわじわと蓄積されていく。
「あ……動かないでってば」
「動いてないよ。ほら、いま止まってる」
言葉の通りエースは動きを止める。
しかし、お尻の真ん中に手のひらをべったりと押し当てたまま、体重を預けてくる。そのせいで、エースの下半身の硬い骨格がダイレクトに背後から押し付けられる形になる。
「エース、当たってる……」
「何が?」
「何が、じゃなくて……」
「しょうがないよね。オレだって男だし、こんな近くに好きな子がいれば、こうなるに決まってんじゃん」
エースの息遣いが明確に荒さを帯び始める。耳元に吹き付けられる呼吸は、先ほどよりも密度が高く湿り気を帯びている。
「……ねえ、ななし」
「なに……?」
「オレのこと、ちゃんと見て」
エースは回していた腕にぐっと力を込め、その体を強引に反転させる。正面から向き合う形になり、ふたりの視線が至近距離で交錯した。
「嫌そうな顔すんなって。オレのこと、嫌いじゃないでしょ」
「それは、そうだけど……」
「じゃあ、いいじゃん。もっと触らせて」
エースの片手が再び背後に回る。
今度は正面から抱きしめられた状態で、お尻のいちばん柔らかい部分を指先を食い込ませるようにして強く掴み上げた。
「ん……っ!」
「いい声。もっとオレを困らせてよ」
エースの唇が今度は首筋へと落とされる。
お尻を掴む手の熱と、首筋に触れる唇の熱が、ふたりの境界線を曖昧にするように混ざり合っていった。
「……ねえ、エース……もう、だめ……」
「何がだめなの。まだ、触ってるだけなのに」
室内の空気は完全に熱に支配されている。
正面から抱きしめられた体は、エースの強固な腕のなかで完全に自由を奪われている。背後に回されたエースの両手は、お尻の肉を交互に深く形を歪ませるほどの強さで揉みしだいている。
「ん、っ、ねえ……つよ、い……っ」
「強くしないと、ななしがどっか行っちゃいそうだから。……ほら、ここ、すごく熱い」
エースの指先が布地越しに割れ目の輪郭をなぞるように深く沈み込む。その執拗な刺激が与えられるたびに、ふたりの体が小さく跳ねる。衣服の擦れ合う音と湿った呼吸の音だけが、静寂のなかで異様なほど大きく響き渡る。
「やなの……?」
「……いやじゃ、ない、けど……」
「じゃあ、もっと奥まで触らせてよ。これ、邪魔」
エースは片手を背後から引き抜くと、焦れったそうに衣服の裾へと手をかけた。そのまま迷うことなく、熱い手のひらを肌のうえに直接滑り込ませる。
「あ……っ!」
「あは、やっぱり直接触るほうが、すげー柔らかい。……あったかいし、最高」
生肌に触れたエースの手のひらは容赦なくその質量を掴み上げる。指先が皮膚を押し込むたびに、お互いの体温が境界を失って完全に混ざり合っていく。エースの呼吸は一段と荒くなり胸板が激しく上下している。
「エース、まって、本当に、変な気分になっちゃう……」
「なればいいじゃん。オレもとっくにおかしくなってんだから」
エースはそう吐き捨てると、お尻を掴む手にさらに力を込め、ふたりの下半身をぴったりと密着させた。逃げ場のない熱が、下腹部から全身へと一気に駆け上がっていく。
「……ねえ、ななし。オレのなまえ、呼んで」
「えー、す……っ、エース……」
「ん、よくできました。……ねえ、もっとオレに触ってよ」
エースの唇が今度は容赦なく唇へと重ねられる。
お尻を執拗に愛撫する手の熱と、口内を蹂躙する舌の熱。すべてが渾然一体となり、ふたりはただ互いの存在を深く濃密に貪り合っていた。
