ハーツラビュル
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
湯気の中に柔らかなオレンジ色の光が溶けている。
白く濁る湯面からは微かに甘い果実のような香りが立ち上っていた。
肩まで湯に浸かったななしの隣で、ケイトが小さく息を吐き出す。
「はー、生き返る〜。マジで今日の授業、課題多すぎて詰むかと思ったし」
「お疲れ様です、ケイト先輩。いつもよりお湯を少し熱めにしておきました」
「さすがななしちゃん、気が利きすぎ。オレへの愛を感じちゃうな〜」
ケイトは悪戯っぽく微笑むと濡れた髪を無造作にかき上げた。
額が露わになり、少しあどけない表情が覗く。
その姿を至近距離で見つめる形になり、ななしは小さく視線を泳がせた。
「……なんですか、急に」
「ん〜? 別に何も? ただ、こうして二人っきりの空間って、なんか特別な感じがしてテンション上がっちゃうなと思って」
「いつものお部屋と、そんなに変わりませんよ」
「えー、全然違うよ。だって、今はこれだし」
ケイトが水面下からすくい上げた手が、ななしの指先に触れる。
お湯の熱さとは異なる、心臓に直接届くような皮膚の温度。
結んだ指先が互いの手のひらをなぞるようにして静かに絡み合った。
「ほら、部屋だとすぐに誰かが入ってきたりするでしょ? ここなら、オレたちだけの秘密の時間。誰も邪魔できない特等席ってわけ」
「それは、そうですけど……」
「照れてるでしょ、ななしちゃん」
「照れてません」
「嘘だ〜。耳のあたり、すっごく赤くなってるよ?」
覗き込んできたケイトの顔が思っていたよりもずっと近い。
湯気で潤んだ肌と、いつもより少し低くなった声が狭い浴室の空気をじわじわと支配していく。
ななしは誤魔化すように、空いた方の手で小さく湯を跳ね上げた。
「もう、からかわないでください」
「からかってないって。ななしちゃんが可愛くて仕方ないだけ」
絡めていた指に不意に強い力がこもる。
引き寄せられるようにして、二人の距離がさらに数センチ縮まった。
波立つ水面が二人の境界線を曖昧に濁らせていく。
「ねえ、もっとこっち来てよ」
「……これ以上近づいたら、のぼせちゃいます」
「のぼせたら、オレがちゃんと介抱してあげる。だから、ね?」
優しく、けれど拒絶を許さない響きを含んだ声。
ケイトの長い腕が、後ろからななしの身体を包み込むように回される。
そのまま引き寄せられ、ケイトの胸元に背中をぴったりと預ける形になった。
密着した肌と、背中越しに響く互いの心臓の鼓動が、ダイレクトに熱を伝えてくる。
「ケイト先輩……近い、です」
「んー、だから近いのがいいって言ったじゃん。オレ、いま最高に幸せかも」
そう言って笑うケイトの胸が小さく上下する。
ななしの背中に回された手のひらが、愛おしむようにゆっくりと上下に動いた。
濡れた肌を滑る指先の感覚が、神経をちりちりと刺激する。
「ななしちゃんの心臓、すごくドキドキ鳴ってる。オレのせい?」
「……先輩の心臓だって、さっきからうるさいです」
「あはは、バレちゃった? 好きな子の前でカッコつけて涼しい顔なんて、そうそう維持できるわけないでしょ」
ケイトは自嘲気味に呟くと、ななしの顎にそっと指をかけた。
上向かされた視線の先で、ケイトの表情からいつもの軽い笑みが消えていく。潤んだ視線が真っ直ぐに絡み合い、浴室の空気がいよいよ濃密な熱を帯び始めた。
「ねえ、ただの先輩と後輩なら、こんなことしないよね」
「……はい」
「ずるいなぁ。そういう素直な返事、オレを煽ってるって自覚ある?」
低い声が鼓膜を揺らす。
ケイトの顔がゆっくりと近づき、お互いの吐息が唇の間で行き交った。
触れ合う直前の、じりじりとしたもどかしさが二人の間に充満していく。
「もう限界。オレ我慢強い方じゃないんだよね。特に、ななしちゃんに関しては」
「先輩……」
「名前、呼んで。もっと甘えた声でさ」
言葉が終わるか終わらないかのうちに、ケイトの唇がななしの唇を塞いだ。
最初は優しく確かめるような接触。
しかしななしが小さく溢した吐息を吸い上げるようにして、口づけは瞬く間に深くなっていく。
絡み合う舌の熱が頭の芯を痺れさせていく。
ケイトの手が背中から腰へと下がり、さらに強くその身体を抱き寄せた。
水面が激しく揺れ、せわしない水音が浴室に響き渡る。
「ん……っ、は、ケイト、先輩……」
「うん、よくできました。でも、まだまだ足りないな」
唇が離れた瞬間、ケイトはななしの濡れた鎖骨にそっと歯を立てた。
微かな痛みに身体が跳ねると、それを宥めるように腰を抱く手にさらに力がこもる。
逃げ場のない湯船の中で、二人の身体感覚はただひたすらに熱い快楽の渦へと巻き込まれていった。
思考のすべてが心地よい微熱の中に溶けていく。
視界の端で揺れる水面も、白く立ち込める湯気も、すべてが遠い世界の出来事のようだった。
ななしの意識にあるのは、目の前で呼吸を荒くするケイトの存在だけだった。
「……ななしちゃん、顔、すっごく可愛いことになってる」
「……だれの、せいですか」
「オレのせい。全部オレのせいにしちゃっていいよ」
ケイトは甘く、どこか切なげに微笑むと、ななしの頬を濡れた手で包み込んだ。
親指が唇の端を優しくなぞり、開いた口元から熱い吐息が零れ落ちる。
お互いの肌がぴったりと合わさり、汗か湯水か分からない雫が二人の境界を完全に消し去っていた。
「ねえ、オレのことだけ見て。他のことは全部忘れてよ」
「……もう、先輩のことしか、考えられないです」
「ほんと? その言葉、マジで信じちゃうからね」
ケイトはななしの額に、そっと自分の額を押し当てた。
視線が、呼吸が、互いの内面の一番深いところまで侵食していく。
「甘すぎて、おかしくなりそう……。オレ、こんなに誰かに溺れる予定じゃなかったんだけどな」
「ケイト、先輩……っ」
「そんな顔されたら、もう離してあげられない。……いい?」
言葉の代わりにななしはケイトの首筋に腕を回し、その身体を強く引き寄せた。
再び重なる唇は先ほどよりもずっと深く、貪るような熱を帯びていく。
互いの存在を確かめ合うように、指先が、肌が、貪欲に絡み合った。
湯船の熱が二人の情熱をさらに煽り立てる。
言葉にならない掠れた声が、狭い空間に幾度も響いては消えた。
外の世界から遮断されたこの場所で、二人は終わりのない濃密な恍惚の海へと深く沈んでいった。
白く濁る湯面からは微かに甘い果実のような香りが立ち上っていた。
肩まで湯に浸かったななしの隣で、ケイトが小さく息を吐き出す。
「はー、生き返る〜。マジで今日の授業、課題多すぎて詰むかと思ったし」
「お疲れ様です、ケイト先輩。いつもよりお湯を少し熱めにしておきました」
「さすがななしちゃん、気が利きすぎ。オレへの愛を感じちゃうな〜」
ケイトは悪戯っぽく微笑むと濡れた髪を無造作にかき上げた。
額が露わになり、少しあどけない表情が覗く。
その姿を至近距離で見つめる形になり、ななしは小さく視線を泳がせた。
「……なんですか、急に」
「ん〜? 別に何も? ただ、こうして二人っきりの空間って、なんか特別な感じがしてテンション上がっちゃうなと思って」
「いつものお部屋と、そんなに変わりませんよ」
「えー、全然違うよ。だって、今はこれだし」
ケイトが水面下からすくい上げた手が、ななしの指先に触れる。
お湯の熱さとは異なる、心臓に直接届くような皮膚の温度。
結んだ指先が互いの手のひらをなぞるようにして静かに絡み合った。
「ほら、部屋だとすぐに誰かが入ってきたりするでしょ? ここなら、オレたちだけの秘密の時間。誰も邪魔できない特等席ってわけ」
「それは、そうですけど……」
「照れてるでしょ、ななしちゃん」
「照れてません」
「嘘だ〜。耳のあたり、すっごく赤くなってるよ?」
覗き込んできたケイトの顔が思っていたよりもずっと近い。
湯気で潤んだ肌と、いつもより少し低くなった声が狭い浴室の空気をじわじわと支配していく。
ななしは誤魔化すように、空いた方の手で小さく湯を跳ね上げた。
「もう、からかわないでください」
「からかってないって。ななしちゃんが可愛くて仕方ないだけ」
絡めていた指に不意に強い力がこもる。
引き寄せられるようにして、二人の距離がさらに数センチ縮まった。
波立つ水面が二人の境界線を曖昧に濁らせていく。
「ねえ、もっとこっち来てよ」
「……これ以上近づいたら、のぼせちゃいます」
「のぼせたら、オレがちゃんと介抱してあげる。だから、ね?」
優しく、けれど拒絶を許さない響きを含んだ声。
ケイトの長い腕が、後ろからななしの身体を包み込むように回される。
そのまま引き寄せられ、ケイトの胸元に背中をぴったりと預ける形になった。
密着した肌と、背中越しに響く互いの心臓の鼓動が、ダイレクトに熱を伝えてくる。
「ケイト先輩……近い、です」
「んー、だから近いのがいいって言ったじゃん。オレ、いま最高に幸せかも」
そう言って笑うケイトの胸が小さく上下する。
ななしの背中に回された手のひらが、愛おしむようにゆっくりと上下に動いた。
濡れた肌を滑る指先の感覚が、神経をちりちりと刺激する。
「ななしちゃんの心臓、すごくドキドキ鳴ってる。オレのせい?」
「……先輩の心臓だって、さっきからうるさいです」
「あはは、バレちゃった? 好きな子の前でカッコつけて涼しい顔なんて、そうそう維持できるわけないでしょ」
ケイトは自嘲気味に呟くと、ななしの顎にそっと指をかけた。
上向かされた視線の先で、ケイトの表情からいつもの軽い笑みが消えていく。潤んだ視線が真っ直ぐに絡み合い、浴室の空気がいよいよ濃密な熱を帯び始めた。
「ねえ、ただの先輩と後輩なら、こんなことしないよね」
「……はい」
「ずるいなぁ。そういう素直な返事、オレを煽ってるって自覚ある?」
低い声が鼓膜を揺らす。
ケイトの顔がゆっくりと近づき、お互いの吐息が唇の間で行き交った。
触れ合う直前の、じりじりとしたもどかしさが二人の間に充満していく。
「もう限界。オレ我慢強い方じゃないんだよね。特に、ななしちゃんに関しては」
「先輩……」
「名前、呼んで。もっと甘えた声でさ」
言葉が終わるか終わらないかのうちに、ケイトの唇がななしの唇を塞いだ。
最初は優しく確かめるような接触。
しかしななしが小さく溢した吐息を吸い上げるようにして、口づけは瞬く間に深くなっていく。
絡み合う舌の熱が頭の芯を痺れさせていく。
ケイトの手が背中から腰へと下がり、さらに強くその身体を抱き寄せた。
水面が激しく揺れ、せわしない水音が浴室に響き渡る。
「ん……っ、は、ケイト、先輩……」
「うん、よくできました。でも、まだまだ足りないな」
唇が離れた瞬間、ケイトはななしの濡れた鎖骨にそっと歯を立てた。
微かな痛みに身体が跳ねると、それを宥めるように腰を抱く手にさらに力がこもる。
逃げ場のない湯船の中で、二人の身体感覚はただひたすらに熱い快楽の渦へと巻き込まれていった。
思考のすべてが心地よい微熱の中に溶けていく。
視界の端で揺れる水面も、白く立ち込める湯気も、すべてが遠い世界の出来事のようだった。
ななしの意識にあるのは、目の前で呼吸を荒くするケイトの存在だけだった。
「……ななしちゃん、顔、すっごく可愛いことになってる」
「……だれの、せいですか」
「オレのせい。全部オレのせいにしちゃっていいよ」
ケイトは甘く、どこか切なげに微笑むと、ななしの頬を濡れた手で包み込んだ。
親指が唇の端を優しくなぞり、開いた口元から熱い吐息が零れ落ちる。
お互いの肌がぴったりと合わさり、汗か湯水か分からない雫が二人の境界を完全に消し去っていた。
「ねえ、オレのことだけ見て。他のことは全部忘れてよ」
「……もう、先輩のことしか、考えられないです」
「ほんと? その言葉、マジで信じちゃうからね」
ケイトはななしの額に、そっと自分の額を押し当てた。
視線が、呼吸が、互いの内面の一番深いところまで侵食していく。
「甘すぎて、おかしくなりそう……。オレ、こんなに誰かに溺れる予定じゃなかったんだけどな」
「ケイト、先輩……っ」
「そんな顔されたら、もう離してあげられない。……いい?」
言葉の代わりにななしはケイトの首筋に腕を回し、その身体を強く引き寄せた。
再び重なる唇は先ほどよりもずっと深く、貪るような熱を帯びていく。
互いの存在を確かめ合うように、指先が、肌が、貪欲に絡み合った。
湯船の熱が二人の情熱をさらに煽り立てる。
言葉にならない掠れた声が、狭い空間に幾度も響いては消えた。
外の世界から遮断されたこの場所で、二人は終わりのない濃密な恍惚の海へと深く沈んでいった。
