サバナクロー
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
オンボロ寮のラウンジは夜になるとひどく冷える。隙間風が古びたカーテンを揺らし、湿った埃の匂いが鼻をつく。けれど、今この部屋を支配しているのはそんな廃屋の静寂ではなく、肌をじりじりと焼くような圧倒的な捕食者の気配だった。
ソファに深く身を沈め、長い脚を組んでこちらを睥睨しているのはサバナクロー寮長レオナ・キングスカラー。彼は気怠げに瞳を細め、手遊びのようにわたしの手首を大きな掌で包み込んでいた。
「……おい、草食動物。いつまでそんな震えてやがる」
低く、地響きのような声が鼓膜を震わせる。
レオナさんの呼び方は、いつも通り「草食動物」のままだ。けれど、その響きに含まれる熱量は、以前とは明らかに違っていた。
「……レオナさん、離してください。もう遅いですし、戻らないと……」
「戻る? ここがてめぇの城だろう。……それとも何か、ここを抜け出してあのトカゲ野郎のところへでも行くつもりか?」
「えっ……? ツノ太郎のことですか? そんなわけ……」
「その呼び名、反吐が出るほど気に食わねぇって言ったはずだ」
掴まれていた手首にグイと力がこもる。骨が軋むような痛みに思わず顔をしかめた。レオナさんはそのままわたしの腕を引き、抗う間もなく、彼の頑丈な胸板の中へと引きずり込んだ。
レオナさんの腕は、鉄の鎖のようにわたしの腰を拘束していた。
逃げようと身をよじればよじるほど彼の筋肉質な体躯が密着し逃げ場が失われていく。
「……レオナ、さん……苦しい、です……っ」
「苦しいのは俺の方だ。砂を食らってるような、ひどい気分だぜ」
わたしの首筋に顔を埋め、獲物の急所を確かめるように鼻先を擦り付けた。荒い吐息が直接肌に当たり、そこから火がつくような熱が全身に回っていく。
「てめぇは俺が拾った獲物だ。てめぇという所有物だけは、誰にも譲る気はねぇ」
「……わたしは、あなたの物じゃ……」
「いいや、俺の物だ。……その証拠に、てめぇの心臓は、俺の腕の中でこんなにみっともなく、俺を求めて鳴ってやがるぜ」
レオナさんの大きな手が、わたしのシャツの上からトクトクと早鐘を打つ心臓の場所を正確に押さえた。彼の手のひらから伝わる熱い拍動と、わたしの鼓動が混ざり合い、境界線が曖昧になっていく。
わたしの顎を強引に持ち上げると、獰猛な笑みを浮かべた。
瞳が闇の中で獣のように爛々と輝いている。
「ななし……。てめぇのその強情な瞳も、俺の前じゃあ無力だってことを教えてやる」
「ん……っ!」
降ってきたのは吸い付くような、けれど噛み付くような激しい口づけだった。舌が強引にわたしの口内を蹂躙していく。
拒絶しようと結んだ唇も、彼の指先が腰の辺りを触れるたびに、あっけなく解かれてしまった。
「…………っん、……は……っ」
口内に広がる、彼特有の熱。
酸素を奪われ、意識が遠のきそうになる中で、彼の手がわたしの背中を這い上がり後頭部をしっかりと固定する。
逃がさない。一滴の吐息さえも、自分以外の世界には渡さない。そんな狂気的なまでの独占欲が、口づけを通じて流れ込んでくる。
ようやく唇が離れたとき、視界は情熱の露に濡れていた。銀色の糸を引くわたしの唇を指先で拭うと、それを自らの舌で舐めとった。
「……いい面だ。その絶望したような、悦びに震えたような面。……これを見られるのは、世界で俺一人だけでいい」
ぐったりとしたわたしの体をソファに押し倒し、その上に覆いかぶさった。古びたソファが悲鳴をあげる。けれどその音さえも、二人の荒い呼吸にかき消されていく。
「……レオナさん、お願い……もう、やめて……」
「やめて、だと? 本気で言ってるのか。てめぇのその湿った声は、もっと掻き乱せと誘ってやがるぜ」
彼はそのまま耳元で、砂を噛むような掠れた声で囁いた。
「てめぇをこのまま連れ去って、二度と太陽の光を拝めねぇ暗い地下室にでも閉じ込めてやろうか。鎖で繋いで、俺の許しがなきゃ飯も食えねぇように、徹底的に躾けてやるのも悪くねぇ」
「……っ、そんなの、ひどいです……」
「ひどい? 冗談じゃねぇ。これは慈悲だ。外の世界にいたって、てめぇを狙うハイエナどもは山ほどいる。俺の腕の中だけが、てめぇにとって唯一、安全な場所なんだよ」
彼の手が、わたしの服の裾から、熱い素肌へと直接滑り込んできた。
大きな節くれ立った指が、わたしの脇腹から背中、そして柔らかな肌へと容赦なく刻印を刻んでいく。
「ななし……。俺の名を呼べ。……これからてめぇを抱く、一人の男の名を」
「……っ、あ……レオ、ナ……さん……っ」
その名を呼んだ瞬間、彼の瞳に宿る闇が一層深まった。
彼はわたしの首筋に深く顔を埋め、逃がさないように、壊さないように、けれど全てを押し潰すような力で抱きしめてきた。
寮のラウンジには、もはや風の音も聞こえない。
ただ、一匹の獅子が獲物を貪るような、濃密で甘美な音だけが、夜が明けるまで響き続けていた。
「一生、俺の影の中で震えてろ。……てめぇの魂ごと、俺が喰らい尽くしてやるからよ」
低い囁きが、わたしの意識を最後の闇へと誘っていった。
それは絶望という名の、この上なく甘い幸福だった。
ソファに深く身を沈め、長い脚を組んでこちらを睥睨しているのはサバナクロー寮長レオナ・キングスカラー。彼は気怠げに瞳を細め、手遊びのようにわたしの手首を大きな掌で包み込んでいた。
「……おい、草食動物。いつまでそんな震えてやがる」
低く、地響きのような声が鼓膜を震わせる。
レオナさんの呼び方は、いつも通り「草食動物」のままだ。けれど、その響きに含まれる熱量は、以前とは明らかに違っていた。
「……レオナさん、離してください。もう遅いですし、戻らないと……」
「戻る? ここがてめぇの城だろう。……それとも何か、ここを抜け出してあのトカゲ野郎のところへでも行くつもりか?」
「えっ……? ツノ太郎のことですか? そんなわけ……」
「その呼び名、反吐が出るほど気に食わねぇって言ったはずだ」
掴まれていた手首にグイと力がこもる。骨が軋むような痛みに思わず顔をしかめた。レオナさんはそのままわたしの腕を引き、抗う間もなく、彼の頑丈な胸板の中へと引きずり込んだ。
レオナさんの腕は、鉄の鎖のようにわたしの腰を拘束していた。
逃げようと身をよじればよじるほど彼の筋肉質な体躯が密着し逃げ場が失われていく。
「……レオナ、さん……苦しい、です……っ」
「苦しいのは俺の方だ。砂を食らってるような、ひどい気分だぜ」
わたしの首筋に顔を埋め、獲物の急所を確かめるように鼻先を擦り付けた。荒い吐息が直接肌に当たり、そこから火がつくような熱が全身に回っていく。
「てめぇは俺が拾った獲物だ。てめぇという所有物だけは、誰にも譲る気はねぇ」
「……わたしは、あなたの物じゃ……」
「いいや、俺の物だ。……その証拠に、てめぇの心臓は、俺の腕の中でこんなにみっともなく、俺を求めて鳴ってやがるぜ」
レオナさんの大きな手が、わたしのシャツの上からトクトクと早鐘を打つ心臓の場所を正確に押さえた。彼の手のひらから伝わる熱い拍動と、わたしの鼓動が混ざり合い、境界線が曖昧になっていく。
わたしの顎を強引に持ち上げると、獰猛な笑みを浮かべた。
瞳が闇の中で獣のように爛々と輝いている。
「ななし……。てめぇのその強情な瞳も、俺の前じゃあ無力だってことを教えてやる」
「ん……っ!」
降ってきたのは吸い付くような、けれど噛み付くような激しい口づけだった。舌が強引にわたしの口内を蹂躙していく。
拒絶しようと結んだ唇も、彼の指先が腰の辺りを触れるたびに、あっけなく解かれてしまった。
「…………っん、……は……っ」
口内に広がる、彼特有の熱。
酸素を奪われ、意識が遠のきそうになる中で、彼の手がわたしの背中を這い上がり後頭部をしっかりと固定する。
逃がさない。一滴の吐息さえも、自分以外の世界には渡さない。そんな狂気的なまでの独占欲が、口づけを通じて流れ込んでくる。
ようやく唇が離れたとき、視界は情熱の露に濡れていた。銀色の糸を引くわたしの唇を指先で拭うと、それを自らの舌で舐めとった。
「……いい面だ。その絶望したような、悦びに震えたような面。……これを見られるのは、世界で俺一人だけでいい」
ぐったりとしたわたしの体をソファに押し倒し、その上に覆いかぶさった。古びたソファが悲鳴をあげる。けれどその音さえも、二人の荒い呼吸にかき消されていく。
「……レオナさん、お願い……もう、やめて……」
「やめて、だと? 本気で言ってるのか。てめぇのその湿った声は、もっと掻き乱せと誘ってやがるぜ」
彼はそのまま耳元で、砂を噛むような掠れた声で囁いた。
「てめぇをこのまま連れ去って、二度と太陽の光を拝めねぇ暗い地下室にでも閉じ込めてやろうか。鎖で繋いで、俺の許しがなきゃ飯も食えねぇように、徹底的に躾けてやるのも悪くねぇ」
「……っ、そんなの、ひどいです……」
「ひどい? 冗談じゃねぇ。これは慈悲だ。外の世界にいたって、てめぇを狙うハイエナどもは山ほどいる。俺の腕の中だけが、てめぇにとって唯一、安全な場所なんだよ」
彼の手が、わたしの服の裾から、熱い素肌へと直接滑り込んできた。
大きな節くれ立った指が、わたしの脇腹から背中、そして柔らかな肌へと容赦なく刻印を刻んでいく。
「ななし……。俺の名を呼べ。……これからてめぇを抱く、一人の男の名を」
「……っ、あ……レオ、ナ……さん……っ」
その名を呼んだ瞬間、彼の瞳に宿る闇が一層深まった。
彼はわたしの首筋に深く顔を埋め、逃がさないように、壊さないように、けれど全てを押し潰すような力で抱きしめてきた。
寮のラウンジには、もはや風の音も聞こえない。
ただ、一匹の獅子が獲物を貪るような、濃密で甘美な音だけが、夜が明けるまで響き続けていた。
「一生、俺の影の中で震えてろ。……てめぇの魂ごと、俺が喰らい尽くしてやるからよ」
低い囁きが、わたしの意識を最後の闇へと誘っていった。
それは絶望という名の、この上なく甘い幸福だった。
