サバナクロー
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サバナクロー寮レオナの自室。閉め切られた室内は昼間だというのに夜のような薄暗さに包まれている。
「……レオナさん、いい加減に起きてください。資料の確認まだ終わってません」
ななしの声にベッドから低い唸り声が返る。
レオナは無造作にタオルを跳ね除け上体を起こした。
乱れた髪の間から覗く瞳は不機嫌そのものだ。
「……うるせぇぞ草食動物。人の眠りを邪魔して、タダで済むと思ってんのか」
「タダじゃないです。学園長に言われた仕事ですから……あ、チェス盤、出したままだったんですね」
部屋の中央、低いローテーブルの上には、数日前からやりかけのチェス盤が置かれている。レオナはベッドの端に腰掛けたまま、顎先で対面のソファを指した。
「……座れ……その資料とやらを受け取って欲しけりゃ、この続きを指せ」
「え、でも、仕事の方が先で……」
「俺が先だと言ったら先なんだよ。座れ」
逆らう間もなくレオナは低い重心のままソファへと移動する。
ななしは渋々、彼の向かい側に腰を下ろした。至近距離で対峙すると、レオナの肌から立ち上る熱気がダイレクトに伝わってくる。広い室内のはずなのに、このテーブルの周囲だけがひどく密閉された空間のように感じられた。
「……わたしの番ですよね。ナイトをここへ」
「……攻めてくるじゃねぇか」
レオナがポーンをひとつ進める。
ななしは次の一手を考えるべく盤面に目を落としたが、レオナの視線が顔から離れないことに気づき胸の奥がざわついた。彼は駒を見ていない。獲物を観察する猛獣のような粘着質な視線で、ななしの喉元や、呼吸に合わせて動く鎖骨を執拗に追っている。
「……ななし、お前、さっきから指が震えてんぞ」
「……っ、そんなことありません。レオナさんの圧が強いだけです」
「圧、ねぇ。……自覚があるなら、もっと縮こまってりゃいいもんを」
レオナは喉の奥で低く笑い背もたれに深く体を預けた。
長い脚がテーブルの下でななしの足に触れる。避ける隙もなく、彼の膝がこちらの脚を閉じ込めるように固定した。
「……レオナさん、脚」
「……文句があるならさっさと俺を詰ませてみろ」
言葉とは裏腹にレオナの指先は冷酷に盤面を支配していく。
ななしは焦燥に駆られビショップを滑らせた。
「チェック……です」
「……そうかよ……だが、そいつは悪手だ」
レオナの瞳が一瞬だけ鋭く細められた。
彼が身を乗り出した瞬間、テーブルの上の空気が一変する。レオナの大きな手が駒を動かそうとしたななしの手首を、逃がさないという強い意志を込めて掴んだ。
「っ……! 痛いです、レオナさん」
「痛ぇ? よく言うぜ」
掴まれた手首から火傷しそうなほどの体温が流れ込んでくる。
レオナはななしの手を引き寄せ、その指先を自分の唇の近くまで持っていった。熱い吐息が皮膚を撫でななしは反射的に体を強張らせる。
「お前、このクイーンが囮だってことに、いつ気づくかと思って見てたんだがな……案外抜けてやがる」
「……囮……?」
「俺がわざと隙を見せなきゃ、お前ごときがここまで踏み込めるわけねぇだろ。……お前は自分から、俺の喉元に飛び込んできたんだよ」
レオナのもう片方の手がななしの背後のソファに置かれ、完全に逃げ道を塞がれた。薄暗い部屋の中で彼の瞳だけが獣特有の光を宿して爛々と輝いている。
「……ななし、俺のテリトリーに深入りした対価、どう払うつもりだ?」
「……それは……チェスの勝負の、はずで……」
「勝負はもう終わった。……今からは、俺の食事の時間だ」
レオナの声がさらに低く甘く、重くなる。
逃げ場のない自室。密閉された空間。ななしの心臓の鼓動が、静まり返った部屋にうるさいほど響き渡っていた。
「……レオナ、さん。手……」
「……ああ?……耳まで真っ赤にして、何言ってやがる」
レオナは鼻先をななしの首筋に寄せ、深く息を吸い込んだ。
彼の喉が低く鳴り、震動が直接肌に伝わってくる。それは安らぎを与えるためのものではなく肉食獣が獲物の質を確かめるような、本能的で暴力的な音だった。
「……資料、ちゃんと見てくれるって、約束しましたよね」
「……ああ、言ったな。……だが、俺の気が変わった。今の俺は紙切れなんかより、もっと別のモンに興味がある」
レオナの自由な方の手がななしの頬を無造作に撫で上げ、そのまま親指が唇の端を割り込ませるように押し入る。
拒絶を許さない強引な動き。
ななしはわずかに口を開かされ、そこからレオナの指の熱が口腔内へと侵入してくるのを、震えながら受け入れるしかなかった。
「……んっ」
「そんな顔すんな……お前が俺をその気にさせたんだろうが……この数日間、俺の目の前をチョロチョロ歩き回ってよ……。無自覚なら余計に性質が悪ぃぜ」
レオナの声が濡れたような質感を含んでななしの脳内に響く。
彼の指先が舌に触れ、唾液が混じる生々しい音が静かな部屋に落ちた。
ななしの身体は恐怖とは別の熱い何かに侵食されていく。
思考が溶け、視界が白く霞み始める。
「……っ、ハ……、レオナ、さん……。もう、チェスは……」
「チェス? ……ああ、あんなもんは、お前をここに引き止めるための撒き餌だ……お前はまんまと食いついて、俺の懐に飛び込んできた……そうだろ?」
レオナは唇を吊り上げると、そのままななしをソファに押し倒した。
重い彼の体温が全身に覆いかぶさり逃げ道を完全に塞ぐ。
ななしの背中が沈み込み、彼との密着度がさらに高まる。
衣服越しに伝わるレオナの硬い筋肉と、その奥で刻まれる力強い鼓動。
「……逃がさねぇよ……お前が参ったって言っても、俺はもう止めてやらねぇ」
レオナの顔が、今度こそ至近距離で静止した。
ななしは必死に彼の肩に手をかけたが、それは彼を押し返すためではなく、崩れそうな自分を支えるための縋り付きに近かった。
「……ななし、こっちを見ろ」
命令されるまでもなく、彼の瞳から目を逸らすことはできない。
吸い込まれるようにななしの理性が最後の一片まで溶かされていく。レオナはななしの首筋、一番血管の脈打つ場所を唇で辿り、そこをなぞるように歯を立てた。
「……っ……、ぅ……」
「痛いか? ……なら、もっと鳴けよ」
熱い吐息が肌を滑り、そのままななしの唇へと重なる。
奪うような一方的な重なり。
外の世界とは完全に隔絶されたレオナだけの檻の中。
重なり合った唇からレオナの肺にある熱がそのまま流れ込んでくる。それは口付けと呼ぶにはあまりに強引で、ななしの呼吸を根こそぎ奪い去るための略奪だった。
ななしの手がレオナの背中で行き場を失い、シーツを掴もうとして虚しく空を切る。だがその手もすぐにレオナの大きな掌によってソファへ縫い留められた。
「……んっ、……ぁ、……レオナ、さん……」
わずかに隙間ができた瞬間、ななしは必死に空気を求める。
しかしレオナはそれを許さない。
彼はななしの顎を抉るように指で固定し、さらに深く、自らの存在を刻みつけるように舌を滑り込ませた。
口内に広がる彼特有の苦味と、熱い湿り気。
思考はもはや断片的な色の混濁でしかない。
ななしの脳裏にあるのは自分を押し潰すレオナの重量と、逃げられないという絶望的なまでの陶酔だけだった。
「……はぁ、……お前、……今さら拒絶しようなんて思うなよ」
レオナが顔を離した。だがその距離はわずか数センチ。
彼の瞳は獲物を仕留めた充足感に浸る獣そのものの色をしていた。
ななしの視界は涙で潤み焦点が定まらない。ただ目の前にある双眸だけが暗い室内で怪しく発光しているように見えた。
「……わたし、は……レオナさんの、……おもちゃじゃ、ないです……」
「ああ、わかってる……おもちゃなら、もっと丁寧に扱ってやるさ……だが、お前は俺の獲物だ……食い散らかして、俺の一部にするまで、離してやるわけねぇだろ」
レオナの低い声が、ななしの耳元で震える。
その言葉はどんな甘い愛の囁きよりも深く、ななしの内側に突き刺さった。彼はななしの首筋に再び顔を埋め、今度は容赦なくその柔らかな肌を吸い上げた。
チクリとした痛みと共に熱い何かが皮膚に刻まれる。
消えることのない彼だけの所有印。
「……っ……、ぁ……」
「……いい声だ。……その顔も、俺以外の誰にも見せんじゃねぇぞ」
レオナの大きな手がななしのシャツの隙間から滑り込み直接その肌を這う。火傷しそうな掌が心臓の真上で止まった。早鐘を打つ鼓動が、彼の手のひらを通じて筒抜けになっているのがわかる。
ななしはもう声を出すことも、彼を押し返すこともできなかった。
全身がレオナという熱帯の檻に溶かされ、自分という境界線が曖昧になっていく。
レオナが再び唇を寄せてくる。
今度は奪うためではなく慈しむように、けれど決して逃さないという執着を込めて。ななしは重い瞼を閉じ、彼が与える熱の濁流に身を任せた。
テーブルの上では倒れたままの駒たちが静かに夕闇に消えていく。
チェックメイト。
ゲームは終わった。
そしてこの部屋からななしが解放される時間は、まだ当分訪れそうになかった。
「……レオナさん、いい加減に起きてください。資料の確認まだ終わってません」
ななしの声にベッドから低い唸り声が返る。
レオナは無造作にタオルを跳ね除け上体を起こした。
乱れた髪の間から覗く瞳は不機嫌そのものだ。
「……うるせぇぞ草食動物。人の眠りを邪魔して、タダで済むと思ってんのか」
「タダじゃないです。学園長に言われた仕事ですから……あ、チェス盤、出したままだったんですね」
部屋の中央、低いローテーブルの上には、数日前からやりかけのチェス盤が置かれている。レオナはベッドの端に腰掛けたまま、顎先で対面のソファを指した。
「……座れ……その資料とやらを受け取って欲しけりゃ、この続きを指せ」
「え、でも、仕事の方が先で……」
「俺が先だと言ったら先なんだよ。座れ」
逆らう間もなくレオナは低い重心のままソファへと移動する。
ななしは渋々、彼の向かい側に腰を下ろした。至近距離で対峙すると、レオナの肌から立ち上る熱気がダイレクトに伝わってくる。広い室内のはずなのに、このテーブルの周囲だけがひどく密閉された空間のように感じられた。
「……わたしの番ですよね。ナイトをここへ」
「……攻めてくるじゃねぇか」
レオナがポーンをひとつ進める。
ななしは次の一手を考えるべく盤面に目を落としたが、レオナの視線が顔から離れないことに気づき胸の奥がざわついた。彼は駒を見ていない。獲物を観察する猛獣のような粘着質な視線で、ななしの喉元や、呼吸に合わせて動く鎖骨を執拗に追っている。
「……ななし、お前、さっきから指が震えてんぞ」
「……っ、そんなことありません。レオナさんの圧が強いだけです」
「圧、ねぇ。……自覚があるなら、もっと縮こまってりゃいいもんを」
レオナは喉の奥で低く笑い背もたれに深く体を預けた。
長い脚がテーブルの下でななしの足に触れる。避ける隙もなく、彼の膝がこちらの脚を閉じ込めるように固定した。
「……レオナさん、脚」
「……文句があるならさっさと俺を詰ませてみろ」
言葉とは裏腹にレオナの指先は冷酷に盤面を支配していく。
ななしは焦燥に駆られビショップを滑らせた。
「チェック……です」
「……そうかよ……だが、そいつは悪手だ」
レオナの瞳が一瞬だけ鋭く細められた。
彼が身を乗り出した瞬間、テーブルの上の空気が一変する。レオナの大きな手が駒を動かそうとしたななしの手首を、逃がさないという強い意志を込めて掴んだ。
「っ……! 痛いです、レオナさん」
「痛ぇ? よく言うぜ」
掴まれた手首から火傷しそうなほどの体温が流れ込んでくる。
レオナはななしの手を引き寄せ、その指先を自分の唇の近くまで持っていった。熱い吐息が皮膚を撫でななしは反射的に体を強張らせる。
「お前、このクイーンが囮だってことに、いつ気づくかと思って見てたんだがな……案外抜けてやがる」
「……囮……?」
「俺がわざと隙を見せなきゃ、お前ごときがここまで踏み込めるわけねぇだろ。……お前は自分から、俺の喉元に飛び込んできたんだよ」
レオナのもう片方の手がななしの背後のソファに置かれ、完全に逃げ道を塞がれた。薄暗い部屋の中で彼の瞳だけが獣特有の光を宿して爛々と輝いている。
「……ななし、俺のテリトリーに深入りした対価、どう払うつもりだ?」
「……それは……チェスの勝負の、はずで……」
「勝負はもう終わった。……今からは、俺の食事の時間だ」
レオナの声がさらに低く甘く、重くなる。
逃げ場のない自室。密閉された空間。ななしの心臓の鼓動が、静まり返った部屋にうるさいほど響き渡っていた。
「……レオナ、さん。手……」
「……ああ?……耳まで真っ赤にして、何言ってやがる」
レオナは鼻先をななしの首筋に寄せ、深く息を吸い込んだ。
彼の喉が低く鳴り、震動が直接肌に伝わってくる。それは安らぎを与えるためのものではなく肉食獣が獲物の質を確かめるような、本能的で暴力的な音だった。
「……資料、ちゃんと見てくれるって、約束しましたよね」
「……ああ、言ったな。……だが、俺の気が変わった。今の俺は紙切れなんかより、もっと別のモンに興味がある」
レオナの自由な方の手がななしの頬を無造作に撫で上げ、そのまま親指が唇の端を割り込ませるように押し入る。
拒絶を許さない強引な動き。
ななしはわずかに口を開かされ、そこからレオナの指の熱が口腔内へと侵入してくるのを、震えながら受け入れるしかなかった。
「……んっ」
「そんな顔すんな……お前が俺をその気にさせたんだろうが……この数日間、俺の目の前をチョロチョロ歩き回ってよ……。無自覚なら余計に性質が悪ぃぜ」
レオナの声が濡れたような質感を含んでななしの脳内に響く。
彼の指先が舌に触れ、唾液が混じる生々しい音が静かな部屋に落ちた。
ななしの身体は恐怖とは別の熱い何かに侵食されていく。
思考が溶け、視界が白く霞み始める。
「……っ、ハ……、レオナ、さん……。もう、チェスは……」
「チェス? ……ああ、あんなもんは、お前をここに引き止めるための撒き餌だ……お前はまんまと食いついて、俺の懐に飛び込んできた……そうだろ?」
レオナは唇を吊り上げると、そのままななしをソファに押し倒した。
重い彼の体温が全身に覆いかぶさり逃げ道を完全に塞ぐ。
ななしの背中が沈み込み、彼との密着度がさらに高まる。
衣服越しに伝わるレオナの硬い筋肉と、その奥で刻まれる力強い鼓動。
「……逃がさねぇよ……お前が参ったって言っても、俺はもう止めてやらねぇ」
レオナの顔が、今度こそ至近距離で静止した。
ななしは必死に彼の肩に手をかけたが、それは彼を押し返すためではなく、崩れそうな自分を支えるための縋り付きに近かった。
「……ななし、こっちを見ろ」
命令されるまでもなく、彼の瞳から目を逸らすことはできない。
吸い込まれるようにななしの理性が最後の一片まで溶かされていく。レオナはななしの首筋、一番血管の脈打つ場所を唇で辿り、そこをなぞるように歯を立てた。
「……っ……、ぅ……」
「痛いか? ……なら、もっと鳴けよ」
熱い吐息が肌を滑り、そのままななしの唇へと重なる。
奪うような一方的な重なり。
外の世界とは完全に隔絶されたレオナだけの檻の中。
重なり合った唇からレオナの肺にある熱がそのまま流れ込んでくる。それは口付けと呼ぶにはあまりに強引で、ななしの呼吸を根こそぎ奪い去るための略奪だった。
ななしの手がレオナの背中で行き場を失い、シーツを掴もうとして虚しく空を切る。だがその手もすぐにレオナの大きな掌によってソファへ縫い留められた。
「……んっ、……ぁ、……レオナ、さん……」
わずかに隙間ができた瞬間、ななしは必死に空気を求める。
しかしレオナはそれを許さない。
彼はななしの顎を抉るように指で固定し、さらに深く、自らの存在を刻みつけるように舌を滑り込ませた。
口内に広がる彼特有の苦味と、熱い湿り気。
思考はもはや断片的な色の混濁でしかない。
ななしの脳裏にあるのは自分を押し潰すレオナの重量と、逃げられないという絶望的なまでの陶酔だけだった。
「……はぁ、……お前、……今さら拒絶しようなんて思うなよ」
レオナが顔を離した。だがその距離はわずか数センチ。
彼の瞳は獲物を仕留めた充足感に浸る獣そのものの色をしていた。
ななしの視界は涙で潤み焦点が定まらない。ただ目の前にある双眸だけが暗い室内で怪しく発光しているように見えた。
「……わたし、は……レオナさんの、……おもちゃじゃ、ないです……」
「ああ、わかってる……おもちゃなら、もっと丁寧に扱ってやるさ……だが、お前は俺の獲物だ……食い散らかして、俺の一部にするまで、離してやるわけねぇだろ」
レオナの低い声が、ななしの耳元で震える。
その言葉はどんな甘い愛の囁きよりも深く、ななしの内側に突き刺さった。彼はななしの首筋に再び顔を埋め、今度は容赦なくその柔らかな肌を吸い上げた。
チクリとした痛みと共に熱い何かが皮膚に刻まれる。
消えることのない彼だけの所有印。
「……っ……、ぁ……」
「……いい声だ。……その顔も、俺以外の誰にも見せんじゃねぇぞ」
レオナの大きな手がななしのシャツの隙間から滑り込み直接その肌を這う。火傷しそうな掌が心臓の真上で止まった。早鐘を打つ鼓動が、彼の手のひらを通じて筒抜けになっているのがわかる。
ななしはもう声を出すことも、彼を押し返すこともできなかった。
全身がレオナという熱帯の檻に溶かされ、自分という境界線が曖昧になっていく。
レオナが再び唇を寄せてくる。
今度は奪うためではなく慈しむように、けれど決して逃さないという執着を込めて。ななしは重い瞼を閉じ、彼が与える熱の濁流に身を任せた。
テーブルの上では倒れたままの駒たちが静かに夕闇に消えていく。
チェックメイト。
ゲームは終わった。
そしてこの部屋からななしが解放される時間は、まだ当分訪れそうになかった。
