好物は一番最後に。
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「パラガスさんのせいで私まで怒られました……」
「悪かったと言っているだろう…それにあれは未設定も悪い」
「……」
あの後、パラガスのあまりの声の大きさにベリブルから注意を受けてしまった三人、しかもベリブルにもまた未設定は叱られてしまった。横にいるブロリーは相変わらず拗ねているようで、未設定の傍についたままだ。
道行く者たちは物珍しいものを見たとばかりに振り返る。基本的にフリーザの傍にいる未設定が、ベリブルやキコノ以外の人と一緒にいることはそうそうない、容姿の事もあるが何もせずとも人の視線を集めてしまっていた。
当の本人は全く気にしてない様子だったがその視線に不快感を覚えたブロリーは、無表情には変わりないがまるで威嚇するかのように相手を睨みつけていた。上背もあり筋骨隆々な男に睨まれてしまった者たちはそそくさとその場を後にするのだった。
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食堂につくと、どこからか明るい声が聞こえてきた。
二人を助けたチライとレモが先程貰った報奨金で祝杯を挙げており、ブロリーとパラガスを見かけ声をかけたのだ
「よう! さっぱりしたじゃないか! それと……あんた何て言ったっけ? 」
「未設定様……!? 」
「えっ、様……? 」
その名前に反応し周りにいた者達は驚きに目を見張った。あの未設定がこんな場所に来るなんて、と凝視ははせずともこちらを気にしていた
「レモさんとチライさんですね、未設定と言います。そんなに固くならなくても大丈夫ですよ」
「す、すいませんでした未設定様……! 」
レモの慌てぶりや周りの反応から立場上上の人間だと理解したチライは慌てて謝罪し、立ち上がろうとしたレモとチライを再び座らせ、未設定は深々と頭を下げた。未設定に頭を下げさせるなど一体何をしたのかと、もはやレモとチライのいる席は完全に注目の的となってしまった
「パラガスさんとブロリーを助けてくださり、ありがとうございます」
「いえそんな、大したことはしてませんので……! 」
「そうだよ! 気にすんなって! 三人ともつっ立ってないでさ、こっちで食えよ! 」
「チライ! おまえ少しは遠慮しないか! 」
二人に施され三人は席へと近づく。チライは戦闘服を着ず、薄いアンダーウェアのみを身に着けたブロリーに問いかける
「ブロリー、あんた戦闘服は? 」
「あれは……動きにくい」
「着ちゃうとそうでもないんだぜ? 」
柔らかいゴムのように伸びた戦闘服をブロリーは不思議そうに目を丸くした。
「あとで着てみようね、ブロリー」
「……ああ」
「でもブロリー、腰の毛皮はもう捨てちゃえよ、汚れてるし……」
チライが毛皮を外そうと掴むと、ぶわりとブロリーの纏う空気が変わった。
「ダメだ!! 」
雷のような激声が辺りに響き渡った。ブロリーの顔は怒りで歪み、髪を逆立たせている。驚いたチライは慌てて手を離した。未設定も少なからずここまで感情を顕わにしたブロリーに驚いたが、優しく宥めた。
「大丈夫だよブロリー、びっくりしちゃったんだね」
「そうか、大事なものだったんだな……ごめんなブロリー」
チライはすまなそうにそっと毛皮に触れた。ブロリーも落ち着いたようでいつもの無表情に戻っていた
「これは、オレの……」
「ブロリー、未設定、食事に来たんだ。話をしに来たんじゃない」
パラガスから容赦のない声が飛びブロリーは口を噤み、うつむいてしまった。
「あんたさ、いいじゃないかこれぐらい」
「余計な口出しはしないでくれ」
見かねたチライが声をはさむと、パラガスは睨みつけるようにチライを見た。チライもそんなパラガスに黙っているはずもなく、机を強くたたき腰を浮かせた。
「ああ? 」
「まあまあ」
今にも一触即発になりそうな険悪な空気を感じたレモは二人の間に身を乗り出し、取りなすように交互に二人を見る。
──そんな時、背後から近づいてきた大柄の男が声をかけてきた。
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