好物は一番最後に。
夢主設定
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「こっちがパラガス大佐のお部屋で、隣がブロリーさんのお部屋になります」
「その…、未設定。大佐というのは、外してくれないか?私はもう大佐ではないんだ」
「そうなんですか?うーん…じゃあ、パラガスさん、でいいですか?」
「ああ」
いくら長い遠征に行き、何日も何ヶ月もシャワーを浴びずにいられるサイヤ人といえど、比べ物にならないほど長い年月を過ごしたのだ。あの星とは違い、ここには他の異星人やましてや同族の女もいるのだ。パラガスはブロリーにも身なりを綺麗にするよう言いつけ、足早に中へ入っていった。
「さぁ、ブロリーさんも!」
会話を静かに聞き、父親を見送り立ち止まっていたブロリーの背中を押し、未設定は部屋へと施した。
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正直、ブロリーは混乱していた。見るもの全てが自分の知らないものに溢れ、何もわからないのだ。あれこれと説明する彼女の背を静かに眺めていた。
「ここをひねるとお湯が出てきますよ」
「ここ、か……?」
「あっ──」
シャワーヘッドの向きを指摘するより先に温かなお湯が降り注ぎ、二人の体を濡らしていく。驚いてバランスを崩しよろけたブロリーを未設定は支えようとするが、体格も全く違うブロリーを支えることもできず。その場に二人して倒れこんでしまった。
「わ、」
「ッ!……!」
鼻先が触れ合いそうなほど、近い。早くどかなければ、頭の中ではそう思っているがブロリーは動くことができなかった。
つぃ…とブロリーの頬を、白く小さな手が撫でた。柔らかく、温かい。
「ふふ…ブロリーさん、大きくなりましたね」
「未設定は、……オレを、知ってるのか……?」
「はい、ブロリーさんがまだ赤ちゃんの時ですが……」
「…あかちゃん」
自分はこの匂いを、この声を知っている。心臓が激しく波打つ。未設定はブロリーを抱き込み、慈しむように髪を撫でた。
「ブロリーさんも今まで、よく頑張りましたね、いいこ、いいこ」
ブロリーを撫でる未設定の手つきはとても優しかった。ブロリーの父親パラガスは厳格な人だ。長い間過酷な星を二人で過ごし、必ずベジータ王に復讐するため、あの星で正気でい続けるために、甘えることは許されなかった。
今だけ、今だけは許されるだろうか。ひどく心地がいい。
ああ、彼女は、───だ。
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「ブロリー、終わったか……、って未設定!?ブロリー!何をしているんだ…!」
「あ、パラガスさん」
どうやら身支度は済ませているようだが、パラガスには理解しがたい状況がそこにあった。ベッドの縁に座るブロリーの膝の上に未設定が乗り、あやすように頭を撫でており、一方ブロリーは未設定の肩口に顔を埋め体をしっかりと抱き込み断固として離すまいという意思が見える。
「未設定!何故アンダーウェアしか着ていない!?それにブロリー!いつまでそうしている気だ!未設定を離すんだ!」
「ブロリーさんと一緒にシャワーに入ったら濡れちゃったんですよ」
「……待て、今一緒にと言ったか?男と一緒に入ったのか!?」
「?はい、そうです」
「~~~…ッ!!」
パラガスは力ずくで二人を引きはがし、その場に座らせ説教を始めた。
部屋の外にまで響き渡る叱声は当分収まることはなかった。