好物は一番最後に。
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フリーザ軍に連れてこられてから、四十年あまり。未設定自身、ここまで自分に自由がないとは……と苦笑していた。意識を失い、目が覚めた際に聞かされた言葉は衝撃的なものだった。
惑星ベジータに隕石が衝突し、消滅してしまったらしい。それが本当かどうか知る由もないが……。
「未設定様、フリーザ様がお呼びですよ」
「フリーザ様が?」
「良かったですねえ未設定様」
「えっ……」
「まだ、生き残っていたサイヤ人がいたそうですよ」
気が付いたら私は駆け出していた。地球に二人いるとは聞いていたがまだ他にもいたなんて!知ってる人だろうか、そうだったら嬉しいな。
「フリーザ様……!」
「おや、その様子だと、もう聞かれたのですね?」
「本当にっ本当にサイヤ人がいたんですか……!?」
自分のもとへとびだしてきたのは未設定、大方、急いでここまで来たのだろう。あっちこっちへと乱れた白く透き通る髪を優しい手つきで直したフリーザは、答える。
「ええ、今しがたベリブルさんが連れてきますよ。」
「お連れしましたよ、フリーザ様」
ベリブルの声に振り返った二人は、入ってきたサイヤ人に目を向けた。
そこにいたのは──
「パラガス大佐……!」
「まさかッ未設定……!?生きていたのか…!」
「パラガス大佐こそ…!」
まるで感動の再開のようだが、パラガスの横にいたもう一人のサイヤ人は何が何だか、という顔をしていた。その時、わざとらしい咳払いが聞こえた。声の主のほうを見ると…怒っている、なんだか恥ずかしくなり未設定は一歩後ろへと下がった。パラガスも同じ様だった。
もう一人のサイヤ人はどうやら部屋の中に浮かんでいるポッドに興味を持ったらしくつついたりしている。ふと目が合った。未設定は軍に所属したからというもの、地球にいるというサイヤ人を見たこともなく、年上のパラガスとは違い自分と年の近いサイヤ人を見るのも初めてのことであった。彼も同じだったのか、じっとこちらを見ている。
「あなた、お名前は?」
問われたサイヤ人はぼんやりとフリーザを見下ろしたが、視線を戻し未設定を見たままで答えようとせず、慌ててパラガスがブロリーでございますと答えていた。淡々と話は続けられていたがその間もブロリーはずっとこちらを見ているままだった。
「未設定さん、おふたりにシャワーを浴びていただいたら、戦闘服を用意してあげてください……、貴女も話がしたいのでしょう」
「はい、ありがとうございます…!」
フリーザは未設定に連れられて部屋を出ていくサイヤ人達を見送った。
「今回は、戦うつもりはなかったんですがねぇ……」
端整な顔を歪め、フリーザが不敵な笑みを浮かべていたことは誰も知らない。