好物は一番最後に。
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「──突然だが、オレは引退することにした!!」
コルド大王のその言葉にサイヤ人達ははっと顔を上げた。何も変わらない、ただ軍を率いる者が変わるだけだと。
「サイヤ人の皆さんには特に期待していますよ」
にこやかに笑う目の前の"悪魔"にベジータ王は恐怖した。
逆らってはいけない、と。顔を上げることさえできず、闘志さえ沸き立つことはなかった。
─その様子を城の窓から眺める少女がいた。
彼女の名前は未設定。突然変異ともいっていい、サイヤ人には珍しい真っ白な髪をしたサイヤ人だった。
「……パラガス大佐、コルド大王の横にいる方は…?」
「フリーザ様というらしい、……コルド大王のご子息だ」
「フリーザ様……」
名前をつぶやいた一瞬、目が合ったような。
「……未設定、城の外には出るんじゃないぞ」
「わかってます、少し気になっただけです」
くるりと体の向きを変え、少女は駆け出して行ってしまった。
また養育施設にでも行ったのだろう、あそこは少女のお気に入りの場所だ。
少女は数年前、我々と同じサイヤ人として生まれた。
─しかし種族は同じでも容姿は違っていた。髪も尻尾も"真っ白"だったのだ。それ以外の特徴はなく戦闘力や潜在能力も特化したものがあるわけでもなかった。……それでも皆自分と違うものは怖いのだ。無害とわかるまで、少女を軟禁する意見に反対するものはいなかった。
少女も自分が他の人と違うことが分かっていたのだろう。
ベジータ王直々にこの少女は危険因子であるか否か、見極める為部屋を訪れた。部屋から出てきた王はひどく愉しそうに少女と共に出てきた。少女と何を話していたのかは分からないが城内でのみ、自由に行動することを許可した。
それからというもの、王の少女の可愛がり様はすごかった。まるで愛玩動物のように撫でまわしたり餌付けしたりとすさまじかった。そんな様子を見せられていては危険視する自分が馬鹿馬鹿しいと思う者もいたようだ、次第に誰も恐れることはなくなり王同様皆可愛がっていた。
───しかしそんな穏やかな日々が続くことはなく、惑星ベジータは消滅しほとんどのサイヤ人は絶滅する事となった。