※女主　※付き合っている　※生理ネタ　※暗め

まだ日が昇りきらない時刻、あなたがふと目を覚ますと昨晩一緒に布団に入った筈の彼女が見当たらない。耳を澄ませてみると向かいのバスルームから小さい灯りが洩れ、控えめに水道を使う音がした。
そーっと近付いてみると、流子は真冬だというのに冷たい水で手を真っ赤にしながら何かをぐしぐし洗っている。

ははぁ、なるほどね。

察した私はなんだか見ていられなくて、暖房を入れがてら無言で流しの横に某ハイターのボトルを置こうとした。
しかし凡人の気配に気付かぬ彼女ではない。2、3歩近付いた所で
「〜はよ。あ、布団は無事だから！起こして悪ぃな」
と洗濯物と向き合ったまま声を掛けられる。
なんて健気なのだろう。まだ薄暗いリビングから脱衣所の薄黄色いライトの逆光で浮かび上がる流子を見てハッとした。
あまりの罪悪感で咄嗟に返す言葉も見つからない。流子が私の事を気に入ってくれているのは本当に幸せだが、結果「こっちの人生」に付き合わせてしまっているのではないか。ずっとこの暮らしを続けるのは彼女の可能性を奪ってしまっているのではないか。

私だって、私の方こそ、後にも先にも意味を持たない血を流させてしまってごめんね。


終










さて、これは twitter に投稿したキルラキルプラスのタグツイートを加筆修正したもので、その他は全て書き下ろしになります。少しでも楽しんで頂けていたらわたしが救われます。ノリノリで作業していましたが想定より夢要素が少なくなってしまった点についてはすみませんでした。
今回はエアイベントという事でしたが、TRIGGER作品は一生好きなので公式非公式関わ
らず、今後イベント等があれば何処にでも現れる予定です!ではでは、これからもあなたさんと流子ちゃんが幸せでありますように!


【読まなくても別に困らない裏話】
プリンと流子ちゃんの話に出てくる流子ちゃんは、5歳くらいの設定で時系列としては寄宿舎に入る直前をイメージしています。わたしの山程ある流子ちゃんの好きな所の一つに｢人を見る力」というのがあるのですが、それが小さい頃から鋭かったらいいな~、心を許した人にだけ触らせてくれる野良猫みたいだったら可愛いな~と思い、出来上がった話でした。



発行 2020,6,7 エアブープチオンリー星羅運布
サークル名とまと畑
執筆者 のはら