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イエジル

そこにあるだけ/ジルコン

僕より長く、歳を重ねている。尊敬の念を抱くにはそれだけで充分だった。
「ジルコン。俺は生きててもいいのかな」
時折、儚げに揺れる瞳が美しいと思った。繊細な心も、この方の魅力の一つと思えた。僕は答える言葉を知らない。
「ジルコン。これからはボルツと組むといい」
視線を合わせず言われた言葉を、はい、と一言で受け入れた。望んだわけじゃない。でもイエローがそう言うなら、僕に抵抗する頭はない。黙って従った。
「イエロー、僕は」
イエローのなにかになりたいと、そんなことすら思わなかった。ただそこに貴方がいればいいと。それだけでよかったのに。
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