キャラ単体
信頼/ネプチュナイト
ありのままの現実を、正面から受け止めるのは重要だ。どんな時であっても。くよくよ思い悩むことは生産的ではない。現実から学び、次に活かせる知見を得、新しい日々を生きる。俺達は常に生まれ変わるべきで、それは死を与えられていないからに他ならない。日々、成長を忘れてはならない。
さて、俺はベニトがいなくなったことをどう受け止めよう? 理由はさっぱり分からない。しかし、彼が己を変えたくて決めたことならば、俺は祝福しようと思う。どこに行ってもベニトはベニトだ。俺からの愛情は変わることはない。必要がない。ベニトを信頼している。それだけで充分だと思うのだ。
普通/ベニトアイト
ネプチュナイトが嫌いであるという事実に、ずっと蓋をしてきた。彼がなにを考えているのか、ずっと隣にいても知り得ることはなかった。けれど、彼のことを苦手で嫌いだということが、僕が普通であることの証拠のような気がして、言い出すことは出来なかった。
それだけの理由で、月に来てしまってよかったのだろうか。ここに来て少し後悔している。どこに行こうとも僕は僕だ。変わることなど、出来ないのかもしれない。それでも、月へ来て馴染んでいく仲間達と、合わせるフリを続ければ、僕だって生まれ変われるかも。普通だと言われても、僕は僕を生きてみる。
後輩と教育/ボルツ
初めのうちは、こいつと上手くやっていけるのか不安もあった。七日間は喋りもしなかった。
「なるほど、それは仰る通りですね!」
ジルコンは、想像以上に吸収力があり、素直で、僕の話をよく聞いてくれた。僕の言葉が足らない時には、ちゃんと繰り返し訊ねてくれた。とても一緒に仕事がしやすかった。
「やはり、ダイヤ属は優秀ですね」
僕のすべきことは、彼の盲信的なダイヤ属への尊敬の念と、それと対照的に自身を過小評価する癖を直すことだ。ジルコンは強くなれる。その確信が僕の中にあった。彼を育てることで、僕は初めて戦闘で楽しみを見つけられた。
雨音/ダイヤモンド
空が雲に覆われ、ぽつりぽつりと雨粒が落ちてくる。次第に地面を叩いた大合唱になった。白粉が落ちないうちに、学校へと戻る。仕事がなくなると、ボルツと僕は別行動を取る。ボルツが振り返ることはない。
「お花もこれで少し長持ちするかしら」
花瓶の手入れをしながら、空を仰ぐ。雨が降ると安心する。雨が降れば、比べられることはない。それと同時に、試される機会もないと落胆する。強くなければダイヤモンドではない。だから僕は、晴れ間を待ち焦がれねばならない。……けれど今だけ。今だけは、雨音に耳を傾けて、癒されてもいいだろうか。
ポジポジファイト/フォスフォフィライト
新しい朝だ。今は何もかもが清々しい。また訪れる冬も、カンゴームとなら怖くはない。先生と月人のひみつを手放して、深く沈めてしまったら、新しい僕に生まれ変わったようで毎日楽しい。みんなが一緒に戦ってくれるのなら、僕はどこまででも行ける気がした。
「あさつゆと〜はなを〜♪」
これからはもっとみんなと共に歩もう。みんなに愛される僕でいよう。そのためであれば。忘却に対する恐怖も、いつしか忘れてしまった。約束も、仕事も、今は呆けていよう。それがきっと、この幸福を続ける秘訣だ。
ネガネガファイト/フォスフォフィライト
月で真実を告げられた。なにひとつ想定と違った。僕の生きる世界は何故こんなにも残酷なのか。君がいた星と教えられた方向を見る。青い。僕が月人を救う?誰一人として、救うことの出来ない僕が?考えようと思えば思うほど、思考が真っ白になって止まるようだ。それでも、考えなくてはならない。考えていないと、
(崩れる)
正気に戻ってはいけない。崩れればここで粉になるだけ。そして二度と地上には戻れないだろう。あぁ、全てを忘れてやり直すことが出来たなら。忘却に対する恐怖も、いつしか忘れてしまった。今はもう、なにを恐れているのかさえ分からない。気分が悪い。
夜明け前/シンシャ
夜明け前の世界は、この上なく美しい。煌々と煌めきだす地平線、植物も花開いて、かすかに起き出した生命の息遣いが聞こえる。冷えた空気が、徐々に熱を持っていく。全てが目覚める頃に、俺は眠りにつく。
(夜から出たい)
考えて、振り払う。無理なことだ。この仕事の意味を問いただすのはやめよう。俺にはこの仕事しかないのだから。明朝に生まれ変わる世界を、この目に出来るのだから、悪くないだろう。悪いことなんて、ないだろう。
黄昏時/シンシャ
花屋の仕事を終えて、地上を見下ろす。今地上ではなにが咲いていたっけ。フォスはその変化に気付けているだろうか。幸福の中、彼の背負った役目について思慮に耽る。
(今日も風が強いだろうか)
孤独が意味を持つ仕事があるなんて、考えてもみなかった。俺にとって孤独は、耐え難い苦痛だった。フォスにはこれから一万年付きまとう。誰にも感謝されない仕事に、意味は。……この仕事の意味を問いただすのはやめよう。皆がそう望み、フォスを忘れていく。俺は。
忠告/パパラチア
重たい気分で目覚めると、末っ子が随分と変貌していて、彼だと分かるまでに時間がかかった。頼る声を無碍には出来ず、思わしくない身体を引きずって外に出る。良い季節だ。フォスはなかなか悪い子になっていた。誰だって一度はそんな時期がある。
「冷静に慎重にな」
自分の手で変えられることなんて、あまりにも小さい。それは曲がりなりにも長く生きた俺が、よく知っていること。こんな言葉しか残せないけど、納得のいく答えに辿り着くまで、どうか無事で。元気に過ごせよ。
怠惰/パパラチア
全てが終わって、みんな幸福に生きている。俺はなにもかもに嫌気が差して、眠ることを辞められずにいる。結局、俺は生きるのをサボっているだけ。大業を成し遂げる、成し遂げたフォスを労うことも許されない。
(俺にはなにが出来ただろう。最善とは?)
自分の手で変えられることなんて、あまりにも小さい。流れてきた現実を、どう受け止めるかが全てだ。けれど、フォスは大きく変えてみせた。彼に忠告なんてした自分が馬鹿みたいだ。フォスが進化する一万年、俺は腐ることしか出来ないのだろうか?
ありのままの現実を、正面から受け止めるのは重要だ。どんな時であっても。くよくよ思い悩むことは生産的ではない。現実から学び、次に活かせる知見を得、新しい日々を生きる。俺達は常に生まれ変わるべきで、それは死を与えられていないからに他ならない。日々、成長を忘れてはならない。
さて、俺はベニトがいなくなったことをどう受け止めよう? 理由はさっぱり分からない。しかし、彼が己を変えたくて決めたことならば、俺は祝福しようと思う。どこに行ってもベニトはベニトだ。俺からの愛情は変わることはない。必要がない。ベニトを信頼している。それだけで充分だと思うのだ。
普通/ベニトアイト
ネプチュナイトが嫌いであるという事実に、ずっと蓋をしてきた。彼がなにを考えているのか、ずっと隣にいても知り得ることはなかった。けれど、彼のことを苦手で嫌いだということが、僕が普通であることの証拠のような気がして、言い出すことは出来なかった。
それだけの理由で、月に来てしまってよかったのだろうか。ここに来て少し後悔している。どこに行こうとも僕は僕だ。変わることなど、出来ないのかもしれない。それでも、月へ来て馴染んでいく仲間達と、合わせるフリを続ければ、僕だって生まれ変われるかも。普通だと言われても、僕は僕を生きてみる。
後輩と教育/ボルツ
初めのうちは、こいつと上手くやっていけるのか不安もあった。七日間は喋りもしなかった。
「なるほど、それは仰る通りですね!」
ジルコンは、想像以上に吸収力があり、素直で、僕の話をよく聞いてくれた。僕の言葉が足らない時には、ちゃんと繰り返し訊ねてくれた。とても一緒に仕事がしやすかった。
「やはり、ダイヤ属は優秀ですね」
僕のすべきことは、彼の盲信的なダイヤ属への尊敬の念と、それと対照的に自身を過小評価する癖を直すことだ。ジルコンは強くなれる。その確信が僕の中にあった。彼を育てることで、僕は初めて戦闘で楽しみを見つけられた。
雨音/ダイヤモンド
空が雲に覆われ、ぽつりぽつりと雨粒が落ちてくる。次第に地面を叩いた大合唱になった。白粉が落ちないうちに、学校へと戻る。仕事がなくなると、ボルツと僕は別行動を取る。ボルツが振り返ることはない。
「お花もこれで少し長持ちするかしら」
花瓶の手入れをしながら、空を仰ぐ。雨が降ると安心する。雨が降れば、比べられることはない。それと同時に、試される機会もないと落胆する。強くなければダイヤモンドではない。だから僕は、晴れ間を待ち焦がれねばならない。……けれど今だけ。今だけは、雨音に耳を傾けて、癒されてもいいだろうか。
ポジポジファイト/フォスフォフィライト
新しい朝だ。今は何もかもが清々しい。また訪れる冬も、カンゴームとなら怖くはない。先生と月人のひみつを手放して、深く沈めてしまったら、新しい僕に生まれ変わったようで毎日楽しい。みんなが一緒に戦ってくれるのなら、僕はどこまででも行ける気がした。
「あさつゆと〜はなを〜♪」
これからはもっとみんなと共に歩もう。みんなに愛される僕でいよう。そのためであれば。忘却に対する恐怖も、いつしか忘れてしまった。約束も、仕事も、今は呆けていよう。それがきっと、この幸福を続ける秘訣だ。
ネガネガファイト/フォスフォフィライト
月で真実を告げられた。なにひとつ想定と違った。僕の生きる世界は何故こんなにも残酷なのか。君がいた星と教えられた方向を見る。青い。僕が月人を救う?誰一人として、救うことの出来ない僕が?考えようと思えば思うほど、思考が真っ白になって止まるようだ。それでも、考えなくてはならない。考えていないと、
(崩れる)
正気に戻ってはいけない。崩れればここで粉になるだけ。そして二度と地上には戻れないだろう。あぁ、全てを忘れてやり直すことが出来たなら。忘却に対する恐怖も、いつしか忘れてしまった。今はもう、なにを恐れているのかさえ分からない。気分が悪い。
夜明け前/シンシャ
夜明け前の世界は、この上なく美しい。煌々と煌めきだす地平線、植物も花開いて、かすかに起き出した生命の息遣いが聞こえる。冷えた空気が、徐々に熱を持っていく。全てが目覚める頃に、俺は眠りにつく。
(夜から出たい)
考えて、振り払う。無理なことだ。この仕事の意味を問いただすのはやめよう。俺にはこの仕事しかないのだから。明朝に生まれ変わる世界を、この目に出来るのだから、悪くないだろう。悪いことなんて、ないだろう。
黄昏時/シンシャ
花屋の仕事を終えて、地上を見下ろす。今地上ではなにが咲いていたっけ。フォスはその変化に気付けているだろうか。幸福の中、彼の背負った役目について思慮に耽る。
(今日も風が強いだろうか)
孤独が意味を持つ仕事があるなんて、考えてもみなかった。俺にとって孤独は、耐え難い苦痛だった。フォスにはこれから一万年付きまとう。誰にも感謝されない仕事に、意味は。……この仕事の意味を問いただすのはやめよう。皆がそう望み、フォスを忘れていく。俺は。
忠告/パパラチア
重たい気分で目覚めると、末っ子が随分と変貌していて、彼だと分かるまでに時間がかかった。頼る声を無碍には出来ず、思わしくない身体を引きずって外に出る。良い季節だ。フォスはなかなか悪い子になっていた。誰だって一度はそんな時期がある。
「冷静に慎重にな」
自分の手で変えられることなんて、あまりにも小さい。それは曲がりなりにも長く生きた俺が、よく知っていること。こんな言葉しか残せないけど、納得のいく答えに辿り着くまで、どうか無事で。元気に過ごせよ。
怠惰/パパラチア
全てが終わって、みんな幸福に生きている。俺はなにもかもに嫌気が差して、眠ることを辞められずにいる。結局、俺は生きるのをサボっているだけ。大業を成し遂げる、成し遂げたフォスを労うことも許されない。
(俺にはなにが出来ただろう。最善とは?)
自分の手で変えられることなんて、あまりにも小さい。流れてきた現実を、どう受け止めるかが全てだ。けれど、フォスは大きく変えてみせた。彼に忠告なんてした自分が馬鹿みたいだ。フォスが進化する一万年、俺は腐ることしか出来ないのだろうか?