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ベニトアイト・ネプチュナイト・ウォーターメロントルマリン・ヘミモルファイト・ジルコン

月を見つめて/ウォーターメロントルマリン

月を眺めて、幼い頃の記憶を呼び起こす。僕に戦い方を教えてくれた石。僕をのびのび育ててくれた石。一緒に過ごした時間は短いけれど、思い出は多くて濃い。
「月でなにしてるのかなぁ……」
バラバラにされて飾られる貴方を想像して、怖くなってやめた。月は輝きながら揺らめいて見える。全てを見透かされているようで怖かった。
「また会えるよね」
諦めにも近い希望を口にして、部屋に戻った。今日は貴方の夢が見れたらいいな。

通り雨/ネプチュナイト

通り雨に降られて、慌てて木陰に避難した。雨足は強くなるばかりで、滝のようになった。視界が悪くなる中、向こうからゆっくりとした足取りで誰か近づいてくる。
「ネプちー? めっちゃ濡れてるけど大丈夫?」
「別に平気」
白粉が少し落ちて、藍色の素肌が垣間見える。それがなんだかセクシーに映って、思わず頬に触れた。
「??」
ネプちーは分からない表情で、私の手に手を重ねる。そうして、微笑んだ。
「触れたくなるほど見惚れたのか?」

期待と恋心/ジルコン

「もう、君は僕より歳上なのに、どうしてそう怠惰なんですか」
「大して変わらないだろ。昼寝の邪魔するなよ」
見廻りをサボっていたら、目敏くジルコンに見つかった。ジルコンは真面目で、優秀で、俺なんか目障りなのだろう。
「君だってやれば出来るのに、勿体ないですよ!」
「やれば出来るから、今はお休み中なの!」
引き下がらないジルコンを放っておいて、昼寝を再開する。諦めて立ち去るかと思っていたら、ジルコンは隣に座り込んだ。
「は?」
「君がやる気を出すまで、見張っています」
大きなお世話だ。どうして俺にそんなこだわるのだろう。

寄りかかる/ネプチュナイト

ネプちーの元気がない。隠密の得意な彼だから、顔には出ないけれど。私には分かる。心当たりを訊ねる。
「ゴーストがいなくなって寂しい?」
「寂しくないと言ったら嘘になる。けれど、嘆いていても仕方がない」
ネプちーは自分の気持ちもバッサリと切り捨ててしまう。無駄がなくて、時に不可思議だ。見えないからこそ、その心が覗きたいと思う。
「ちょっとくらい、僕に寄りかかってもいいんだよ?」
ちらっと僕を見て、考えた後に、頭を僕の肩に置いてきたからびっくりした。割れちゃうよ?
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