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〔1〕
足が少し震えていた。
季節外れの転校生。
最初の挨拶は何度やっても緊張する。
静夜はやや俯き加減で教壇に立った。
「長野の安曇野中学校から転校して来た静夜さんです
今日からこの3年B組の仲間になります
仲良くしてあげて下さいね」
笑顔で自分を紹介する若い女教師の「仲間」という言葉に
多少の違和感を持ちながら静夜はペコリと頭を下げた。
「静夜です
宜しくお願いします」
静夜の母親は静夜を産み落とすとすぐにこの世を去った。
夫婦は駆け落ち同然だったので
残された父親には頼る親も親戚もなく
乳飲み子だった静夜を文字通り男手一つで今まで懸命に育てて来た。
しかし、その短気な性格が災いし
腕のいい板前でありながら一所に長く居着けず
関東甲信越の店を転々とする生活を送っていた。
そんな父親を悪くいう人間もいるが
それでも静夜は父親が大好きだった。
静夜は担任に言われた席に荷物を持って向かった。
窓側の一番後ろの席。
隣の少年の規格外の大きな体は
椅子も机もひどくちっぽけに見せていた。
「あの…、よろしく」
「………」
自分の声が小さかったのかと思い、もう一度挨拶すると
少年はチラリと横目でこちらを見ただけで
また視線を戻した。
真っ黒い髪が少し開いた窓のすきま風にサラサラと揺れている。
抜けるような白い肌。
意志の強そうな眉と切れ長の瞳。
筋の通った高い鼻とちょっと突き出した唇。
やれやれ、変な奴の隣になったな…と思った。
それが静夜と流川の出逢いだった。
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足が少し震えていた。
季節外れの転校生。
最初の挨拶は何度やっても緊張する。
静夜はやや俯き加減で教壇に立った。
「長野の安曇野中学校から転校して来た静夜さんです
今日からこの3年B組の仲間になります
仲良くしてあげて下さいね」
笑顔で自分を紹介する若い女教師の「仲間」という言葉に
多少の違和感を持ちながら静夜はペコリと頭を下げた。
「静夜です
宜しくお願いします」
静夜の母親は静夜を産み落とすとすぐにこの世を去った。
夫婦は駆け落ち同然だったので
残された父親には頼る親も親戚もなく
乳飲み子だった静夜を文字通り男手一つで今まで懸命に育てて来た。
しかし、その短気な性格が災いし
腕のいい板前でありながら一所に長く居着けず
関東甲信越の店を転々とする生活を送っていた。
そんな父親を悪くいう人間もいるが
それでも静夜は父親が大好きだった。
静夜は担任に言われた席に荷物を持って向かった。
窓側の一番後ろの席。
隣の少年の規格外の大きな体は
椅子も机もひどくちっぽけに見せていた。
「あの…、よろしく」
「………」
自分の声が小さかったのかと思い、もう一度挨拶すると
少年はチラリと横目でこちらを見ただけで
また視線を戻した。
真っ黒い髪が少し開いた窓のすきま風にサラサラと揺れている。
抜けるような白い肌。
意志の強そうな眉と切れ長の瞳。
筋の通った高い鼻とちょっと突き出した唇。
やれやれ、変な奴の隣になったな…と思った。
それが静夜と流川の出逢いだった。
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