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I miss you

ここは湘北高校の体育館。



たった今、
放課後のバスケ部の練習が終了したところだ。



3年の三井寿が引退し
名実共にやっと「オレの時代」を手に入れた新キャプテン宮城リョータにマネージャーの彩子が近づく。



 「ねぇ、あれ見てよ」



彼女が示す先には、1年の流川楓。



部員が引きあげる中、1人ボールを抱えたままコートに立っている。



 「流川がどうかしたの?」



訊き返す宮城に彩子が呆れた。



 「リョータ、あんたキャプテンなんだから部員のメンタル面もしっかり把握してなきゃだめよ」

 「へ?」

 「あいつ、このところ様子がおかしいわよ」

 「そーかぁ?」

 「私の考えが間違ってなければあいつ、恋してる」

 「え?…えぇーっっ!!!」



あの流川が恋、だと?



だが、確かに言われてみれば思い当たる節がない事もない。



練習中にふと動きが止まったり、遠い目をしてあらぬ方向を見ていたり…
第一、このところ桜木とやり合う姿を全く見ていなかった。



やはり彩子の言う通りかもしれない。



流川とて人の子だ。
恋の一つもするだろう。



だが待てよ…と、宮城は思う。



ヤツのこの腑抜けた状態はいつまで続くのか。



赤木・三井の引退後、流川には今まで以上に頑張ってもらわなくてはならないのだ。



このままでは湘北バスケ部の明日は無いに等しい。



……かもしれない。



チラリと横を見ると、どうやら彩子も同じ懸念を抱いているようだった。



 「リョータ…
 この恋、私達で成就させるわよ」

 「え?…えぇーっっ!!!」



宮城、本日2度目の仰天顔で彩子を見つめた。


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