マイフレンド
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
〔エピローグ〕
夕陽が海に傾き掛ける。
ガタガタ揺れる軽トラックの窓から見るこの景色は
静夜が初めてこの街に来た時と同じだった。
でも今はたくさんの想い出が胸の中に溢れている。
オレンジ色に染まる静夜の横顔は
何かを吹っ切ったように清々しい。
この匂いを決して忘れないように、潮風を思い切り吸い込んだ。
「静夜……悪かったな
お前、ここ気に入ってたのによ」
父が遠慮がちに話し掛ける。
「いいよ、別に」
「次はよ、ぜっ……てーケンカしねーから、誓うから」
「私にじゃなく、大将に誓ったら?」
「……ったくだ、ちげーねぇ
こりゃ静夜に一本取られたな」
顔を見合せ、2人で笑う。
大将の取り成しで無事、先方の客と示談が成立した。
彼は気にするなと店に引き留めてくれたのだが
けじめをつけると、どうしても譲らない父に
わざわざ次の働き口まで世話してくれた。
大将に足を向けて寝られないと父は苦笑する。
「おっと…」
バックミラーを見た父が車を路肩に寄せた。
「ほら、…行って来い」
父が顎で指す方を見ると
自転車にまたがった流川がいた。
「わざわざ来てくれたの?」
「あぁ……
友達、なんだろ?俺達」
切れ長の瞳が真っ直ぐに向けられている。
途端に静夜の視界が滲み始めた。
「……いろいろ、ホントに、ありがと」
伝えたい思いが一気に溢れ出し、次がなかなか言葉にならない。
「私…………
忘れないから…
この街も…流川の事も」
「……あぁ」
それ以上、涙で詰まって何も言えなかった。
「……たまには、遊びに来い」
「……うん」
「……小田急使えば結構近い、…と思う」
「……うん」
「俺と1on1出来るくらいには仕込んでやる」
「うん、…ありがと」
「……じゃあな、元気で」
流川の右手がスッと伸びた。
静夜の右手も自然に重なる。
「……ちぃせー手」
「流川は…、デカ過ぎ」
静夜は流川を見上げ、泣きながら笑った。
湘南の夕陽が2人をオレンジ色に染めて長い影を作っていた。
.
→
夕陽が海に傾き掛ける。
ガタガタ揺れる軽トラックの窓から見るこの景色は
静夜が初めてこの街に来た時と同じだった。
でも今はたくさんの想い出が胸の中に溢れている。
オレンジ色に染まる静夜の横顔は
何かを吹っ切ったように清々しい。
この匂いを決して忘れないように、潮風を思い切り吸い込んだ。
「静夜……悪かったな
お前、ここ気に入ってたのによ」
父が遠慮がちに話し掛ける。
「いいよ、別に」
「次はよ、ぜっ……てーケンカしねーから、誓うから」
「私にじゃなく、大将に誓ったら?」
「……ったくだ、ちげーねぇ
こりゃ静夜に一本取られたな」
顔を見合せ、2人で笑う。
大将の取り成しで無事、先方の客と示談が成立した。
彼は気にするなと店に引き留めてくれたのだが
けじめをつけると、どうしても譲らない父に
わざわざ次の働き口まで世話してくれた。
大将に足を向けて寝られないと父は苦笑する。
「おっと…」
バックミラーを見た父が車を路肩に寄せた。
「ほら、…行って来い」
父が顎で指す方を見ると
自転車にまたがった流川がいた。
「わざわざ来てくれたの?」
「あぁ……
友達、なんだろ?俺達」
切れ長の瞳が真っ直ぐに向けられている。
途端に静夜の視界が滲み始めた。
「……いろいろ、ホントに、ありがと」
伝えたい思いが一気に溢れ出し、次がなかなか言葉にならない。
「私…………
忘れないから…
この街も…流川の事も」
「……あぁ」
それ以上、涙で詰まって何も言えなかった。
「……たまには、遊びに来い」
「……うん」
「……小田急使えば結構近い、…と思う」
「……うん」
「俺と1on1出来るくらいには仕込んでやる」
「うん、…ありがと」
「……じゃあな、元気で」
流川の右手がスッと伸びた。
静夜の右手も自然に重なる。
「……ちぃせー手」
「流川は…、デカ過ぎ」
静夜は流川を見上げ、泣きながら笑った。
湘南の夕陽が2人をオレンジ色に染めて長い影を作っていた。
.
→