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〔6〕
案の定、翌朝登校すると
静夜の机は酷いイタズラ書きがされ
椅子の上には無数の画鋲が置かれていた。
担任が夢中で犯人探しをしたが
無論、見つかるわけもなく
静夜は1人、黙々と机の上の悪意に満ちた言葉を
消しゴムで消した。
この程度ならまだいい。
こんな事は慣れている。
心を静かに、何も考えずこの時間をやり過ごせばいいだけだ。
チラリと隣を見ると、流川が爆睡している。
いつもと違うのはコイツが居る事だな…と思うと
不思議と静夜の心は温かくなった。
ここでなら頑張れそうな気がした。
数日が過ぎた放課後、静夜は担任から職員室に呼ばれた。
嫌がらせをした犯人が見つかったのだという。
見たこともない女子生徒が3人、真っ赤に目を腫らして泣いていた。
昨夜6時過ぎ、彼女達が静夜の机にイタズラ書きをしている現場を
たまたま部活で残っていた生徒が発見したとの事だった。
謝罪する3人に静夜は「気にしてないから」と声を掛けた。
教室に戻ると流川が頬杖をついてボンヤリと外を眺めている。
静夜はふと思い立って訊ねてみた。
「ねぇ……
ひょっとして、流川?」
「……なんのことだ」
「……ううん、なんでもないけど
……一応、ありがとう」
「………」
流川の満足気な横顔がその全てを物語っているようだった。
「今日、部活ねーし…
またやるか、特訓」
「…ホントに?
うん!!やろーやろー」
2人は連れ立って教室を後にした。
前回と同じくパスとドリブルを終えた後
新たにレイアップシュートの練習が加わった。
「速攻とかでよく使う基本のシュートだ
ゴールの成功率がたけぇ
これが出来るようになりゃ1on1も夢じゃねーよ」
「1on1?」
「…2人でやるバスケ」
「2人で?…ホントに?」
「あぁ」
「じゃあ、流川とも出来るの?」
「…もちろん」
「そっか……
よーし、頑張るぞ!!!」
そして、リングが見えなくなるまで2人は夢中で練習した。
「もう暗いな……
家まで送ってやる」
「あ、大丈夫
こーゆぅの慣れてるんだ」
「ん?」
「……話してなかったけど
ウチって、とうさんと2人暮らしでさ
とうさん、板前だから帰って来んの大抵午前様でね
だからちっこい頃から夜とか全然1人でも平気なんだよね」
「…そう、なのか?」
「うん、ありがとね
あ、…そーだ
とうさんの料理、めちゃくちゃ美味いから
今度、流川にご馳走するよ
特訓のお礼!!」
「お、…おぅ」
コイツ、こんな顔して笑うのか…と流川は思った。
「…私さ、富中に来て良かった
流川に会えて、良かったよ
なんか、初めて友達出来たって気する…エヘヘ」
「………」
「…じゃあ、また明日」
「……待て」
「ん?」
「……やっぱ、送る
乗れ、後ろ」
「いいって…」
「いいから乗れ!!」
強引に乗せられた。
初めて出来た友達の背中は広くておっきくてあったかかった。
「ありがとう…、流川」
静夜の声は風に飛ばされてあっという間に消えて行った。
.
案の定、翌朝登校すると
静夜の机は酷いイタズラ書きがされ
椅子の上には無数の画鋲が置かれていた。
担任が夢中で犯人探しをしたが
無論、見つかるわけもなく
静夜は1人、黙々と机の上の悪意に満ちた言葉を
消しゴムで消した。
この程度ならまだいい。
こんな事は慣れている。
心を静かに、何も考えずこの時間をやり過ごせばいいだけだ。
チラリと隣を見ると、流川が爆睡している。
いつもと違うのはコイツが居る事だな…と思うと
不思議と静夜の心は温かくなった。
ここでなら頑張れそうな気がした。
数日が過ぎた放課後、静夜は担任から職員室に呼ばれた。
嫌がらせをした犯人が見つかったのだという。
見たこともない女子生徒が3人、真っ赤に目を腫らして泣いていた。
昨夜6時過ぎ、彼女達が静夜の机にイタズラ書きをしている現場を
たまたま部活で残っていた生徒が発見したとの事だった。
謝罪する3人に静夜は「気にしてないから」と声を掛けた。
教室に戻ると流川が頬杖をついてボンヤリと外を眺めている。
静夜はふと思い立って訊ねてみた。
「ねぇ……
ひょっとして、流川?」
「……なんのことだ」
「……ううん、なんでもないけど
……一応、ありがとう」
「………」
流川の満足気な横顔がその全てを物語っているようだった。
「今日、部活ねーし…
またやるか、特訓」
「…ホントに?
うん!!やろーやろー」
2人は連れ立って教室を後にした。
前回と同じくパスとドリブルを終えた後
新たにレイアップシュートの練習が加わった。
「速攻とかでよく使う基本のシュートだ
ゴールの成功率がたけぇ
これが出来るようになりゃ1on1も夢じゃねーよ」
「1on1?」
「…2人でやるバスケ」
「2人で?…ホントに?」
「あぁ」
「じゃあ、流川とも出来るの?」
「…もちろん」
「そっか……
よーし、頑張るぞ!!!」
そして、リングが見えなくなるまで2人は夢中で練習した。
「もう暗いな……
家まで送ってやる」
「あ、大丈夫
こーゆぅの慣れてるんだ」
「ん?」
「……話してなかったけど
ウチって、とうさんと2人暮らしでさ
とうさん、板前だから帰って来んの大抵午前様でね
だからちっこい頃から夜とか全然1人でも平気なんだよね」
「…そう、なのか?」
「うん、ありがとね
あ、…そーだ
とうさんの料理、めちゃくちゃ美味いから
今度、流川にご馳走するよ
特訓のお礼!!」
「お、…おぅ」
コイツ、こんな顔して笑うのか…と流川は思った。
「…私さ、富中に来て良かった
流川に会えて、良かったよ
なんか、初めて友達出来たって気する…エヘヘ」
「………」
「…じゃあ、また明日」
「……待て」
「ん?」
「……やっぱ、送る
乗れ、後ろ」
「いいって…」
「いいから乗れ!!」
強引に乗せられた。
初めて出来た友達の背中は広くておっきくてあったかかった。
「ありがとう…、流川」
静夜の声は風に飛ばされてあっという間に消えて行った。
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