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〔5〕
「バスケって、そんなに楽しいの?」
「…はぁ?」
授業の合間の休憩時間
珍しく流川が起きていたので話し掛けてみた。
「や、……すごい夢中だからさ」
「……楽しいとか、そーゆぅ次元じゃねー」
「へ?」
「やらなかったら死ぬ」
「へぇ、…そーなんだ」
「………そーだ」
「ねぇ…
バスケってさ、1人でも出来るかな?」
「はぁ?」
「あ、や、…な、なんでもないっ
忘れて、今の!!」
「……お前、やってみてーのか?」
「べ、別に……」
「……2人なら、出来る」
「へ?」
「…今日、部活ねーから」
「え?」
「教えてやる」
「……う、うそーぉ!!」
全く予期せぬ展開だった。
静夜は流川の自転車の後ろに乗っていた。
彼の脚力は静夜の体重などもろともせずに
ぐんぐんスピードを上げる。しっかりと腰に捕まっていないと振り落とされそうだ。
学校を出る時、何人かの女子がガン見していた。
長年の感から、明日は覚悟して登校しなくてはならないと静夜は思った。
それでなくても、最近流川と親しくしている自分を面白く思っていない連中が
影で酷い中傷をしているのを知っている。
でもそんな事はもう、慣れっこだった。
流川は高いフェンスに囲まれた広場の入り口に自転車を止めた。
「ここ、リングがある」
前カゴのバッグからボールを取り出すと
流川はすたすた中へ入って行った。
静夜が慌てて後を追うと、振り向きざまにボールを投げて寄越した。
「わわっ!!」
なんとかキャッチする。
「リターン!!」
「え?」
「リターンだ、俺にパスしろ」
「あ、うん……エィ」
「ちがう!!
もっと胸にボールをつけて
両手で押し出すように
………こうだ!!」
シュッ
速くて真っ直ぐなボールが飛んで来た。
バシンッ
静夜は肩までじーぃんと痺れた。
「エィッ!!」
「…ちがう!!
頭でイメージしろっ」
「エィッ!!」
「…ちがう!!
腕だけで出そうとするなっ
体全体を使えっ」
「エィッ!!」
しばらくパスの練習が続いた。
「次……、ドリブル」
ダムダムダム…
流川が見事な手本を見せる。
「やってみろ」
「うん」
ポテン、ポテン、ポテン…
「オィ……鞠つきじゃねーんだ、真面目にやれ」
「ま、真面目だよ!!」
「腰を落とせ、ボールを見るな」
「うん」
ポン、ポン、ポン…
「よし…、そのままリングまで走れ」
ポンポンポンポン…
「シュート!!!」
流川に言われて放った静夜のボールは
ヘロヘロヘロと頼りない放物線を描いてポトリと地面に落ちた。
「………下手くそ」
「もーっ!!!
そんなの当たり前じゃないさ!!!」
転がったボールをヒョイと拾い上げると
流川は膨れっ面の静夜へゆっくり近づく。
「…お前、バスケやったの今日初めてか?」
「そーだけど、何か?」
「……筋がいい、結構」
それは思いがけない言葉だった。
「え?……ホントに?」
「……あぁ
また、見てやる」
「やったーっ!!!」
静夜の汗ばんだ体に夕方の風が吹き抜けて行く。
.
「バスケって、そんなに楽しいの?」
「…はぁ?」
授業の合間の休憩時間
珍しく流川が起きていたので話し掛けてみた。
「や、……すごい夢中だからさ」
「……楽しいとか、そーゆぅ次元じゃねー」
「へ?」
「やらなかったら死ぬ」
「へぇ、…そーなんだ」
「………そーだ」
「ねぇ…
バスケってさ、1人でも出来るかな?」
「はぁ?」
「あ、や、…な、なんでもないっ
忘れて、今の!!」
「……お前、やってみてーのか?」
「べ、別に……」
「……2人なら、出来る」
「へ?」
「…今日、部活ねーから」
「え?」
「教えてやる」
「……う、うそーぉ!!」
全く予期せぬ展開だった。
静夜は流川の自転車の後ろに乗っていた。
彼の脚力は静夜の体重などもろともせずに
ぐんぐんスピードを上げる。しっかりと腰に捕まっていないと振り落とされそうだ。
学校を出る時、何人かの女子がガン見していた。
長年の感から、明日は覚悟して登校しなくてはならないと静夜は思った。
それでなくても、最近流川と親しくしている自分を面白く思っていない連中が
影で酷い中傷をしているのを知っている。
でもそんな事はもう、慣れっこだった。
流川は高いフェンスに囲まれた広場の入り口に自転車を止めた。
「ここ、リングがある」
前カゴのバッグからボールを取り出すと
流川はすたすた中へ入って行った。
静夜が慌てて後を追うと、振り向きざまにボールを投げて寄越した。
「わわっ!!」
なんとかキャッチする。
「リターン!!」
「え?」
「リターンだ、俺にパスしろ」
「あ、うん……エィ」
「ちがう!!
もっと胸にボールをつけて
両手で押し出すように
………こうだ!!」
シュッ
速くて真っ直ぐなボールが飛んで来た。
バシンッ
静夜は肩までじーぃんと痺れた。
「エィッ!!」
「…ちがう!!
頭でイメージしろっ」
「エィッ!!」
「…ちがう!!
腕だけで出そうとするなっ
体全体を使えっ」
「エィッ!!」
しばらくパスの練習が続いた。
「次……、ドリブル」
ダムダムダム…
流川が見事な手本を見せる。
「やってみろ」
「うん」
ポテン、ポテン、ポテン…
「オィ……鞠つきじゃねーんだ、真面目にやれ」
「ま、真面目だよ!!」
「腰を落とせ、ボールを見るな」
「うん」
ポン、ポン、ポン…
「よし…、そのままリングまで走れ」
ポンポンポンポン…
「シュート!!!」
流川に言われて放った静夜のボールは
ヘロヘロヘロと頼りない放物線を描いてポトリと地面に落ちた。
「………下手くそ」
「もーっ!!!
そんなの当たり前じゃないさ!!!」
転がったボールをヒョイと拾い上げると
流川は膨れっ面の静夜へゆっくり近づく。
「…お前、バスケやったの今日初めてか?」
「そーだけど、何か?」
「……筋がいい、結構」
それは思いがけない言葉だった。
「え?……ホントに?」
「……あぁ
また、見てやる」
「やったーっ!!!」
静夜の汗ばんだ体に夕方の風が吹き抜けて行く。
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