彼の七不思議
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私には最近気になっている事がある。
些細な事かもしれないけれど、彼の普段の素行からしたらとても珍しい事で…。
席替えで、隣になった彼は、居眠り常習者。
それが、ここ暫くはずっと起きている。
「……ナニ?」
『いや、別に…』
そして女子はおろか、男子とさえ余りしゃべらない口数の少なさにも関わらず、こうしてたまに向こうから私に話し掛けてきたりする。
じっと横顔を眺めていたのに気付いた彼の短い問いかけに、同じ様に短く返せば、大きな欠伸を1つ溢して、涙目になった眼を数回瞬かせる。
やっぱり眠いらしい。
そうまでして彼に惰眠を我慢させているのは一体何なのだろう…。
『あ………、』
「ぅす、」
昼休み―
天気の良い日は友達の誘いを断って、私は屋上でお弁当を食べる。
陰になっているところに腰を下ろして、そこから日の光を目一杯に浴びている街の様子を眺めるのが好きだから。
『今日もいたんだ』
「オゥ、ここ…」
持っていたフォークで自分の横を指す彼を行儀が悪いと思いながらも、黙って言う通りにする。
『天気いーよね』
「そうだな…」
自前のお弁当を食べていると、コンビニ弁当を平らげた彼は、最後に食べようと思って横に置いていた私のデザートの容器に手を伸ばし、さも当然といった様子で中のリンゴにフォークを突き刺す。
シャクシャクという瑞々しい咀嚼音を耳にしながら、いつの間にこうして一緒にお昼を食べる事になったんだっけと思考を巡らす。
そして、私はいつから強奪されるのを分かっていて、毎日お弁当にデザートを持ってくる様になったのか…。
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些細な事かもしれないけれど、彼の普段の素行からしたらとても珍しい事で…。
席替えで、隣になった彼は、居眠り常習者。
それが、ここ暫くはずっと起きている。
「……ナニ?」
『いや、別に…』
そして女子はおろか、男子とさえ余りしゃべらない口数の少なさにも関わらず、こうしてたまに向こうから私に話し掛けてきたりする。
じっと横顔を眺めていたのに気付いた彼の短い問いかけに、同じ様に短く返せば、大きな欠伸を1つ溢して、涙目になった眼を数回瞬かせる。
やっぱり眠いらしい。
そうまでして彼に惰眠を我慢させているのは一体何なのだろう…。
『あ………、』
「ぅす、」
昼休み―
天気の良い日は友達の誘いを断って、私は屋上でお弁当を食べる。
陰になっているところに腰を下ろして、そこから日の光を目一杯に浴びている街の様子を眺めるのが好きだから。
『今日もいたんだ』
「オゥ、ここ…」
持っていたフォークで自分の横を指す彼を行儀が悪いと思いながらも、黙って言う通りにする。
『天気いーよね』
「そうだな…」
自前のお弁当を食べていると、コンビニ弁当を平らげた彼は、最後に食べようと思って横に置いていた私のデザートの容器に手を伸ばし、さも当然といった様子で中のリンゴにフォークを突き刺す。
シャクシャクという瑞々しい咀嚼音を耳にしながら、いつの間にこうして一緒にお昼を食べる事になったんだっけと思考を巡らす。
そして、私はいつから強奪されるのを分かっていて、毎日お弁当にデザートを持ってくる様になったのか…。
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