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差しのべる彼のセリフ



頑張らなければ。


私は完璧でいたい。


だって弱い自分は嫌だもの。







屋上で一人、ぼんやり登校する生徒を眺める。


その中にアイツはいた。


何も知らない顔で、きれいな女の子を隣に笑っている。


つい先日、アイツは私にこう言ったんだ。


「お前さ、なんか重い。うっとおしいんだよ」


だから一人で歩かなきゃ。










「よぉ、どうしたの?こんなことろで」


「水戸くん…」


同じクラスの水戸くんだ。


いつも友達と一緒につるんでいるのに、今日は一人だ。


「水戸くんこそ、どうしたの?」


「なにが?」


「一人でいるなんて珍しい」


「そっちこそ、朝から屋上でどうしたの?」


「…ちょっと、一人になりたくて」


「ふぅん」


そういって水戸くんは制服のズボンのポケットに両手を入れて何か言いたそうな笑顔を作る。


「じゃぁ、俺は邪魔だったかな」


「あ…いや…」


「邪魔者は失礼するよ」


ひらひらと片手を振ってドアへと向かう。


そして、水戸くんはクルリと振り返って、私にこう言った。


「何があったかは知らないけど、辛いときは俺に言えよな」


「…えっ…」


「泣きそうな顔してるからさ」



そう言い残して、水戸くんは屋上から姿を消した。



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