徒然モノクローム
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「わかった。決めた」
私はそう言って流川くんの隣に座る。
「お」
「……!」
その瞬間二人の目が若干大きくなる。
「流川くん、仙道さんの隣に行って」
「…む」
「え?」
私の発言に二人の目がもっと大きくなる。
いいから早く、と私に急かされながら流川くんはしぶしぶ仙道さんの隣に行く。
「決められないから。今の私じゃ」
そう、無理。
無理難題過ぎる。
「なるほど、決められないか。今の##NAME1##ちゃんじゃ」
少しうつむいていると、仙道さんが妙に納得したように腕を組む。
「…!なるほど…」
仙道さんの言葉を聞いて、流川くんもなぜか納得をする。
何?あんなに言い争いをしていたのに。
「『今の』##NAME1##ちゃんじゃ決められないんだとさ、流川」
「…おう」
「え?なに?どういうこと?」
え、よくわからないんだけど…
「ここは気長に待つしかないな」
「ちっ、仕方ねー…」
「なに?二人で話を進めないでよ」
「だって、決められないんだろ?『今の』##NAME1##ちゃんには。だったら『これから』の##NAME1##ちゃんには決められるって事だろ?」
「…!」
なんか、してやられた!
流川くんが静かに頷いている。
「さっ、ドーナツ食べようか、##NAME1##ちゃん」
「イタダキマス」
「……」
戸惑う私など気にもせずにドーナツにかぶりつく二人。
もう、どういうつもり?
「ほら、早く食え。これ、お前の分」
流川くんが目の前にドーナツのお皿を差し出す。
私はチョコドーナツを手に取って一口かじる。
いつもと同じ味だったけど、何かが違っていた。
同じはずなのに、なぜかとても美味しかった。
いつも何気なく食べていたのに、ちょっと変わるとこんなに美味しく感じるなんて。
流川くんと仙道さんと仲良くなってから、私の中と周りがどんどん変わっていった。
多分、それのせい。
いつもの景色が違って見えるのも、チョコドーナツが美味しく感じるのも。
「…決められるのかなぁ」
「え?何か言った?」
「ううん、なんでもない」
未来がどうなるか、私にはわからない。
今はこの贅沢な時間を楽しむことだけ考えよう。
少しだけ広がった色鮮やかなこの景色を、私は楽しもうと思う。
end
→
あとがき