豊玉vs大栄
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昔の友達の高校を目的に見に来た大阪だったが、いつの間にか彦一の目的は「偵察」に変わっていた。
しかし、相手高校の土屋の華麗なプレイを見て、もう一つの目的を見出していた。
気持ちは高揚していたが、冷静な目で大栄というチームを分析し始めていた。
「大栄学園…4番を中心によくまとまったええチームや。…長身のフロアリーダーで味方を生かすのがうまい」
この時、彦一の頭の中で一人の人物のプレイ姿が頭をかすめる。
同じチームの長身のエース。
「そう…どことなく仙道さんタイプやな」
彦一は仙道のプレイを思い出していた。
土屋のプレイは仙道を彷彿とさせた。
土屋のオフェンス力は非常に高く攻撃の要となっている。
しかもチャンスとあらば仲間に絶妙なパスを出すことができる視野の広さとパスセンス。
チームをまとめ、攻撃のリズムを作る。
そして時には先陣をきって攻撃を仕掛ける。
『オールラウンダー』
その一言に尽きる選手だと彦一は思った。
そんな事を考えていると、フロアでは土屋が岸本のディフェンスをものともしない打点の高さで、岸本の上からジャンプシュートを決めていた。
その動きは会場の動きを一瞬止めた。
このプレイを見て、彦一の胸はますます熱くなる。
「見に来といてよかった…本当の要チェックは大栄学園やで。新生・陵南の目標になるチームにかも知れへんで…」
新生・陵南。
仙道を中心とするチーム。
その陵南の未来の姿となるであろう、大栄学園。
その大栄学園の姿と未来の陵南の姿を重ね合わせていた。
そして…
彦一の目が鋭く光る。
「そして、4番・土屋淳…要チェックや!!」
この日の試合、55-68で大栄が全勝して優勝を決めた。
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