豊玉vs大栄
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土屋はリングに向かって全力で走る。
土屋のカウンターに、岸本はディフェンスにいち早く戻り、待ち構える。
(こいつ、突っ込む気か!?)
そのまま突っ込むかと思われた土屋のオフェンス。
岸本の目の前でシュート態勢に入った土屋だったが、ノーマークの味方に寸でのところでパスを出す。
しかもノールックパス、というオマケつきだ。
『おお!ナイスパスや!』
『凄いわ、土屋!岸本のディフェンスを完璧に読んでのパスや』
「岸本め、あの4番にいいように翻弄されてるやんけ。ザマミロ。仙道さんに恥かかすなんて偉そうに言うときながら、いいキミや」
偵察に来ていた相田彦一がノートにペンを走らせる。
その歓声の中、大栄はボールをリングにくぐらせていた。
『よっしゃーーーー!!』
『差が開いたぞ!』
『10点差!!』
後半残り2分半。
51-61で大栄が10点リード。
「チキショーーッ!勝負せんかい、土屋ぁ!」
目の前であっさりとディフェンスをかわされた岸本はますますヒートアップするが…
(フン、無視や、無視。岸本、お前なんか俺の足元にも及ばんわ、ドアホ)
土屋は岸本の罵声を鮮やかに無視する。
無反応の土屋を岸本はギリギリと睨みつける。
ディフェンスに戻る土屋は南とすれ違い様に一言声をかける。
「俺を潰そうなんて100年早いで。なぁ、エースキラーさんよ」
「……!」
南にとって不名誉なあだ名をサラリと言ってその場を立ち去る。
土屋にはお見通しだった。
南の「強気」を通り越したプレイを。
同じ大阪の強豪校のエース同士なのだからお互いの手の内を知っているのは当然のこと。
それは南も承知であった。
それを承知でも、「勝ち」たかったのだ。
どうしても…
『甘いで!南!』
再び土屋の言葉が頭をよぎる。
手の内を読んでいるからこそ自分の強引なプレイはお見通しということか…
だからそのプレイに逆らう事もたやすいと。
それとも、自分の考えに対して「甘い」と言いたいのか。
いや、そんなはずはない。
自分の勝ちに対する執念の「理由」を土屋は知らないはずだ。
だけど、南の中で何かが引っかかっていた。
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