豊玉vs大栄
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試合は後半も中盤に差し掛かる。
得点を重ねて行くが、2点入れれば2点返されるの繰り返しで一向にその差は縮まることはなかった。
点差は前半終了時と同じ8点差のまま。
豊玉はなかなかその点差を埋めることができずにいた。
イライラしてプレイが乱れる岸本に南が声をかける。
「岸本、土屋のマーク変われ」
「はぁ?何言うとんねん南。なんや、俺がマークしとったら不満なんか」
突然の南の指示に岸本は感情が爆発しそうになる。
しかし、南は冷静にそれを受け流す。
「違うわボケ。俺がマークしたいだけや。ええから黙って変われ」
「……」
南の気迫に岸本は一歩下がる。
潰す気なのか?土屋を。
その言葉を飲み込んだ。
「今度の俺のマークはお前か?南」
ボールを受け取った土屋にすかさず南はマークにつく。
セリフくさい土屋に南は腰を落として睨みつける。
「わざとらしいな、土屋。かかってこい言うたのお前やろ」
「…そやな。じゃ、いくで!」
ダムッ!!!
一気に抜きにかかる土屋に南はぴったりとマークにつく。
簡単には抜かせない。
『おおっ!南!ディフェンス気合入っとるで!』
『エース対決か!』
キャプテン同士の戦いに皆が注目する。
「簡単にはいかさへんで、土屋!」
南のディフェンスは少し強引だったが、それは周りにはわからなかった。
ファールギリギリ。
その時だった。
…バシッ
南の手が土屋にぶつかる。
(ファール…!)
土屋は瞬間そう思ったが、審判の死角になっていたのかファールは取られなかった。
(コイツ…!)
当たった手のせいで体勢を崩すが、南の冷たい瞳が土屋に冷静さを取り戻させ、寸でのところで近くにいた味方にパスを出す。
ボールを持たない土屋のディフェンスを緩める南。
そんな南に土屋は小さな声で話しかける。
「南、お前、ワザとか?」
「…何がや」
「…別に」
ファールこそ取られなかったものの、今のは完全に「狙って」やったものだ、土屋はそう思った。
あのまま体勢を崩していたら南と一緒に倒れ込み、自分は南の下敷きになっていただろう。
(アイツ、ついに本領発揮ってわけやな。でもな、ウチもここで負けるわけにはいかへんのや。お前に負けられん理由があるように、こっちにも負けられん理由があるんやからな!)
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