豊玉vs大栄
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試合当日…
ウォーミングアップが終わり、両校共に試合開始を待っていた。
「今日の俺は燃えとるで…」
「いよいよやね。IHには行けるけど…やっぱり試合前ってのは緊張するな」
めぐはスコアブックを大事そうに抱え、試合開始前のフロアをしみじみと見つめていた。
土屋もその隣に立ち、応援席の熱気とは対極に静まり返るフロアを見まわす。
「この試合勝って、大栄を大阪ナンバーワンにしたるんや…」
「おお、なんか土屋から赤い炎が見えるで!」
「そして……岸本をけちょんけちょんにする!」
「コイツ、アカンわ…」
頭を抱えるめぐの姿が写らないほど、土屋は燃えていた。
ガンガンガンガン!!
『大栄!大栄!大栄!』
『大栄!ファイト!!!』
ガン!ガン!ガン!ガン!
『豊玉~!大栄なんかいてまえ、コラァ!』
『土屋なんかぶっ潰したれぇ!!』
試合開始直前。
両校の応援が響き渡る中、土屋の顔は険しい。
「ちっ…相変わらず下品な応援やな。だから俺は豊玉好きになれんのや」
「コラァ!土屋ぁ!あんな応援でイライラせんと!」
「わかっとる。大丈夫や。あんな応援黙らしたる」
めぐの檄をあくまで冷静に返す土屋。
険しい顔をしているが、それ以上の感情は土屋からは感じられなかった。
(やっぱりこいつの試合に対する集中力はハンパないな…普段からこうならええのに、なんでプライベートだとあんなんなんやろ)
めぐは心の中でため息を吐きながらスコアブックを静かに開きながら用意された机に座る。
大歓声の中、アナウンスが会場に流れる。
『試合に先駆けまして、両校のスターティングメンバーを紹介します』
このアナウンスを機に会場内の熱が一気に上がる。
『緑のユニフォーム、大栄学園。4番、土屋淳』
「よっしゃ!」
自分に喝を入れるように立ち上がる土屋。
『土屋!気合やで!』
『土屋さん!ファイト!』
応援席からの歓声の中、ベンチ入りしたメンバーとハイタッチを交わしていく。
そして、列の一番端にいるめぐの前でピタリと止まる。
「土屋!負けたらシバクで!!」
「大丈夫や。ええから黙って見とき」
そう言って大きくパチンとハイタッチをする。
(よし、やるで。絶対に勝つんや。負けたらめぐちゃんに合わす顔あらへんからな)
土屋の気合は十分に入った。
めぐの言葉で気持ちが更に引き締まり、ハイタッチで彼女の気合を全身に受け取ったような気がしたからだ。
『続きまして、青のユニフォーム、豊玉高校。4番、南烈』
豊玉の応援席から大歓声が起きる。
『大栄なんて潰してまえ~!南!』
そんな応援に一切耳を貸さず、南は淡々としたハイタッチを交わしていく。
そして、コートに入ると同時に南と土屋の視線がぶつかり合う。
(南…)
(……)
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