Our fights
「大体、幼馴染でも男女でこうやって二人で遊ぶなんてしねーぞ、普通」
帰り道、独り言のような文句を私はうつむきながら聞いていた。
それを聞きながら、私は普段意識していなかった感情を自分の中ではっきりと意識することができた。
自分の中でも秘密にしていた感情が。
「あのさ…」
「何だよ」
「ノブの秘密、いいんじゃないかな」
「…あ?」
「私の秘密もノブと一緒かも」
「………」
「………」
「………おい、それって」
「…あ、何か走りたい気分」
「おいっ!!!」
私は照れ隠しに全速力で走った。
遅れてノブが追いかけてくる。
「おいっ!今のって!!!」
「言わない!!!一回しか言わない!!」
「てめーーー!言うならちゃんと言え!」
「言わない!!悪いか!」
「…悪いっ!!!」
追いつかれないように目いっぱい走った。
夜の風が火照った顔に当たって気持ちよかった。
「私の家まで勝負だからね!」
「なにぃ!?てめーにゃ負けねーぞ!!」
fin
2011.09.05
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→ひとこと