『すいーつだーりん？』




「なぁなぁ…」

「お断りや」

「あっくんまだ何も言うてへんのに断られた…はっ、もしかして言わんでもあっくんの言いたいこと伝わった？以心伝心？やっぱアイがあるからやね！うん！」

「一人で納得せんといて。で、なんなん」

「あっくんと甘い甘～いひとときでもいかがかな、と思て」

「あっ、断固お断りや」

「そんな即答せんと。あっくんいいもん持ってんねんでコレ見たらあっくんと甘いひとときを過ごしたくなるで」

「語尾にハートつけんといて！キモすぎやし」

「大丈夫！いつもゆうてるやん！！あっくんのハートは誰にも渡さへんって」

「…そんなことはさておき、いいもんって何？」

「あっ、あっくんのピュアなハートが『そんなこと』扱いされてもうた……でもあっくんめげへんで！」

「土屋、何キャラ？」

「これ、二人で食べよ思て買うてきたんよ」

「どれどれ？……うわ！コレ、コンビニの新作スイーツ！今人気で入手困難てテレビでやってたヤツやないの！！」

「そやで～。厳選された北海道産の卵と牛乳を使った特選カスタードプリンや。上の生クリームがポイントやで」

「…誰に説明してんの」

「さて…俺と甘いひととき、どないですか？」

「土屋と食べるかはともかく、これ、くれんの？」

「ちょっ！さっきからあっくんの事無視せんといて！これは二人で食べよ思て買うてきたんよ？あっくん甘いもの、特にプリンはお前と同じくらい大好きやねんで！」

「………」

「…！いややわ、あっくん勢いで…何て事…ドキドキッ」

「土屋…」

「え、今返事すんの？ちょ、待って！あっくん心の準備が…」

「…デカい体に似合わず甘いもんとか…乙女趣味キモすぎやで」

「うわぁぁああ！！そっちぃぃ！！？」

「どないしたん？涙出てんで。せっかく買うてきてくれたんやし、一緒に食べよか」

「あっくん……今食べると塩辛い味しかせぇへんかも」

「さよけ。ほな、いただきまーす！」

「あっ！それはあっくんが食べるつもりで買ってきたプリンや！！」

「そんなん知るかいっ！早いもん勝ちや！！」


おわり
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