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輝き

湘北高校。

私はいつものようにバスケ部の練習を見に行く。

バスケの詳しいルールはわからないが、最近、バスケを見るのが楽しくなっている。

放課後、楽しくなった原因を作った張本人を見に行くのが日課になっていた。

ワクワクしながら足取り軽く体育館へ向かう。


体育館に着くと扉には既に人だかり……


「キャー!!流川くーーん!!」


……流川親衛隊か……


1年生の流川がシュートを決める度に黄色い声援が飛ぶようだ。

全く…私のように静かに見ていられないのだろうか。

だいたい、そんなに大きな声援を挙げたら迷惑じゃないか。

……わかってないなぁ。

流川親衛隊の隙間から体育館の中を背伸びして覗きこむ。

頭の間から、なんとか練習風景が見える。

中では試合を想定しての実戦練習を行っているようだ。

しかし…こうして覗きこんでいると流川親衛隊の仲間に見られてしまうだろうか。

…違うのに

私の目的は1年生エースではない。


「よっしゃあ!!」


彼は3Pシュートを鮮やかに決め、拳をぐっと握る。


『………!!』


私は心の中で大歓声をあげる。

私が見に来たのは、この綺麗なシュートフォームでネットにボールを潜らせる男、「三井寿」、だ。

素人の私が見ても、綺麗なフォームだというのがわかる。

綺麗なフォームから放たれたボールは綺麗な放物線を描いてゴールネットを潜る。

私はいつしかこの綺麗な動きに魅せられ、いつの間にか三井寿本人に魅せられていた。


『スゴい……』


彼の姿しか目に入らない。


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『もうこんな時間か…』


日が暮れる前に私は体育館を後にする。

本当は最後まで練習を見ていたいけど、遅くまで練習を見ている人はいないので、キリのいいところで退散することにする。

一人で見るのは恥ずかしいから…。

名残惜しいが、一人で練習を見ているのはさすがに気が引ける。


『カッコよかったな、三井先輩……』


帰り道、今日見た練習中の姿を頭の中で繰り返し思い出す。

高く弧を描くボール。

しなやかな手首の返し。

真剣な眼差し。

自然と胸が高鳴るのがわかる。


『明日も見に行こう…』


毎日、放課後がくるのが楽しみで仕方がない。

明日はどんな練習をするのだろうか、とても気になる。

バスケに一生懸命な姿、

早く見たい。



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