#14 成長
沢北の追い上げで得点は再び12点差にまで広がる。
残り、6分。
流川のマークにつく沢北は、目をそらさないまま、流川に話しかける。
「日本一の選手になりたいのか?流川」
「…うるせぇ」
「なるがいいさ。…オレのいない日本でな」
「なに?」
「夏が終わったらオレはアメリカだ」
「!!」
流川の中で、引っ掛かっていた何かがハッキリと脳裏に浮かんだ瞬間だった。
自分が日本一になる理由。
自分が日本一を目指す理由。
自分の目標であり、目指すもの。
これの為に、今、自分はバスケをしている。
そして…
「アイツ」がいる。
性別を超え、どんな相手でもものともしない、
自分より小さな体だけど、自分より大きな存在。
アイツがいる、
「……アメリカ」
流川は思わず口に出す。
流川の目がギラリと光る。
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