#8 転校生
馨達は屋上に向かったようだ。
流川は屋上へと続く階段を上り、扉の影から様子を伺う。
「馨ちゃんか!とりあえず美人系だな!」
「そうだな。ルカワに似てるが美人系だな」
「ちょっと男前な美人系??」
「それだ!!!」
状況がつかめないがなにやら話し声が聞こえてくる。
褒めているのかよくわからない。
(……なんだ、それは)
流川はやれやれと小さなため息をつく。
外ではそんな流川のため息など知らずに会話が進んでいく。
「キミ達、面白いね。なんか仲良くなれそう!」
「そうだな。なんかあったら力貸すよ。なぁ、花道?」
「う……あ、あぁ…」
楽しそうな声が聞こえる。
和やかな雰囲気を感じ取る。
「………戻るか…」
コイツらは大丈夫だ。
アイツを「馨」として見ている。
コイツらが同じクラスなら、大丈夫だろう。
少し安心した流川は、くあっと欠伸を一つして、ゆっくりと階段を降りていった。
(しかし、あのどあほうが同じクラスとは……やれやれ…)
To be continues
09.09.10