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#6 まだ秘密

馨が湘北にくる事になった。

今日、突然目の前に現れて、明日から同じ学校に通う。

…今日は驚く事ばかりだ。

流川は少しモヤモヤした気持ちになりながら部室で着替えをしている。


「……」


それにしても、試合前の反応、試合中の動き…何かおかしい。

2年の間に何があったのか……是非とも聞き出さないと。

こんなモヤモヤした気持ちは性に合わない。

早く聞き出してスッキリしてしまうに限る。


「流川、お前にあんなそっくりな姉貴がいるとは思わなかったぜ」


三井が汗を拭きながら話しかける。


「だな。しかも双子。ビックリしたぜ」

「…気持ち悪いくらいだぜ…」


宮城と桜木も後に続く。


「まさに『流川の女版』だったな…」


三人とも揃って微妙な顔つきだ。

馨は流川と同じ切れ長の目に長めの睫毛。

顔は整っている、「美形」タイプ。

髪は流川より少し長め。

性格も明るそうだし、バスケも上手い。

それだけならちっとも問題ないのだが…


「そっくりなんだよなぁ…お前に…」

「女の顔なのに流川だ」

「明日、転校してくるんだったよな…」


…と、いうことは……

三人は顔を見合わせる。


「「…着るのか?あの制服……」」


思わず目の前の流川に目を移して想像してしまう。


「………なんすか」


流川の眉間にしわが寄る。


「「「似合わねぇぇーーー!!!!」」」


一同涙を流しながら指を差して、腹を抱えて大爆笑している。


「………」


流川の眉間のしわが一層深くなる。


「だーっはっはっはっは!!」

「…ダメだ、腹いてぇ…」


ひぃひぃ言いながら、壁に手をついたり、うずくまったりして笑っている。


「………お疲れサマでした」


流川は爆笑している三人を何とか無視して、物凄く嫌な気持ちで部室を後にした。


(…ちっ……どあほうばっかりだ……)


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