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#6 まだ秘密


(なぜ攻めてこない……お前は身長差なんかにビビるヤツじゃねーハズだ)


流川が無言の圧力をかける中、馨は無表情のままだった。


(………)


馨は表情に出さないままだったが、内心では心臓の嫌な高鳴りを抑えられないでいた。


(くそ…やっぱり攻めきれない…)


ギリッと唇を噛む。


(…やっぱり体が動かない…拒否してる…)


試合は残り1分となった。

赤チームのボールからスタート。


「1本!きっちり取るぞ!」


次は宮城の攻撃。

馨は宮城の正面で腰を落とす。

すると宮城が口角を上げ、楽しそうに話かける。


「お前、面白いヤツだな」

「…???」

「女だと思ってちょっと甘く見てたけど、お前は対したヤツだ」

「……!!」

「お前と1on1やってると楽しくて仕方ねぇ」

「…………」


馨はグッと腰を落とし、ギロリと睨みつける。


「………いかせない」

「ヘッ、そうこなくっちゃよ」


…ダムッ!!


宮城、フェイクも入れず、いきなり抜きにかかる。


(……速い!!)


馨を置き去りにして一気にゴール下へ突っ込む。


「させーーん!!」


桜木が宮城のシュートを阻止すべく飛んだ。


「あめーよ!!!」


宮城は桜木のブロックに対してひるむ事無くシュートに跳ぶ。


「高い!!」


宮城の後をついて行った馨もゴール下の手前、フリースローライン上から宮城の跳躍を見た。


(凄い……!!)


宮城のジャンプ力も凄いが、桜木のジャンプ力もそれを上回るものだった。

馨が目の前の二人に目を取られていると、宮城がノールックで後ろにパスを出した。


(…しまった!!)


ボールは馨の顔の横を通り抜け…

馨は自分の後ろでボールを受け取ったであろう人物に向かって振り返る。


「あっ………!!」


ボールを受け取ったのは自分と同じ顔の人物。


「……楓!!」

「………」


二人の視線が交差する。


「今度は流川が仕掛けるわ!」

「明らかにミスマッチだぞ!」

「流川くん…」



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