#5 違和感
「速くて、ウマイっすよ」
「…流川!」
流川が二人の後ろから話かける。
流川から人に話しかけるとは珍しい。
気になっているのは部員だけではなかった。
2年ぶりに見るプレイ。
アメリカに飛び出して行って身につけたモノはどんなモノか、流川だって気になる。
「速い、か…。へへ、そりゃ楽しみだな」
宮城は馨とマッチアップしたくてたまらない様子。
流川が「速い」というのだ、きっとそれは本当のことだろう。
「電光石火」と言われた自分。
…楽しみが募る。
ワクワクとした表情で馨を見る宮城に、流川は更に続ける。
「あと…外もある」
「だとよ、宮城。せいぜい頑張るんだな」
「む…三井サンこそ、さっきみたいに流川にダンクさせないよう、せいぜい頑張って下さいよ」
「んだとぉ!?」
大き目の声で呟いた宮城の声が三井に届き、ぎゃあぎゃあと喧嘩が始まってしまった。
(やれやれ……)
赤チーム
G 宮城
G 潮崎
F 石井
F 流川
C 角田
白チーム
G 馨
G 安田
G 三井
F 佐々岡
C 桜木
このチームでの練習試合が再開した。
.