#4 2年間
…おかしい。
絶対に自信満々で参加すると思ったのに。
流川はそう思いながら馨を見つめていた。
「いいですよ!」
「負けませんから!」
自信に満ちた顔をして、こう言うと思ったのに。
予想と違う行動をする馨をじっと見つめたのち、流川の中であることが思い出される。
(アイツ、まだ…あのことを)
すると馨とチラリと目が合った。
自信なさげな顔をしていた。
目が合った瞬間、目をそらされた。
(…やっぱり、おかしい)
自分の知っている馨は男女関係なく、挑む者を拒まなかった。
身長など、性別など関係なかったハズだ。
…どうした。
まだ「あの事」を気にしているのか?
それとも違う「何か」なのか?
どうした。
「アメリカ」で何かあったのか?
俺の知らない2年の間、何があった。
その自信を曇らせる、
…どんなことが。
どんなことがアメリカであった。
2年という時間、馨の何を変えた?
あの自信に満ちた馨はどこに行った?
To be continues
090814