#3 同じ顔
「今度は平気。やりたいこと、はっきりしてるから」
目標?
ナニを目指すのだろうか…
ナニがしたいのだろうか…
「またゆっくり話すよ。時間は沢山あるし」
馨は穏やかな顔で遠くを見つめる。
2年前の激しい「意思」とはまた違う強い「意思」を感じる。
今までの会話からすると一時帰国ではなさそうだ。
新たな目標ができ、それを達成させる為に日本に戻ってきたのだ。
しばらくは日本にいるだろう。
だから、「時間はある」。
そういう事だろう
「っていうかさぁ…」
「…?」
「久しぶりに会ったんだから、なんか言う事ない?」
馨が手に顔を預ける形でこちらを見ながら文句に近いかたちで訴える。
ソウデシタ…
流川はあまりの違和感のなさですっかりそれを忘れていた。
2年ぶりの再会だというのを…。
「お久しぶりデス」
「いえいえ、こちらこそお久しぶりデス」
流川がペコリと頭を下げると、笑顔で返される。
「こちらこそ、ご心配おかけしました」
「イエイエ」
2年前とちっとも変わらない。
「そうだ、もうひとつ!」
「…なに?」
無邪気だった馨の笑顔が、優しい笑顔になる。
「楓に会いたかったっていうのは、本当だからね」
まったく…
コイツもどあほうだ…
To be continues
09.08.10
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