#1 プロローグ
「それはバスケのゴールだ。」
後ろから急に声がかかり、ビックリして二人は同時に振り返る。
するとそこには髪を七・三に分けた少し怖い顔の男が立っていた。
ポロシャツに何やら荷物を肩からかけている。
「「……!!」」
突然声をかけられて、二人は声が出なかった。
「こんな所にコレがあるとはな…知らなかったな…」
『バスケのゴール』を見上げながらそこに近づき、男は独り言を言っている。
「……オジサン、これ知ってるのか?」
男の子がゴールを指差して呟く。
「なっ……オジサン……!……あのなぁ、俺はオニイサンだっ!」
『オジサン』という言葉によほど不本意だったのか、男は顔を赤くして否定する。
「お兄さんはコレ、知ってるんですか?」
今度は女の子が言葉を選んで「オニイサン」に聞く。
「ん?ああ……何だ、これを知らないのか?」
「「知らない」」
二人の声が自然と揃う。
背格好も同じで顔もそっくりな二人が、好奇心溢れる目で見上げている。
子供が相手とはいえ、こうして頼られるのは悪くないなと思った男は少し得意気にかつ極力優しい口調で説明を始めた。
「これはな、バスケットボールってスポーツに使うものだ。あのリングの中にこのボールを入れ合って勝負するんだ。」
持っていた荷物から茶色のボールを取り出すと、ひょいと片手で持ち上げて楽しそうに話す。
後ろから急に声がかかり、ビックリして二人は同時に振り返る。
するとそこには髪を七・三に分けた少し怖い顔の男が立っていた。
ポロシャツに何やら荷物を肩からかけている。
「「……!!」」
突然声をかけられて、二人は声が出なかった。
「こんな所にコレがあるとはな…知らなかったな…」
『バスケのゴール』を見上げながらそこに近づき、男は独り言を言っている。
「……オジサン、これ知ってるのか?」
男の子がゴールを指差して呟く。
「なっ……オジサン……!……あのなぁ、俺はオニイサンだっ!」
『オジサン』という言葉によほど不本意だったのか、男は顔を赤くして否定する。
「お兄さんはコレ、知ってるんですか?」
今度は女の子が言葉を選んで「オニイサン」に聞く。
「ん?ああ……何だ、これを知らないのか?」
「「知らない」」
二人の声が自然と揃う。
背格好も同じで顔もそっくりな二人が、好奇心溢れる目で見上げている。
子供が相手とはいえ、こうして頼られるのは悪くないなと思った男は少し得意気にかつ極力優しい口調で説明を始めた。
「これはな、バスケットボールってスポーツに使うものだ。あのリングの中にこのボールを入れ合って勝負するんだ。」
持っていた荷物から茶色のボールを取り出すと、ひょいと片手で持ち上げて楽しそうに話す。