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#22 旅路


馨は公園を後にするマイケルを手を振って見送った。

家まで送ると言われたが、もう少し公園にいたいと言って断った。

マイケルの姿が見えなくなったところで再びベンチに腰を下ろし、先程握手した手をじっと見つめる。

力強くて、大きな手だった。

男性特有のものかもしれないが、それでも大きく感じた。

ボールだけではない、他のものもその大きな手で掴み取ってしまうような…

力強く握られた瞬間、マイケルから喝を入れて貰ったようだった。

言葉でも「頑張れ」と言われたけれど、言葉以外でも「頑張れ」と。

己の目標に向かっていくマイケルを見て、自分も頑張らなければと改めて思った。

マイケルの目標の大きさと比べると自分の行動はちっぽけなものかもしれない。

アメリカに来た理由も意固地なものだ。

それでもバスケの本場のアメリカに来たのだから確実に成長しなければ。

でないと自分の心情を全く話さずのままにいる楓に申し訳が立たない。

日本に帰る頃には堂々と彼の前に立っていなければ。


「…頑張らなきゃ」


馨はその言葉を胸に刻みつけ、掌をギュッと握り締める。


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